「流浪の月」韓国公開決定! “水”にまつわる裏話&橋本環奈、八木勇征らのコメントも
2022年6月9日 11:00

凪良ゆう氏のベストセラー小説を映画化した「流浪の月」(公開中)が、今秋から韓国で劇場公開されることがわかった。あわせて、橋本環奈、八木勇征(FANTASTICS from EXILE TRIBE)、漫画家の弘兼憲史、吉田大八監督のコメントに加え、新場面写真も披露された。
李相日が監督を務めた本作は、誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった家内更紗(広瀬すず)と、その事件の“加害者”とされた青年・佐伯文(松坂桃李)の15年後の再会を描く。5月13日に封切られると「今年を代表する1本」「原作ファンとして文句のつけようのない完成度!」「俳優陣の圧巻の演技力」「邦画史に残る超絶大傑作!」「150分一瞬たりとも気の抜けない展開に美しく儚く隙のない映像」と熱のこもった感想が話題に。「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督は「私に得も言われぬ嫉妬心を呼び起こした」と感嘆の声を上げていた。

韓国公開は、先に開催された全州国際映画祭での評判、日本国内での盛り上がりに応じる形で決定。撮影監督であるホン・ギョンピョ(「パラサイト 半地下の家族」「バーニング 劇場版」)の母国へと作品が届くことになった。

場面写真は、水の中にいるような“深い青”が印象的。あわせて、シーンにまつわるエピソードを明らかにされている。
2020年「本屋大賞」を受賞した原作「流浪の月」に寄せられた多数の映画化オファーの中から選ばれ、この重責を担った李監督。「原作をただなぞるのではなく李監督の“流浪の月”を作ってほしい」という凪良氏の激励を受け、李監督は自身の映画版「流浪の月」のなかで、原作からの設定の改変をいくつか施している。

もっとも大きな変更点のひとつは、2カ月を一緒に過ごした幼い更紗と大学生の文が“被害女児”と“誘拐犯”として警察に引き離されてしまうシーンだ。原作では動物園が舞台だが、映画では、とある湖が舞台となった。李監督は、この変更について、意図を語っている。
李監督「2人が引き離される時に目にした風景は、2人が再会するまで15年間も思い続ける景色ですから、とても大事なものでなければなりません。ですから実際映像になった時に、2人を繋ぐ“装置”として、もう一歩何かが必要だと感じました。それが今回は“水”でした」


「文がいる場所のそばにはいつも水があり、水の中は2人が安心できる場所というイメージで、物語に水を介在させています」という李監督。それゆえ、再会した更紗と文の“居場所”である川沿いのカフェ「calico」の内装も壁がブルーグレー、奥にある格子窓のステンドグラス、電飾にもブルーが配置され、まるで湖の中にいるような優しい青い光が更紗と文を包み込むように設計されている。

この“水”というキーワードは、俳優たちが演じるキャラクターの視覚的なイメージにも活かされたようで「例えるなら、更紗と文は水なんです」(李監督)とのこと。「そして亮(横浜流星)は火、谷(多部未華子)は土のイメージです。熱を発する亮の周囲には意識的に赤を配置しています。ソファや壁の絵など。一方、育みたい願望を持つ土の谷の衣装はベージュや茶系で統一しました」と語っている。
橋本らのコメントは、以下の通り。
穏やかにそして流れる様に進んでいく物語が紡ぐのは善悪を曖昧にしてゆくそれぞれが相容れない愛。
美しくて苦しくてあまたの混乱を招く。
それでも最後に儚げながらも未来への希望が残る。
流浪の先に2人を待ち受けている人生に想いを馳せる。
ずっっっと行きたかった凪良先生原作の“流浪の月”観てきました!
ちょっと言葉では言い表せないです。
本当に素敵でした●(※●は、泣き顔の絵文字)
とにかく素晴らしい作品。今年の映画賞は総なめの予感。
画面の隅々から俳優の表情筋に至るまでただならぬ力が漲(みなぎ)り、観るものに対決を迫る。
受けて立つかどうか、いま試されている。
(C)2022「流浪の月」製作委員会
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