ラース・フォン・トリアー最新作公開記念、幻の短編作品「ノクターン」上映決定! 初期ヨーロッパ三部作本編映像公開
2023年6月28日 10:00
ラース・フォン・トリアー監督の最新作「キングダム エクソダス〈脱出〉」の公開を記念して、7月7日から開催される「ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023」にて、本邦初公開となる約8分の短編作品「ノクターン」が、「エレメント・オブ・クライム【4Kデジタル修復版】」の本編上映前に併映される形で上映されることが発表された。
「ノクターン」(80)は、フォン・トリアー監督がデンマーク映画学校在学中にミュンヘン国際学生映画祭でグランプリ受賞したフォン・トリアー監督の原点とも呼べる幻の短編映画。朝が来ることを恐れている「光過敏症」の女性の物語だ。本作の受賞をきっかけに、フォン・トリアー監督は学内でスターのようにもてはやされ、撮影の自由度も格段に増し、次作「Images of Liberation」(82)で異例の同映画祭2年連続グランプリを受賞した。フィルター撮影による特徴的な色味の映像や、「光過敏症」という独特なモチーフなど、のちの傑作を思わせるような要素が垣間見られ、才能の片鱗が感じられる。
なお、フォン・トリアー監督は「ノクターン」を含む短編3作品の後、「ヨーロッパ三部作」と呼ばれる3部作を発表。長編第1作となる「エレメント・オブ・クライム」(84)で第37回カンヌ国際映画祭フランス映画高等技術委員会グランプリを獲得。長編第2作目となる「エピデミック~伝染病」(87)では第40回カンヌ国際映画祭ある視点部門出品。3作目の「ヨーロッパ」(91)では第44回カンヌ国際映画祭審査員賞・芸術貢献賞ほかを受賞するなど、世界にその才能を知らしめた。
今回、レトロスペクティブでは3作品すべて4Kデジタル修復版上映されるが、それに先駆けて本編映像の一部も特別に公開された。短編「ノクターン」と併せて、劇場で楽しめる貴重な機会となる。
フォン・トリアー監督の39年間の軌跡を網羅した14作品をラインナップした「ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023」は7月7日から、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほかにて期間限定公開。「キングダム エクソダス〈脱出〉」は、7月28日からヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほかにて全国公開。※上映スケジュールの詳細は、各上映劇場のホームページにて発表される。
「エレメント・オブ・クライム」【4Kデジタル修復版】(1984年/103分/デンマーク)
「エピデミック 伝染病」【4Kデジタル修復版】(1987年/106分/デンマーク)
「ヨーロッパ」【4Kデジタル修復版】(1991年/107分/デンマーク)
「奇跡の海」【4Kデジタル修復版】(1996年/158分/デンマーク)
「イディオッツ」【4Kデジタル修復版】(1998年/114分/デンマーク、スウェーデン、フランスほか)
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」【4Kデジタル修復版】(2000年/140分/デンマークほか)
「ラース・フォン・トリアーの5つの挑戦」【HDリマスター版】 ※日本劇場初公開(2003年/90分/デンマーク、スイスほか)
「ドッグヴィル」【4Kデジタル修復版】(2003年/177分/デンマーク、イギリスほか)
「マンダレイ」【HDリマスター版】(2005年/138分/デンマーク、イギリスほか)
「ボス・オブ・イット・オール」【HDリマスター版】※日本劇場初公開(2006年/99分/デンマーク、スウェーデンほか)
「アンチクライスト」(2009年/108分/デンマーク)
「メランコリア」(2011年/135分/デンマーク、スウェーデンほか)
「ニンフォマニアック Vol. 1」 【ディレクターズカット完全版】※日本劇場初公開(2013年/147分/デンマーク)
「ニンフォマニアック Vol. 2」【ディレクターズカット完全版】※日本劇場初公開(2013年/177分/デンマーク)
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