【ネタバレ解説】「ミッション:インポッシブル」新作がもっと面白くなる8の裏話 トム・クルーズの超絶アクションに迫る
2023年8月10日 09:00
トム・クルーズ主演の大ヒットシリーズ最新作「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」(「ミッション:インポッシブル7」/「MI7」)が、7月21日に公開されました。日本のみならず世界中で大ヒット中であり、批評家からも高評価を獲得しています。
本シリーズの魅力といえば、やはりクルーズ自身による、度肝を抜くアクションの数々。観客が「次はどんな挑戦をしているのか?」と楽しみにせずにはいられない、俳優トム・クルーズのドキュメンタリーのような側面もあるのです。
この記事では、「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」での信じがたい8つの裏話・製作秘話・トリビアをネタバレ解説します。これを読めば、何度でも「デッドレコニング PART ONE」が見たくなるはずです!
※本記事には、「ミッション:インポッシブル」シリーズや、最新作「デッドレコニング PART ONE」のネタバレとなりうる箇所が含まれます。未鑑賞の方は十分にご注意ください。
「ミッション:インポッシブル」シリーズは、下記の過去6作品で、全世界累計興行収入35億ドルを突破し、日本累計興収も360億円を超えている。クルーズはシリーズを通して、CIAの極秘諜報部隊「IMF」の諜報員イーサンを演じてきた。
・第2作「M:I-2」(2000)
・第3作「M:i:III」(06)
・第4作「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」(11)
・第5作「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」(15)
・第6作「ミッション:インポッシブル フォールアウト」(18)
第7弾は、シリーズの随所に張りめぐらされた伏線が交差する“集大成”のような作品。イーサンの過去がよみがえり、彼が愛する全ての人々が危険にさらされるなか、全人類を脅かす新兵器が悪の手に渡る前に見つけるというミッションに挑む。第5作「ローグ・ネイション」からメガホンをとるクリストファー・マッカリー監督が、シリーズで初めて、「PART ONE」「PART TWO」に分けた2部作を手がけた。
米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では、批評家スコアが96%、観客スコアが94%を記録した(8月9日時点)。さらに7月12日からアメリカをはじめ世界各国で公開され、北米では週末3日間で興収5600万ドルをあげ、興収ランキングで1位を獲得。さらに全世界累計で興収1億5500万ドルをあげ、シリーズ史上最大のオープニング成績となる、華々しい大ヒットスタートを切った。日本でも、週末3日間で興収10億6500万円を記録し、前作「フォールアウト」対比122.6%という好成績をあげている。
シリーズの過去作でも、クルーズは常にタイトルの通り、限界への挑戦に挑んできた。世界一高い、ドバイのブルジュ・ハリファの外壁にぶら下がり(「ゴースト・プロトコル」)、飛行中のエアバスA400Mの脇にしがみついた(「ローグ・ネイション」)。さらには、地上約7620メートルの高さを飛行するボーイングC-17グローブマスターIIIから飛び降りた上、地上から約609メートルでパラシュートを開き、史上初めて映画撮影で「高高度降下低高度開傘(HALO)ジャンプ」を行った人物となった(「フォールアウト」)など、驚異的な努力を積み重ねてきた。
タイトルにある「デッドレコニング」とは、古い航海用語で、最後に確認された位置情報のみに基づいて航路を計算すること。マッカリー監督は、「基本的には盲目的に航海していることになります。これはイーサンだけでなく、何人かの重要な登場人物へのメタファーとなっています」と語っている。
