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渡辺謙、吉沢亮&横浜流星と共闘! 「国宝」に高畑充希、寺島しのぶら12人の豪華キャスト結集

2024年10月8日 05:00

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渡辺謙が上方歌舞伎の名門の当主を演じる
渡辺謙が上方歌舞伎の名門の当主を演じる
(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

渡辺謙高畑充希寺島しのぶらが李相日監督の最新作「国宝」に出演することがわかった。渡辺は、主人公・喜久雄(吉沢亮)を引き取って育てる歌舞伎役者で、俊介(横浜流星)の父親の花井半二郎役を演じる。そのほか、寺島しのぶ田中泯高畑充希森七菜見上愛ら12名のキャストが発表された。

人気作家・吉田修一氏の最高傑作と呼び声の高い「国宝」は、吉田氏自身が3年間にわたり歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を血肉にして書き上げた渾身の作品。任侠の一門に生まれながら数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄と、歌舞伎の名門に生まれ、跡取り息子として将来を約束された俊介。生い立ちも才能も異なるふたりが切磋琢磨し、互いに高め合いながら芸に青春を捧げていくさまを描く。

メガホンをとるのは、「フラガール」(06)で日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞した李監督。初めて吉田作品に挑んだ「悪人」(10)は、第34回日本アカデミー賞13部門15賞受賞、最優秀賞主要5部門を受賞し、第34回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で最優秀女優賞を獲得するなど、海外でも高い評価を得た。

画像2(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

李監督作「許されざる者」(13)、「怒り」(16)で主演を務め、3度目の李組参加となる渡辺は、吉沢とは初共演。渡辺演じる花井半二郎は、上方歌舞伎の名門の当主で、大人気の看板役者。任侠の家に生まれた喜久雄の女方としての才能を見出し、実の息子・俊介と共に育てる。渡辺は「あまりにも壮絶で壮大な物語に『映像化は無理だ』」と感じたことを明かすとともに、「これまで数々の難題を乗り越えて来た李監督を信じ、この素晴らしい作品に立ち向かう決意を固めました」とコメントを寄せた。

李監督とは「怒り」以来、2度目のタッグとなる高畑は、喜久雄の幼馴染で恋人の春江役で出演。喜久雄を追って自身も長崎から上阪し、人気役者になっていく喜久雄と俊介をそばで見守る役どころだ。吉沢とは「アオハライド」(14)以来、10年ぶりの共演となるが、「(吉沢と横浜は)元々美しいお2人なのに、これ以上美しくなるの?!」と息をのんだと話し、「お2人の1番近くにいつも存在しているキャラクターだったので、間近で貴重な瞬間を沢山観られて、幸せです」と語った。

寺島は、半二郎の妻で俊介の母、大垣幸子役。初めは喜久雄を引き取ることに反対するが、喜久雄の才能に気付き、息子・俊介への愛情ゆえに苦悩する。人間国宝の父を持つ寺島は、「今まで生きてきた私の環境や、蓄えてきたものを少しでも活かせていれば良いなぁと思っています」とメッセージを寄せた。

さらに、喜久雄の人生に大きな影響を与える人間国宝、小野川万菊役で田中が出演。世界的なダンサーとして活躍する田中は、「伝統から生まれた万菊さんは今や僕のオドリ探求の相談役であります」と語っている。

そのほか、喜久雄を恋い慕う歌舞伎役者の娘・彰子役を森、喜久雄に人生を賭ける芸妓・藤駒役を見上が演じ、喜久雄の父親で立花組組長・立花権五郎役で永瀬正敏が出演。喜久雄の継母で権五郎の後妻・立花マツ役は宮澤エマが担う。

喜久雄の少年時代を演じるのは、是枝裕和監督作品「怪物」(23)で第47回日本アカデミー賞新人俳優賞、第66回ブルーリボン賞新人賞を受賞した黒川想矢。俊介の少年時代は、ドラマ「天狗の台所」(23・24)や初主演映画「ぼくのお日さま」などで注目を集める越山敬達が担当する。

喜久雄の才能を見込んで初舞台を用意する敏腕社長・梅木役は嶋田久作。喜久雄や俊介とともに成長していく竹野役は三浦貴大が演じ、4度目の李組参加を果たした。

国宝」は2025年公開。キャスト陣のコメント全文は以下の通り。


渡辺謙
吉田修一さんの「国宝」出版されて直ぐに読ませて頂いた。
役者の心の苦悩、歓喜、そして生き様が赤裸々に描かれていた。
ただあまりにも壮絶で壮大な人生は「こりゃ映像化は無理だ」とも感じていました。
しばらくして、盟友、李相日監督から連絡を貰うことになる。なんと挑戦したいとの事。
腰が浮くのを抑えながら、果たしてこの大作を支えられるか悩みました。
でも、これまで数々の難題を乗り越えて来た李監督を信じ、この素晴らしい作品に立ち向かう決意を固めました。

本来は大きな空間で、全身で、浴びさせてもらうはずの歌舞伎の世界に、汗や涙も捉えられるような寄りの視点で没入する。モニターを見た時、その新鮮な世界の美しさに息をのみました。元々美しいお2人なのに、これ以上美しくなるの?!って。笑
私はお2人の1番近くにいつも存在しているキャラクターだったので、間近で貴重な瞬間を沢山観られて、幸せです。 そして何より、久々にまた李監督や李組の皆さんと一緒に撮影が出来て、本当に楽しかった!

