A24のホラー「X エックス」ヴィランを老夫婦にした理由は? 監督が明かす
2022年7月8日 12:00
「ミッドサマー」の映画スタジオ・A24が手がけるホラー「X エックス」が、本日7月8日から公開された。史上最高齢の殺人鬼夫婦が住む屋敷に足を踏み入れてしまった3組のカップルの運命を描くホラー。メガホンをとったタイ・ウェスト監督が、本作のテーマ、さらに日本の好きなホラー作品を語った。
本作は、全米で公開後、ホラー界の重鎮スティーブン・キングや、「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライトが熱い支持を表明。3部作になることが発表されており、A24映画初のシリーズ化作品としても注目を集めている。
1979年、テキサス。女優マキシーンとマネージャーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンと俳優ジャクソン、自主映画監督の学生RJとその恋人で録音担当のロレインら6人の男女は、新作映画「農場の娘たち」を撮影するために借りた農場を訪れる。6人を迎え入れたみすぼらしい身なりの老人ハワードは、宿泊場所となる納屋へ彼らを案内する。マキシーンは、母家の窓ガラスからこちらをじっと見つめる老婆パールと目が合ってしまい……。
ホラー作品の肝ともいえる“ヴィラン”を老夫婦に設定した理由について、ウェスト監督は「老夫婦をヴィランにしたホラー映画は、今までに観たことがなかったから」と説明。「多くの人は老人の能力を過小評価していて、パールとハワードの2人がするようなことは、老人には不可能だと思っている。この作品の登場人物も同様に彼らを甘く見ていて、その対価を払うことになるんだ」と話す。ちなみに、ウェスト監督によるとパールは「悪魔のいけにえ」シリーズのレザーフェイスも倒せるといい、「みんなパールを甘く見ていると思う。彼女は想像以上に強いんだ」と殺人鬼としての能力を評価する。
また、スプラッターホラーでありながら誰もが経験する“老い”もテーマに盛り込んだことについては「人間は必ず老いて死ぬもので、誰もが抱いている恐怖だと思う。誰もが共感することができるテーマだから、ストーリーを考える上でそこから考えはじめるのがベストだと思ったんだ。それに人間って、若い時には“大人になったらすべて解決する”と考え、年を取ったら“もっと若ければうまくいったのに”と信じがちだ。そこにはなんだか妙に悲劇的な皮肉があるし、多くの人が理解できるはずだから、クレイジーなホラー映画の核として持ってくるにはぴったりだと感じたんだ。観客に親しみを持ってもらい、そのあとに怖がってもらうという具合にね」と狙いを語る。
長年ホラー作品を撮り続けているウェスト監督は「ホラー映画の最大の魅力は、実験的な映画を作れるジャンルであること。あらゆることが試せて、クレイジーな映画にもリアルな映画にも挑戦できる」とホラーならではの醍醐味を話す。日本のホラー作品も見るそうで、「『リング』や三池崇史監督は好きだよ。あと『回路』(黒沢清監督)は最高だったね」と明かす。
本編エンドロール後には、続編となる「Pearl(原題)」の特報が2週間限定で上映される。ウェスト監督は「現段階で言えることは『Pearl』は『X エックス』の60年前が舞台で、パールの若い頃を描いていて、『X エックス』とはスタイルが全く異なるということだ。70年代のグラインドハウス(大衆劇場)的な作風とはかけ離れた作品になると思う」とヒントを明かす。日本の観客へ向けて「本当はみんなと一緒に体験したかったんだけれど。この作品を日本の皆さんに見てもらえることが本当に嬉しい。『X エックス』を楽しんで。続編も楽しみにしていてね」とメッセージを送った。
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