アラブ首長国連邦・アブダビでは、当時はまだ建設中だった、世界最大の新しい空港ターミナル、ミッドフィールド・ターミナルを貸し切って撮影。周囲の砂丘を反映して左右非対称に建設されており、本作のために、前例のない使用許可がおりた。マッカリー監督は、「空港での撮影の難しい点は、もちろん、極めて厳重な環境であることです。そして、オープン前の空港で撮影することの利点は、撮影可能な場所と不可能な場所の制限に悩まされることがなかったことでした。こんなシーンはもう二度と見られないと自信を持って言えます」と胸を張る。クルーズが空港の屋根の上を走るシーンもあり、「とても美しい場所だったよ。実に壮大で、走るトムがよく映える」と自信を見せた。
ミッドフィールド・ターミナルでは、サイモン・ペッグ(ベンジー役)が、「普通なら映画のエンディングを飾るような大騒動」と表現するチェイスシーンの舞台となる。キャラクター3人が別々の場所にいて、3つの危機に対処するという、手に汗握るシーンだ。
またアブダビでは、空港だけではなく、リワ(エンプティ・クォーター)と呼ばれる砂漠地帯でも、21年2月から12日間におよぶ撮影が行われた。“空虚の地”と呼ばれ、起伏のある砂丘だけではなく塩原もある砂漠の上に、わずか5週間で廃坑の町を建設。馬で砂漠を横断したイーサンが、傭兵に追われるイルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)を見つけ出すシーンに用いられた。
アブダビのシーンには、クルーズが国防総省と関係を持っていたおかげで確保できた、オスプレイV-22ラプター(高速・長距離の最新鋭攻撃ヘリ)2機が登場。UAE軍、空港当局、航空管制官の許可を得て入国させた。さらに、スペイン馬とアラブ馬の群れも姿を現す。クルーズは、“ゼウス”というサラブレッド馬と絆を深め、自らゼウスに乗って疾走するシーンを演じ上げた。まさに、近未来(空港)と原風景(砂丘)という、アブダビの異なる魅力が存分に伝わるシーンとなった。
キャストとクルーは2020年10月4日にイタリア・ローマに到着し、エターナル・シティの古い街並みでの車とバイクのチェイスを撮影。著名なフォーリ・インペリアーリ通りを含むローマの道を初めて封鎖することに成功し、撮影は、2日間にわたり行われた。マッカリー監督は、「ローマは交通量も多く、石畳もあり、撮影には厄介な都市として有名です」「ドリフトやスキッドをしようとすると、街の特徴全てが走行を予測不可能にしてしまうのです。ドリフトをしようと一方向に進むたびに、路上の石畳が『違うよ、こっちだよ』と違う方向へ導いてくるのです」と、その難易度の高さを訴える。
ストーリーは、さらに困難な要素を、シーンに加えている。グレース(ヘイリー・アトウェル)がパトカーを盗み、イーサンがバイクで追いかけるところから始まり、フォーリ・インペリアーリでの銃撃戦が展開。その後、手錠をかけられたふたりは、BMW M5コンペティションで脱出し、最新の電気高性能モーターを搭載した鮮やかな(そしてコントロールが難しい)黄色のフィアット500を運転することになる。ここでもクルーズは、利き手ではない方の手で運転し(!!)、滑りやすくハンドル操作も効きにくい路面環境で、次々とドリフトをきめた。
ローマでの9日間の撮影後、20年10月21日から2週間、チームはベネチアに移った。実はクルーズとマッカリー監督は、14年前からこの街での撮影を熱望していた(クルーズは第1作でも撮影を希望)。しかし、ありがちな見え方を避けるため、今回はゴシック建築に焦点を当て、水上アクションをほとんど行わないことを選択。マッカリー監督が求めるホラー映画のような雰囲気を掴むため、ある夜ホテルで、ペッグとアトウェルらは、「赤い影」(1973/ニコラス・ローグ監督)を鑑賞したという。