国宝」という吉田修一さんの途轍もない大作に挑戦された李監督の思いを受け取り参加させて頂きました。
今まで生きてきた私の環境や、蓄えてきたものを少しでも活かせていれば良いなぁと思っています。
吉沢亮さんと横浜流星さん、二人の少年時代を演じた黒川想矢くん、越山敬達くんの努力とガッツに脱帽です。
支えてくださる沢山の方の思いが結集されて、素敵な作品になっている事を切に願います。

田中泯
万菊さんという人になるために、カラダも心も習う毎日でした。初めてその姿になった時のことでした、数えきれぬ人々の知識と経験が技となり万菊さんの姿が現れる。仰天しました。距離を縮めることのなかった歌舞伎世界の向こう側に、自分はカラダ毎さらわれたのでした。日々自分の声に不安になり、自分の姿に困惑し、一瞬でもいいから、否一寸でも長く先人の魂が自分の体に訪れ、遊んでほしい、と願ったものでした。
万菊さんという自分のうちなる異人。伝統から生まれた万菊さんは今や僕のオドリ探求の相談役であります。そして終わってほしくなかった李相日監督の撮影の一コマ一コマが僕のオドリの稽古のようでした。贅沢しました。礼

森七菜
はじめて一人で見に行った映画は李監督の映画でした。映画という豊かな時間を映画館で過ごすことの意味を知るという大切な一歩目を踏み出してから、ずっと憧れにしてきた李組に参加させていただけること、とても幸せに思います。
現場は緊張と衝撃の繰り返しの毎日で、喜久雄と俊介2人の人生がどれだけ壮大な舞台の上に成り立っているかを痛感しながら、青い炎のように確かな温度を静かに保ち現場に佇む吉沢さんを側で見て、寄り添っていく者としてしっかりしなくてはと自分の背中を正し続ける日々でした。
情熱で溢れたこの作品がたくさんの人に届きますように願っております。

見上愛
今回の作品に参加するにあたって、日本舞踊、三味線、舞妓さんや芸妓さんとしての所作練習に勤しみました。
10代の役と30代の役をひとつの作品の中で演じるのは初めてのことで、かなり不安もありました。
ですが、カメラの前に立つ前に過ごしてきた時間や、吉沢さんや監督をはじめとする、周りの皆さんの集中力と誠実さにとても助けられました。
こんなにも贅沢な環境でお芝居ができたことを幸せに思います。

初めて国宝のオーディションを受けた時から、僕は絶対に少年喜久雄を演りたいと思い、気づかぬうちにその薄っぺらい覚悟を李監督につらつらと述べていました。しかし撮影準備が進むにつれ、日本の古典芸能である歌舞伎を穢すことなく、少年喜久雄を演じきることへの重みを痛感し、押し潰されそうな日々が続きました。李監督や歌舞伎指導の先生からは演技に向き合う心のあり方を教えていただきました。そして諦めずに辛抱強く見守っていただき、前に進むための新しい心を授けてくださいました。
僕にとって、撮影期間は1日1日が重く優しく美しい3ヶ月でした。たぶん僕だけでなく、多くのキャスト、スタッフの皆さんがもがき苦しんで生み出したであろう『国宝』の完成が、今となっては楽しみで仕方ありません!

今回、大垣俊介の幼少期を演じました、越山敬達です。李監督のもとでお芝居ができたこと、素晴らしい演者の皆さんと共演できたことをすごく光栄に思います。歌舞伎や大阪弁は初めての体験で難しく、俊介のことで悩むこともありましたが、僕は新しいチャレンジをするのが好きなので充実した時間を過ごすことができました。
そして監督やスタッフ、歌舞伎や方言指導の先生方、共演者の方々が最後まで支えてくださったおかげで、無事に撮影を終えることができました。
公開されましたら、是非劇場に足を運んでください。

短い期間での李組初参加でしたが、李監督を中心にスタッフの皆さん、共演者の皆さんの熱く、そしてこだわり抜いた丁寧な現場に身を委ねることが出来て、貴重過ぎる日々を過ごせました。
その静かなる熱は、きっと観客の皆さんの心の中に深々と降り積もると信じています。
劇中劇、舞台に立たれた俳優の皆さんの、長い時をかけ磨かれた“魂の舞”はまさに必見です。

私の「国宝」との出会いは3年前、本屋で吸い寄せられるように手に取った吉田修一さんのサイン入りの文庫本でした。きっと映像化されるのではないか、李監督がメガホンを取るのかしらと当時妄想を膨らませていたので、マツ役でオファーを頂いた時はこんな事があるのかと信じられませんでした。
初めての李組の撮影は緊張と発見と苦悩と感動の日々で、短いながらも贅沢で貴重な時間でした。
錚々たるキャスト、スタッフと共にこの壮大な物語の幕開けの一員として参加できたことは心から光栄です。

撮影現場は、まさに職人たちの集まりで、より良い作品を作ろうとする気概に満ちていました。
それでいて軽やかさもあり、このような現場に身を置けたことを幸せに思います。
竹野という人物を演じる中で、ある意味俯瞰した立場で歌舞伎を、また二人の成長や葛藤を見ていましたが、私自身も素直にその場にいることで竹野の人物像と近づけるのではと思い、意識していました。
刺激的で、とても良い緊張感のある現場でした。

李相日監督とは『69 sixty nine』以来21年ぶりでした。
頂いた「梅木」という人物は陽性で自分の「仁」にない役柄かとも思いましたが、久しぶりの監督との仕事。自分の狭い視野を離れて、唯唯、監督の意に沿う演技が出来ればとの思いで撮影に臨みました。今思うと、21年分の想いが空回りして力み過ぎの不味い芝居ばかりだった気がします。
ともあれ監督の「OK」は頂きました。
私は李監督の判断には絶対の信頼を置いています。

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