北野武監督、浅野忠信、大森南朋、中村獅童、白竜が“新たな挑戦”を語る 「Broken Rage」オフィシャルインタビュー映像
2025年2月18日 18:00

北野武が監督・脚本・主演を務めたAmazon Original映画「Broken Rage」のオフィシャルインタビュー映像(https://youtu.be/fmKgRlXNVkY)が公開された。北野監督が本作で表現したかった“新たな挑戦”に対する熱い想いを明かすとともに、浅野忠信、大森南朋、白竜、中村獅童といった北野組常連俳優たちがインタビューに応じている。
「暴力映画におけるお笑い」をテーマに製作された本作は、北野監督の型破りな演出と予測不能な展開で、映画界の常識を打ち砕く意欲作。第81回ベネチア国際映画祭(24)に日本の配信映画として初めて正式出品され、高い評価を獲得した。
北野監督自身が“実験映画”と銘打つ本作は、約60分を2つのパートに分け、前半では裏社会と警察組織の骨太のクライムアクションが展開。後半では、前半と同じ物語をコメディタッチでセルフパロディする構成となっている。
映像では、北野監督が「これは映画界で初めてだろう、これをやったやつはいないだろうと思って、ほくそ笑んだ」と笑顔を見せ、「(劇中で描かれるのは)“笑い”としてはクスクスなんだよね。シリアスな映画で失敗したときに、笑っちゃう感じ。殺し屋というモノトーンな題材で、緊張させておいてクスクス笑うような感じを撮りたかった。お笑いを全面的に出したくなくて、シリアスだけど同じトーンでパロディにすると『こんなになっちゃうよ』っていうのがメインなんだ」と明かす。
北野監督は“笑い”を体当たりで表現した浅野、大森について、「浅野くんや大森くんたちは上手いからね! 役者としてすごいところは、パロディのお笑い部分だと知っていても笑わせようとしないんだよね。ネタふりの前の(シリアスな)芝居とどう違うのかを分かっていて、大げさにボケようとはしない。言われたことをちゃんとやるから、作品を見たらそれがボケに見えるようになっている。それはすごいなと思う」と絶賛する。

「Dolls(ドールズ)」(02)、「アキレスと亀」(08)、「アウトレイジ 最終章」(17)、「首」(23)に続き5度目の北野作品への出演となった大森は、「真面目な方のパートに打ち合わせはないんですが、お笑いパートの打ち合わせはあって、監督の意図されているところや間、狙いについては(浅野くんと)けっこう話しました」と撮影を振り返る。
「SHOGUN 将軍」(24)で第82回ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した浅野は、「突然監督が『これもやってみようか』という風にアイデアをくれるんです。それに追いつくために大森さんといろんな話をして、結果大森さんに頼りきりで、全負担をかけていたような気がします(笑)」と語り、「僕が笑わせようとすることで笑いが取れることは絶対にないと思っていました。これがお笑いのストーリーラインとして進んでいたとしても、真剣に受け止めて演じなければと思っていました」と覚悟をもって演じたことを明かした。
大森は、映画監督としても長いキャリアをもつ北野監督の“新たな試み”について、「『Broken Rage』は、今の北野監督の真骨頂であると思います。ある芸術家の生き様の断片を見ているようなイメージです」と仰ぎ見る。そして、「首」(23)に続き北野作品への出演を果たした中村は「監督は時代の流れや、世の中がどんなものを求めていて、どんな風に昭和から平成、令和と時代が変わっていったことを、それを敏感に察知されています」と敬意を表した。

そして、北野監督作品には欠かせない白竜は、「監督の中には、いろんな方向にいろんなアイデアがあると思うんです。これからもいろんなジャンルを撮るんじゃないかと思います」と今後の北野監督への期待を語った。
北野監督は本作を経て、「たたき台となるストーリーから、いろんな監督にそのパロディを作ってほしいなと思います。方向やベクトルは見せたから、あとはいろんな人がチャレンジすればすごいものができるようになる」と、まだ見ぬ“映画”の可能性について期待を膨らませている。
Amazon Original映画「Broken Rage」はPrime Videoで世界独占配信中。
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