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今見ておきたい、戦争と報道をテーマにした映画5本

2022年3月26日 13:00

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「プライベート・ウォー」
「プライベート・ウォー」
(C)2018 APW Film, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ロシアによるウクライナ侵攻が開始されて1カ月が過ぎようとしている。世界が緊張に包まれている今、我々は日々激化する戦況をテレビやネットで見守るしかない。そんな戦場からのニュースは、どんな人が、どのように、どんな思いで伝えているのか。スマートフォンが発達し住民の撮影フッテージが直接届く時代になったとはいえ、危険を承知で戦場に足を運び、命懸けでシャッターを切り、動画を撮り続け、真実に迫る人たちがいる。ここでは、そんな報道の世界を表から裏から描いた映画を紹介したい。なお、ピック・アップした作品は現在でも配信などで鑑賞できるものを優先的に選んでいます。


眼帯のカメラマンとして知られる実在した女性戦場ジャーナリスト、メリー・コルビンの壮絶な生涯を描いた作品。プロデューサーとしてシャーリーズ・セロンがクレジットされ「カルテル・ランド」や「ラッカは静かに虐殺されている」のドキュメンタリー作家マシュー・ハイネマンが初めて監督した劇映画。チェチェン紛争やカダフィ大佐への単独インタビューの成功によって数々の報道賞を受賞するも、パートナーとの別れやアルコール依存、PTSDに苦しむコルビンの姿が印象的だ。主演のロザムンド・パイクは複雑なキャラクターを体当たりで演じ「キャリア最高の演技」と評価された。

ベトナムやカンボジアの紛争取材で知られる日本人戦場カメラマン、一ノ瀬泰造の短い生涯を描いた作品。監督は史実ものを得意とする五十嵐匠。アンコールワットをこよなく愛し、戦場の悲惨さを命がけで伝える泰造を浅野忠信が熱演。現地の言葉を流暢に話し、紛争地でも愛された彼のキャラクターを前面に押し出した内容になっている。作品にも登場する銃弾によって破損した伝説のカメラ「ニコンF」は、今でも展示されるほどの人気だ。プロデュースした奥山和由は2010年に再び一ノ瀬泰造を題材にしたドキュメンタリーを製作している。

クロアチア紛争が勃発した1991年。取材中に行方不明になった夫の生死を見極めるため、妻は家族や周囲の反対を振り切って現地に向かう。しかし、そこで待っていたものは苛烈な市街戦に逃げまどう住民たちの姿だった。フランスのエリ・シュラキが監督、妻役を演じたアンディ・マクダウェル、そしてエイドリアン・ブロディブレンダン・グリーソンら演技派が脇を固める戦争ドラマ。テリー・ギリアム作品に多く参加しているカメラマン、ニコラ・ペコリーノは手持ちカメラによるカットの長いシーンによって戦場をリアルに再現、爆風を感じるほどの臨場感に溢れた映像を撮りきった。

迷い婚」や「最高の人生の見つけ方」でシニア向けドラマの第一人者となっていたロブ・ライナー監督が、久々に手がけた実話ベースの社会派ドラマ。本作は戦場というよりは、後方での調査報道をテーマにしている。9・11テロの後、イラクへの侵攻計画に気付いた通信社ナイト・リッダーは丹念な取材を重ね、大量破壊兵器捜索の裏にあるサダム・フセイン排除の計画を突き止める。記者たちはこのスクープによって、愛国へと過剰に向かう世論と、政府のイラク派兵を止めようと試みる。驚くべきは記者と取材源である関係者との距離の近さ。そして、必要とあればすぐに取材に取り掛かるフットワークの軽さだ。米国に根付く自由の根幹は、こういった記者たちが支えていることを痛感する。

最後はニュースが捏造される舞台裏を描いた作品。監督はバリー・レビンソンロバート・デ・ニーロダスティン・ホフマンの初共演が話題になった政治風刺ドラマ。選挙を前に大統領が起こした未成年とのスキャンダル。急遽雇われた「もみ消し屋」は、ハリウッドのプロデューサーを雇って架空の紛争、テロ、人質拘束などのニュース映像を次々にでっちあげ、メディアを操作していく。インターネット登場以前の97年の作品なのだが、まさにフェイク・ニュースそのものをテーマにした作品。テイストは緩めのコメディだが、キルスティン・ダンストが演じた戦場を逃げまどう少女のくだりは、全米の世論を反イラクへと誘導し湾岸戦争に突入させた一大プロパガンダ「ナイラ証言」をもとにしており、痛烈な批判精神にあふれた側面を持っている。


最後に「プライベート・ウォー」のメリー・コルビンのセリフを上げておきたい。

「戦争とは、限界を遥かに超えて耐え抜く民間人の静かな勇気なのだ」

(本田敬)

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