ローマのシーンは日中に撮影された一方で、ベネチアのシーンは全て夜に撮影された。ベネチアでは、1340年に建てられたドージェ(最高権力者)の旧邸宅を舞台に、主要人物の大半が登場する真夜中の祝賀会という重要シーンが中心となる。マッカリー監督は、「光と色を使い、デジタルプロジェクターを導入して、ドージェ宮殿をキャラクターそのものに仕立て上げました。ただ硬質な建造物ではなく、この建物が生きているように感じられるようにしたのです」と語る。その言葉通り、サンマルコ寺院の鐘楼から、眩い赤と青の光が注がれ、誰もが知る観光名所を新たな手法で輝かせている。
シリーズおなじみのパーティシーンのあとは、迷路のような街でのフットチェイス、細い路地での肉弾戦、カステッロ地区にある美しいミニッチ橋の上でのナイフを使ったバトルなどが、息つく間もなく展開される。美しい宮殿の回廊をイーサンが疾走するシーンでは、幾数ものキャンドルが幻想的にゆらめき、彼を静かに照らし続ける。さらに、細い路地での死闘では、各キャストが異なる戦法を駆使している。複数の場所を照らす機材をそろえるため、電気技師55人が、20隻の荷船で機材を運び、昼夜を問わずベネチアの運河を移動し、(市内に車両が入れないため)手作業でセットまで運んだという。
時はさかのぼり20年9月6日、本作の主要撮影の初日に、クルーズは予告編で多くの人を驚かせた、崖からのバイクジャンプシーンに挑んだ。劇中では、イーサンが暴走した機関車に乗り込むため、ベンジーの通信指示の下、バイクで崖から飛び降り、パラシュートで列車に達しようとする。
断崖絶壁であるノルウェー(劇中ではオーストリアの設定)のヘルセツコペン山の側面に設置された特設の傾斜台で、カスタムメイドのホンダCRF250を走らせる。そして約1200メートル下の渓谷に落下し、バイクを捨て、地上に達する衝撃までの6秒間、地上から約152メートルでパラシュートを開かなければならない。製作陣たちが固唾をのんで見守るなか、クルーズは映像の完璧を期するために、7回(!!)のジャンプを行った。
本シリーズには、「安全であるな。有能であれ」という言葉があるという。観客を喜ばせる危険なアクションを実現するためには、想像を絶する訓練を重ね、安全面を徹底する必要がある。クルーズはこのハイリスクなアクションを、長期にわたって計画しており、イギリスで1年間のリハーサルを敢行。午前中はパラシュートジャンプ、午後はモトクロストレーニングとレプリカの傾斜台からのジャンプという日々が続いた。最終的には、500回以上のスカイダイビングと1万3000回以上(!!)のモトクロスジャンプをこなした。
クルーズ同様、製作陣の準備にも余念がない。山の中腹に傾斜台を設置するため、合計280トンの機材を、ヘリコプターで450回(!!)かけて運んだ。15人のチームは、わずか10日間で傾斜台を完成させた。さらに、実際にアクションをやっているのがクルーズだと分かるように撮影方法が工夫され、バイクに内蔵されたカメラのデータが失われないよう、対策が講じられた。
ジャンプまでの間、クルーズは誰とも口をきかないことを徹底していた。「ほかの人の緊張を吸収しないように、着地するまでスタッフの近くには行きませんでした」(クルーズ)。撮影直前には、マッカリー監督に軽くハグをして、バイクに乗り込んだ。崖から離れて6秒以内にパラシュートを展開できなかったら、地上にぶつかるまで2秒しかない。そんな過酷な状況にも関わらず、クルーズは冷静に、メインのドローンにスピードを合わせ、フレームにおさまるようにしなければならないと考えていたそう。
このバイクジャンプは、製作陣にとって「想像力、勇気、革新性、そして献身的な努力の結晶によって達成された、数年がかりの創造と驚くべき偉業」だ。クルーズにとっては、“行動指針”としての意味もあったようで、「私があの断崖からジャンプしたとき、私たち全員が飛んだのです」「あれがターニングポイントでした。『これが、我々が設定する基準だ。作る映画の基準がここにある。そこから引き下がることはできない。後戻りはできないんだ』と伝えるものでした」と、飽くなき探究心をのぞかせている。
