【天才過ぎる】「モアナと伝説の海」の音楽を手がけるリン=マニュエル・ミランダ、溢れる才能で築いた華麗なキャリアを振り返り
2024年11月22日 22:00
「モアナと伝説の海2」の公開を記念し、前作「モアナと伝説の海」(2016)が本日11月22日、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送中だ。この記事では、音楽を担当するリン=マニュエル・ミランダにスポットを当て、溢れる才能で築いた華麗なキャリアを振り返る。
作曲家、作詞家、劇作家、歌手、俳優、ラッパーなどマルチな才能を発揮し、3度のグラミー賞、3度のトニー賞のほか、エミー賞、ピューリッツァー賞の戯曲部門など数々の栄冠に輝き、ブロードウェイ界でも脚光を浴びるミランダの“天才過ぎる”功績とは? なお紹介する作品は、「ライオン・キング ムファサ」(12月20日から全国公開)を除き、ディズニープラスで配信されている。
海に選ばれ、海を愛する少女モアナが、島の危機を救うために冒険を繰り広げる。モアナの使命は、命の女神テ・フィティの盗まれた心を取り戻し、世界を闇から守ること。大海原で伝説の英雄マウイと出会い、立ちはだかる困難に悩み傷つきながらも、自らの進むべき道を見つけていく。
ミランダが手がけた主題歌「どこまでも How Far I'll Go」(原題:How Far I'll Go)は、第89回アカデミー主題歌賞にノミネートされた。この楽曲は16年間、島の外に出ることを禁じられていたモアナが、海の先に何が待っているのか不安を感じながらも、神秘の大海原へ旅立つことを自分で決断する気持ちが表現されている。
また、劇中歌「俺のおかげさ」(原題:You're Welcome)は、モアナと冒険をともにする伝説の英雄マウイのテーマ曲ともいえる、陽気なナンバー。人間ばなれした体格のマウイは、ユーモア溢れる陽気な性格で、自信家の一面も持ち、そんなマウイの性格が「俺のおかげさ」には反映されている。ディズニーミュージックのなかでも珍しいラップパートのある楽曲だ。
アカデミー賞5部門に輝いた1964年公開の名作ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の20年後を描いた続編。いまや家庭を持つ父親となったバンクス家の長男マイケル(ベン・ウィショー)の前に、再び“ほぼ完璧な魔法使い”メリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が風にのって舞い降りてくる。「シカゴ」「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命(いのち)の泉」といった大ヒット映画のほか、舞台演出家・振付師としても活躍するロブ・マーシャルが、監督を務めた。
ミランダは本作に俳優として出演。ポピンズの友人で、相棒のような存在である街灯点灯夫のジャックを演じている。ポピンズが魔法を使えることを知っている数少ない人物で、愛用の自転車で朝と夕の2回、街灯の消灯と点灯のために街中を回っている。劇中では「小さな火を灯せ」(原題:Trip a Little Light Fantastic)、「本は表紙じゃわからない」(原題:A Cover Is Not the Book)といった楽曲で、歌とダンスを披露している。
ミランダが主演のほか製作・脚本・音楽・作詞も担当し、トニー賞11部門受賞をはじめ、グラミー賞、ローレンス・オリビエ賞、ピューリッツァー賞など数々の受賞を果たしたブロードウェイミュージカル「ハミルトン」を映像化。“アメリカ建国の父”と呼ばれた人物のひとりで、10ドル札の肖像になっているアレクサンダー・ハミルトンの生涯を、ヒップホップやジャズ、R&Bと融合させて描いた歴史ミュージカルだ。16年6月にブロードウェイのリチャード・ロジャース・シアターにて上演された舞台を撮影した。
なお、同公演の演出を手がけたトーマス・ケイルは、26年公開予定の実写版「モアナと伝説の海」で監督を務めることになっている。ミランダは「モアナと伝説の海2」(12月6日公開)には不参加だが、実写版「モアナと伝説の海」には再び参加する予定だと報じられている。
南米コロンビアを舞台に、魔法に溢れた家に暮らす少女ミラベルの活躍を描いたミュージカルファンタジー。代々、ユニークな“魔法の才能(ギフト)”を家から与えられていたマドリガル家の子どもたちのうち、唯一、何の力も与えられていなかったミラベルが、愛する家族と魔法に包まれた不思議な家を守るため、立ち上がる。
ミランダは本作のために、全8曲を書き下ろし。人気曲「秘密のブルーノ」(原題:We Don’t Talk About Bruno)は、公開当時のアメリカで米BillboardのシングルチャートであるThe Hot 100で4位にランクイン。劇中歌「奇跡を夢みて」(原題:Waiting On A Miracle)は、特別な才能にあふれる家族たちのなかで、明るく前向きに過ごすミラベルが、心の奥底で抱える「魔法のギフトがなくても私も家族の一員」「私だって魔法が欲しい」という葛藤を歌い上げる。
さらに、いつも完璧なミラベルの長姉イサベラがまだ見ぬ自分に出会う喜びを歌詞に込めている「本当のわたし」(原題:What Else Can I Do?)、終盤にミラベルが努力の尊さを歌う「奇跡はここに」(原題:All of You)など、感動的な楽曲の数々は必聴だ。
アンデルセン童話を原作とする1989年製作の名作ディズニーアニメを、「シカゴ」「メリー・ポピンズ リターンズ」の名匠ロブ・マーシャルのメガホンで実写化したミュージカル映画。海の王国を司るトリトン王(ハビエル・バルデム)の末娘で、世界で最も美しい声を持つ人魚姫アリエル(ハリー・ベイリー)は、人間のエリック王子(ジョナ・ハウアー=キング)と出会い、人間界への思いを抑えきれなくなり、海の魔女アースラ(メリッサ・マッカーシー)と恐ろしい取引を交わすが--。
ミランダは、アニメ映画版も手がけた巨匠アラン・メンケンとともに音楽を担当。実写版に新たに加えられた「まだ見ぬ世界へ」(原題:Wild Uncharted Waters)、「何もかも初めて」(原題:For the First Time)、「スカットル・スクープ!!」(原題:The Scuttlebutt)の3曲を手がけている。また、ディズニープラスでは、劇場公開時には本編に含まれなかったトリトン王の歌「インポッシブル・チャイルド」(原題:Impossible Child)を含む特別バージョンも配信されている。
「ライオン・キング」に登場するムファサの幼き日を描く物語。ある悲劇によって、孤児となったムファサに救いの手を差し伸べたのは、同じ年頃のタカ(後のスカー)だった。兄弟のように固い絆で結ばれた彼らは、やがて数奇な運命に導かれ、ふたりでアフリカ大陸横断の冒険に出る。約束の地を目指す彼らに、驚くべき真実が待ち受けていた。
映画の公開を前に、劇中歌「ブラザー 君みたいな兄弟」(原題:I Always Wanted a Brother)がお披露目されている。若き日のムファサとタカの関係を歌ったミュージカルナンバーで、孤児のムファサと「兄弟が欲しかった」という王の血を継ぐタカが運命的に出会い、血のつながりを超えた兄弟の絆で結ばれていくふたりの“喜び”が表現されている。「兄弟の敵は僕の敵」「悪口を言ったら許さないぞ」という歌詞が表すように、この頃の彼らは互いを純粋に信頼し、本物の兄弟のように支え合っていたことがわかる。
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