第33回日本映画批評家大賞発表! 助演女優賞の新垣結衣「映画賞で助演女優賞をいただくのは人生初めてです」
2024年5月22日 21:48
第33回日本映画批評家大賞の授賞式が5月22日、東京国際フォーラムにて開催され、作品賞に塚本晋也監督、趣里が主演を務めた「ほかげ」が選出された。塚本監督のほか、「Winny」で主演男優賞に輝いた東出昌大、「波紋」で主演女優賞を獲得した筒井真理子、助演男優賞、助演女優賞を受賞した磯村勇斗、新垣結衣らが登壇し、喜びの声を伝えた。
2023年公開映画作品の中から、映画批評家たち選考員が独自の視点で選定した「映画人が映画人に贈る」日本映画批評家大賞。
映画「月」で助演男優賞を受賞した磯村はトロフィーを受け取ると「内容的にも役柄的にも、非常にありがたい賞をどのように受け止めたらいいのか悩んでいる部分と、役者としてはとても嬉しいという気持ちの二人が戦っています」と正直な胸の内を明かすと「でも難しい役、難しい作品に出会えたことを感謝しています。映画作りは面白いけれど、時には冷たいときもあります。だからこそ楽しいしやめられない。これからの長い役者人生、少しでも映像の世界で花を添えられる役者でいたいです」と思いを述べていた。
映画「正欲」で助演女優賞を受賞した新垣。劇中では、これまでの新垣のパブリックイメージからは想像できない表情が多々見られるが、新垣は「映画賞で助演女優賞をいただくのは人生初めてです」と語ると「なんだかとっても嬉しいです」とはにかむ。
さらに新垣は「この作品は私にとって大事なことを教わった映画。そんな作品で、こういった素晴らしい賞をいただけたのは光栄です」と語ると「朝井リョウさんの原作、岸善幸監督のもと素晴らしいスタッフ、キャストの皆さんと人生の糧となるような素晴らしい時間を過ごすことができました。こういったご縁に恵まれるように今後も自分なりに頑張っていきたいです」と抱負を述べていた。
主演男優賞を「Winny」で受賞した東出は「このような栄誉ある賞をいただけて嬉しく思います」と笑顔を見せると「初めて映画の現場に出てから14年、ずっと演じるとかお芝居って何だろうと自問自答してきました。その問いは今でも消えませんが、根拠のない自信を持ちながら、日々地味な準備を怠らないことが大事なのかなと。しっかり実践して、またいい現場に戻って来られたらいいなと思います」と語っていた。
主演女優賞を「波紋」で受賞した筒井は「賞をいただくためにお芝居をしたことはありませんが、賞をいただくと嬉しいですね」と満面の笑みを浮かべると、作品に対して「荻上直子監督の台本を読んだとき素晴らしいなと思ったんです。社会風刺をコメディにしつつ、宗教で人が救われるのではなく、どこにでもいる主婦がその役割を担っているのが戦慄でした」と語っていた。
授賞式を締めくくる作品賞は「ほかげ」。「戦争と人間」をテーマにした本作について、塚本監督は「昨年11月の終わりから粘り強くずっと公開を続けていて半年弱、今日まで上映が続いてきました。今日で一区切りになるのですが、そのタイミングで素晴らしい賞をいただき感謝しています」と語る。
塚本監督は過去に「野火」「斬、」という戦争映画を作ってきたが「『野火』は戦争が近づいてきていると焦って作った作品。そして『斬、』はその気配が強く感じて、絶望的な気持ちで作った映画。そこから世界中がとても不安定な状況になってきたいま、主人公の少年の未来が恐ろしくならないように……という祈りを込めて作ったのが『ほかげ』でした」と語ると、受賞に「その祈りが届いたのかなと嬉しく思いました」と語っていた。
・作品賞:「ほかげ」(塚本晋也監督)
・監督賞:荻上直子監督「波紋」
・主演男優賞:東出昌大「Winny」
・主演女優賞:筒井真理子「波紋」
・助演男優賞:磯村勇斗「月」
・助演女優賞:新垣結衣「正欲」
・ドキュメンタリー賞:「ライフ・イズ・クライミング!」(中原想吉監督)
・アニメーション作品賞:映画「窓ぎわのトットちゃん」(八鍬新之介監督)
・新人監督賞:金子由里奈監督「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」
・新人監督賞:工藤将亮監督「遠いところ」
・新人男優賞(南俊子賞):アフロ「さよなら ほやマン」
・新人男優賞(南俊子賞):黒崎煌代「さよなら ほやマン」
・新人女優賞(小森和子賞):花瀬琴音「遠いところ」
・脚本賞:上田誠「リバー、流れないでよ」
・編集賞(浦岡敬一賞):今井大介「#マンホール」
・撮影賞:芦澤明子「スイート・マイホーム」
・松永文庫賞(特別賞):八丁座
・ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):木野花「バカ塗りの娘」
・ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫「バカ塗りの娘」
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