バイクジャンプに加え、クルーズはスピードフライングにも挑戦した。山間でイーサンがパラシュートを操作し、電車に乗り込もうと奮闘するシーンのためだ。スピードフライングとは、極限のバランス感覚でパラシュートを操作し、山の斜面を滑空する低空ハイスピード飛行であり、世界で最も危険なスポーツのひとつ。地面にぶつかったり、キャノピー(※パラシュートの開いて膨らむ部分)が崩壊したりする危険性があり、極めて予測困難なのだという。時速80キロ以上にもおよぶため、飛行中の一瞬の判断ミスで、大ケガどころでは済まない可能性さえ秘める。
クルーズは、「観客に飛行している感覚を味わってもらいたかったのです」と語る。彼はこのスタントのために、3年以上かけて数カ国でトレーニングを行い、イギリスのレイクバレーでの撮影では、時速80キロを超えるスピードで着地した。
マッカリー監督は、「アクション映画を作るときの課題は、通常、俳優が実際にスタントをこなしているのではなく、スタントマンが代わりに行っているという事実を隠すことです」と説明。「しかし、『ミッション:インポッシブル』はその逆です。俳優が自らスタントをこなし、それを見せるための技術を常に開発しようとしています。そして、スピードフライングは、非常に難しい挑戦でした」と振り返っている。
劇中でイーサンはパラシュートを使って、暴走する蒸気機関車にたどり着いたのも束の間、走行中の列車の上で、宿敵ガブリエル(イーサイ・モラレス)と戦うことになる。やがて橋が爆破され、イーサンとグレースが崖の下に落ちかけている列車から脱出を試みる。
シリーズ第1弾のクライマックスには、スリリングな電車のシーンがあるが、多くはステージで撮影された。本作では、マッカリー監督は電車のシーンを実際に撮影したいと考えていた。製作陣は幸運なことに、ノルウェーの鉄道路線を使用することができた。8カ月かけて特殊効果用の、実際に走行可能な機関車が作られ、さらに歴史的な古い客車が持ち込まれ、プロダクションチームによってオリエント急行のように装飾された。
マッカリー監督はさらりと、「イギリスの採石場に約60メートルの崖上から放り投げることを喜んでやらせてくれるような、現役で使える余分な機関車はそうそうありません。列車を破壊したければ、自分たちで作るしかありませんでした」と明かす。そうして製作陣は、破壊するために70トンの機関車を作り、イギリスからノルウェーに運んで撮影を行い、最終的に破壊する場所として、再びイギリスに戻した。実際に車両を谷底へ落とし、臨場感のある映像を完成させた。
列車内では、遠隔ソフトウェアで操作する油圧ラムによって、車両をあらゆる角度に傾けることができる。周囲で家具類が急降下していくなかを、俳優たちは這い上がらなければならない。アトウェルは、「列車が橋から垂直にぶら下がり、トムと私は車両をつたってよじ登らなければならないなか、周りにはいろいろなものが落ちてくるのです」「演技なんて必要ないくらいでした」と振り返る。数々の試練に疲れ果て、気を失う寸前だったというアトウェルは、クルーズから小さな箱に入ったチョコレートを渡されたという。「あっという間にそれを食べて、『私ならできる!』と元気になりました」。
そして、実際に時速約96.5キロの速度で走らせた列車の上では、イーサンとガブリエルが格闘する。モラレスは、「動く列車の上で戦う。大変な試練だった。それがトムのご要望さ」と、振り返っている。
2部作の後編となる次回作「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART TWO」は、全米で24年6月に公開予定。マッカリー監督は、「『デッドレコニング PART ONE』のバイクジャンプはこれまで試みたなかで最も危険なスタントでした。それ以上に怖いことといえば、『デッドレコニング PART TWO』のために計画していたスタントだけです」と、意味深に語っている。
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