侵攻が続くウクライナに思いを馳せる名作「ひまわり」50周年HDレストア版、緊急公開! 収益の一部を寄付
2022年3月4日 21:00
ロシアのウクライナ侵攻を受け、第二次世界大戦に引き裂かれた夫婦の悲恋の物語「ひまわり(1970)」(50周年HDレストア版)が、3月末から緊急上映されることが決定した。
「ひまわり(1970)」は、イタリアを代表する名優ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが共演した、「靴みがき」「自転車泥棒」で知られるネオレアリズモの名匠ビットリオ・デ・シーカの監督作。ヘンリー・マンシーニによる甘く切ないテーマ曲にのせ、互いに思い合いながらも戦争によって引き裂かれた夫婦の悲しき愛を描く。
有名なひまわり畑のシーンは、ウクライナの首都キエフから南へ500キロメートルほどのヘルソンで撮影されたものだと言われている。ひまわりはウクライナの国花でもあり、ロシアの侵攻が始まると、SNS 上ではひまわりの絵や写真をアップし、ウクライナの安全と平和を祈る投稿が相次いだ。
劇中には、「イタリア兵とロシア兵が埋まっています。ドイツ軍の命令で穴まで掘らされて。ご覧なさい、ひまわりやどの木の下にも麦畑にもイタリア兵やロシアの捕虜が埋まっています。そして無数のロシアの農民も老人、女、子ども……」というセリフとともに、あたり一面に広がる美しいひまわり畑と、戦争の残酷さの対比が胸を締めつける場面がある。
上映の収益の一部は、ウクライナの人々の人道支援のために、在日ウクライナ大使館に寄付される。なお今回は、2020年に日本劇場公開50周年を記念し製作され、パッケージ化や配信がされていないHDレストア版で上映される、貴重な機会となる。
物語の舞台は、第二次世界大戦下のイタリア。ジョバンナ(ローレン)とアントニオ(マストロヤンニ)は美しいナポリの海岸で恋に落ち、結婚する。その後、アントニオは厳しいソ連の最前線に送られ行方不明になってしまうが、ジョバンナは戻らない夫の生存を信じ続ける。終戦後、ジョバンナは単身ソ連へ渡り、手がかりもないままアントニオを探すが、広大なひまわり畑の果てに待っていたのは、少女のように可憐なロシア人マーシャと結婚し、子どもにも恵まれた幸せなアントニオの姿だった。全てを察したジョバンナは失意のなかでイタリアへ帰るが、やがてアントニオが彼女のもとを訪れる。
「ひまわり(1970)」(50周年HDレストア版)の上映劇場と日程は、以下の通り。
4月16日~22日 神奈川・横浜シネマリン
3月28日~4月8日 新潟・高田世界館
3月19日~25日 大阪・シアターセブン
3月21日 栃木・日光市今市文化会館
3月24日 秋田・秋田市文化会館小ホール
4月16日 福岡・福岡市男女共同参画推進センター、アミカス(九州シネマ・アルチ)
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