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映画「シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声」 シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声 劇場公開日:2022年5月20日
解説 「フル・モンティ」のピーター・カッタネオ監督が、軍人の妻たちが結成した合唱団の実話を基に描いたヒューマンドラマ。愛する夫を戦地へ送り出し、無事を願いながらイギリス軍基地で暮らす女性たち。夫を謙虚に待ち続けることを求められる彼女たちは、互いに支え合って苦難を乗り越えるため合唱団を結成する。年長者のケイトやアクティブなリサが中心となり、メンバーの心と歌声は徐々にまとまっていく。そんなある日、彼女たちのもとに大規模な戦没者追悼イベントへの招待状が届く。ところが、そこへ最悪の知らせが舞い込み……。ケイト役に「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス。1980年代を中心とする人気ポップソングの数々や、実際の合唱団メンバーの手紙から作られた楽曲など、劇中で歌われる曲が女性たちの心情を表現する。
2019年製作/112分/G/イギリス 原題:Military Wives 配給:キノフィルムズ
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かつて「フル・モンティ」で最高のおかしさの中に悲しみや喜びを巧みに散りばめたピーター・カッタネオ監督らしいハートフルな一作だ。本作はまず英軍基地内に暮らす”妻たち”のかなり特殊な日常を丁寧に描きつつ、その上で「なぜ歌うのか?」という、ここに始まりここに行き着く最大の命題を浮き彫りにしていく。初めは乗り気でなかった部員たちも、言葉ではなく歌詞とメロディーに身を委ねることで、少しずつ自分を表現する術に知り、生き生きと輝き始める。中でも性格の全く異なる主演女優二人の牽引ぶりが素晴らしく、お互いの資質や才能に嫉妬を感じて常に反発し合いながらも、心のどこかで信頼しあっている様子が伝わってくる。彼女たちは決してパートナーの帰りを待ち続けるだけの存在ではない。家族や仲間を思いながら、何よりもまず自分のために胸中をヴィヴィッドに歌う。その意味では、個を解き放つというテーマを内包した普遍的な映画なのである。
2022年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
9.11後の対テロ戦争の一環であるアフガニスタンでの戦いに、米国から引っ張り込まれた格好で参戦した英国軍。泥沼化する戦地に派兵された夫の身を案じる妻たちが、互いを支え合うことを主眼に2010年に合唱団を結成して活動したという実話に基づくヒューマンドラマだ(原題は「Military Wives」)。 ストーリーはおおむね実際に起きた出来事に沿って構成されている。たとえば後半で合唱団のメンバーたちが協力してオリジナル曲を作るエピソードも、実在の“軍人の妻”合唱団のメンバーたちの手紙から「Where You Are」という曲が作られたことに基づいており、YouTubeで彼女たちのパフォーマンスを視聴できる。 映画の一応の主人公は、戦地で一人息子を失ったケイト(クリスティン・スコット・トーマス)なのだが、彼女のキャラクター設定がいまいちで、なかなか感情移入しづらい。喪失感を紛らわせようと明るく振る舞うのはわかるが、やたらと仕切りたがったり、あるトラブルに腹を立てて仲間に性的な暴言を吐いたりと、何もそんなに極端なキャラにしなくても……と感じてしまう。実際には、カリスマ指揮者として知られるギャレス・マローン(Wikipediaにも項目がある)が軍人の妻合唱団をサポートしたそうで、つまりケイトのキャラ自体は完全な創作ということ。それならなおさら、もう少し魅力的な人物にしてもよかったのにと思う。 とはいえ、映画をいろどる合唱曲の数々は、シンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」、ティアーズ・フォー・フィアーズ「シャウト」、ダイドの「サンキュー」、ヒューマン・リーグ「ドント・ユー・ウォント・ミー(愛の残り火)などなど、洋楽好きなら聞き覚えのあるヒット曲が目白押し。合唱アレンジによってオリジナルとは一味違う魅力を引き出すことに成功しており、パートを分けて合唱することの楽しさも伝えている点は評価したい。
2022年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
■愛する人の無事を願い英軍基地で暮らす軍人の妻たちは、共に苦難を乗り越えようと合唱を始める。 息子を亡くした悲しみを抱いているケイト(クリスティン・スコット・トーマス)とリサ(シャロン・ホーガン)を中心に、メンバーの心と歌声は一つにまとまっていく。 ある日、戦没者追悼イベントに招待されて喜ぶ彼女たちのもとに、サラ(エイミー・ジェームズ=ケリー)の夫がアフガンで戦死した哀しき知らせが入る。 ◆感想 ・戦争映画は多いが、銃後を守る妻たちの姿をメインで描いた映画は少ないのではないか?そういった意味でも、この作品の価値は高いと思う。 ・息子を亡くした大佐の妻ケイトが、皆の前では冷静な態度を取りながら、一人幼き息子の遊ぶ映像を見るシーンは、彼女の哀しみが静かに伝わって来る。 又、ストレスの為だろうか、TVショッピングで買ったモノを納戸に収めている事を、大怪我をして戻って来た夫が見つけるシーンも・・。 ・序盤は仕切りたがりのケイトは、皆から浮いているが(リーダー格のリサとの関係もギクシャクしている。)徐々に打ち解けて行き、ブリッククロフト合唱団は、サラの夫の葬儀ではジェスのソロから始める”アヴェ・マリア”を見事に歌いきる。 ー このシーンは、沁みた。皆、いつ自分の夫が戦死するか、分からないのであるから・・。- ・戦没者追悼イベントで披露する曲の詞は、彼女達が夫が出征した時に残した”遺言”から言葉を集めてリサが作るが、言葉が足りずリサはケイトの息子が遺した”一緒に笑える日まで”という言葉を使った事で、ケイトは激怒。 ー その国でも戦場に出る夫は妻に対し、”万が一”の場合に備えて遺言を残して戦地に旅立つ。だが、本当に亡くなってしまった息子の遺した言葉を使われた事に立腹するのは分かる気がする。- ・ケイトは、戦没者追悼イベントに向かうバスに乗らずに帰って来るが、そこには無き息子が乗っていたボロ車が置いてあり・・。 ー 自分の行動を反省し、ボロ車に夫と共に乗ってロイヤル・アルバート・ホールに向かうケイト。リサを始めとしたメンバーは彼女を快く、受け入れる。 そして、大観衆の前でオリジナル曲を披露するシーンは、とても良い。 妻たちの夫が自分に遺した言葉を使った詞が心に響く。 勿論、その詞には”一緒に笑える日まで”という言葉が入っている。- <今作は、実話だそうである。 エンドロールで、実際のブリッククロフト合唱団が映され、それが世界へ広がるムーブメントとなった数多くの合唱団が分割して映される。 戦争は、起こらないのが一番であるが、国連軍として兵士を派遣している国は多数ある。 ロイヤル・アルバート・ホールで行われている、戦没者追悼イベントで、戦場に斃れた兵士の遺族に対し披露した、ブリッククロフト合唱団のオリジナルソングは素晴らしかった作品である。>
2022年10月2日
Androidアプリから投稿
は何かあまり好きになれない。 でも、それ以外はとてもいい作品。 ケイトさんの配役が違えば、もっとよかったのかも。