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第76回ロカルノ国際映画祭、ハーモニー・コリンがマスタークラス開催 ベネチア出品の新作は「ドラッグのよう」な挑発作に

2023年8月14日 13:00

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ハーモニー・コリン監督
ハーモニー・コリン監督
佐藤久理子(C)Kuriko Sato

8月12日まで開催された第76回ロカルノ国際映画祭で、ハーモニー・コリンが名誉賞(パルド・ドノレ・マノール)を授与された。

本賞はこれまでマノエル・ド・オリベイラジャン=リュック・ゴダールベルナー・ヘルツォークアニエス・バルダジョン・ウォーターズなど多彩な人々に授与されてきたが、今年50歳を迎えたコリンのような若手は珍しい。彼自身も「僕は賞をもらうにはまだ若いけれど」と照れつつ、「集中して映画を作っていると、自分がどんな風に受けとられているのかわからない。でもこういう機会を得ると、受け入れてくれる人がいることがわかって嬉しい」と舞台で語った。プレゼンターにはサプライズで、コリンの盟友であるギャスパー・ノエ監督が登場し、熱い抱擁を交わした。

盟友であるギャスパー・ノエ監督と
盟友であるギャスパー・ノエ監督と
佐藤久理子(C)Kuriko Sato

映画祭ディレクターのジオナ・A・ナッザロは、「彼は多彩なフォームを持った、ひとつの枠に収まらないフィルムメーカー。反抗的なアナーキストであり、危険であると同時に詩的であり、ラジカルな才能を持っている」と賞賛する。

映画祭では彼のフィルモグラフィーのなかでも記念すべき初監督作「ガンモ」(1997)と、「スプリング・ブレイカーズ」(2012)が上映された。また映画祭最終日には、一般の観客を迎えたマスタークラスも開催された。

マスタークラスでは、ギャスパー・ノエも助っ人で特別参加したせいか、コリンは葉巻をくゆらしながら、終始リラックスした様子で語った。コミューンで育った子供時代、風変わりなドキュメンタリーを撮っていた父親の影響で早くにカメラを手にし、「暴力的な仏教徒」についての短編を作ったこと、ラリー・クラークによって映画化された「KIDS/キッズ」(1995)の脚本を書いていたスケーター時代、「ガンモ」の素人を起用した即興的な撮影についてなど。また「ジュリアン」(1999)のあと、肉体的にも精神的にも燃え尽き、回復するのに6~7年かかり、ようやく「ミスター・ロンリー」(2007)を撮るに至る経緯なども語った。

観客とのQ&Aでは、若い男性から「スプリング・ブレイカーズ」について、「女性の裸は出てくるのに、なぜ男性の物は出てこないのか」と尋ねられ、「君は自分の物を自分で映画に撮るべきだよ(笑)」とアドバイス。また本作の続編の噂については、「僕も噂を聞いたけれど、ないことを願うね。いずれにしろみんなキャラクターは死んじゃっているし(笑)」と、自身にその気はないことを明らかにした。

画像2佐藤久理子(C)Kuriko Sato

コリンは「ビーチ・バム まじめに不真面目」(2019)以来長編を発表していなかったが、9月のベネチア国際映画祭では待望の新作「Aggro Dr1ft」が披露される予定だ。彼によれば、「映画そのものがドラッグのよう」な、実験的で挑発的なアート・フィルムらしい。

さらに現在はビデオゲームの仕事にも携わっているとのことで、「ビデオゲームは映像の未来の可能性のひとつと言えると思う」と持論を披露した。50歳を迎えたいまも、相変わらず挑発的なユーモアをそなえ、そのスピリットは以前とあまり変わっていないことを実感させられた。

今年のロカルノの金豹賞に輝いたのは、審査員が満場一致で選んだという、テヘランのアンダーグラウンドな世界をドキュメンタリーのように収めたイラン映画「Mantagheye bohrani(Critial Zone)」。またクロージング作品は、イランからオーストラリアに移住したものの、横暴なイラン人の夫に怯える母娘を描いた「Shayda」が上映され、イランの独裁政府批判と女性の人権を訴えて終幕を迎えた。(佐藤久理子)

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