第37回東京国際映画祭、ケリング「ウーマン・イン・モーション」トークに菊地凛子、磯村勇斗、プロデューサー岡野真紀子
2024年9月25日 13:00
才能あふれる3人が、海外と日本における映像業界の女性を取り巻く環境、課題、そして未来についてそれぞれの視点から語る。オープニングスピーチは、2022年の「ウーマン・イン・モーション」トークの登壇者であり、映像業界の啓発、人材育成、教育などに精力的に取り組む映画監督・是枝裕和。
日本を代表する俳優の一人である菊地は、映画「バベル」(06)で第79回アカデミー賞助演女優賞を含む数々の映画賞にノミネートされ、以降、「パシフィック・リム」シリーズなど海外作品に主要キャストとして多数出演。近年では、日米共同制作「TOKYO VICE」や「鎌倉殿の13人」などドラマ作品でも注目を集め、日本映画で自身初の単独主演を務めた「658km、陽子の旅」(23)は第25回上海国際映画祭で最優秀女優賞を受賞するなど、国内外で活動の場を広げている。
磯村は、「ヤクザと家族 The Family」(21)、「劇場版『きのう何食べた?』」(21)で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。「東京リベンジャーズ」シリーズ、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出された「PLAN 75」(22)、「最後まで行く」(23)、「波紋」(23)など多岐にわたるジャンルで存在感を見せ、映画「月」(23)では第47回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。今後も、「若き見知らぬ者たち」(10月11日公開予定)、Netflixシリーズ「ソウルメイト」での主演をはじめ、多数の出演作が控える実力派若手俳優だ。
岡野は、WOWOWで「なぜ君は絶望と闘えたのか」(10)、「そして、生きる」(19)など数々の話題作のプロデューサーを務め、2017年放送ウーマン賞、70回芸術選奨文部科学大臣新人賞 放送部門を受賞。2021年、Netflixに入社し、エグゼクティブプロデューサーとして、映画「クレイジークルーズ」(23)など日本発のオリジナル作品を多数手掛け、最新作となるNetflixシリーズ「さよならのつづき」(11月14日配信予定)は、第29回釜山国際映画祭オンスクリーン部門に日本作品として初めて正式招待された。
グローバル・ラグジュアリー・グループのケリングは、2015年のカンヌ国際映画祭より、カメラの前と後ろで活躍する女性たちに光を当てることを目的に、同映画祭公式プログラム「ウーマン・イン・モーション」を発足。以来、本プログラムは写真をはじめ、アート、デザイン、音楽などの分野にも活動の幅を広げ、様々なゲストが異なる立場から女性を取り巻く環境について意見を交換する機会を作っている。
東京国際映画祭における「ウーマン・イン・モーション」トークは4回目の開催となります。2019年に開催した第1回目では寺島しのぶ(俳優)、蜷川実花(写真家・映画監督)、スプツニ子!(アーティスト)、2022年に開催した第2回目では是枝裕和(映画監督)、松岡茉優(俳優)、第3回目ではペ・ドゥナ(俳優)、水川あさみ(俳優)、鷲尾賀代(プロデューサー)が登壇した。
東京国際映画祭公式プログラム
TIFFスペシャルトークセッション
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。