木村文乃×深田晃司監督「LOVE LIFE」新キャスト発表 永山絢斗、砂田アトム、山崎紘菜らが出演
2022年3月25日 18:00
木村文乃が主演し、「淵に立つ」「よこがお」の深田晃司監督がメガホンをとった「LOVE LIFE」に永山絢斗、砂田アトム、山崎紘菜、神野三鈴、田口トモロヲが出演していることがわかった。あわせて場面写真が披露された。
「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督とともに河瀬直美、北野武、是枝裕和、黒沢清に次ぐ映画監督として海外から高い評価を得ている深田監督。9本目の長編映画となる本作は、構想期間20年を経て完成した。すでにフランスでも公開が決定していることから、日本のみならず海外からも熱い注目が集まっている。
モチーフとなったのは、ミュージシャン・矢野顕子が1991年にニューヨークへ移住後に発表した初のアルバム「LOVE LIFE」に収録された同名楽曲。「愛する」とはどういうことなのか。ひとりの女性を通して「愛」と「人生」について描く。
愛する夫と愛する息子、幸せな人生を手にしたはずの主人公・妙子にある日突然、悲しい出来事が降りかかる。そこから明らかになる本当の気持ち、彼女が選ぶ人生が描かれる。妙子役の木村は、嵐の前の静けさが孕む寧静な佇まいと爆発しそうな激情を、全身全霊で表現した。
新たに出演が発表された永山は、妙子の夫・二郎を演じる。映画「峠 最後のサムライ」や主演ドラマ「ダブル」(WOWOW)が控える永山は、「久しぶりの映画の撮影なので、自分自身ほくほくしている部分もありましたし、朝起きて、ワクワクしている自分が少しいるというか、幸せな現場に携わることが出来たと感じています」と述懐した。
妙子の元夫・パクを演じたのは、ろう者の俳優で手話表現モデルとしても活躍する砂田。「『愛とは何か』そして日本人と韓国人の関係、さらに聞こえる人と聞こえない人との絡みなど、さまざまなものが盛り込まれた映画になっています」と本作の魅力を語った。
二郎の元恋人・山崎役で深田組に初参加した山崎は、「役名が自分の名前と同じ「山崎」で、役柄の設定に自分と重なる部分も多かった」と話す。そして、深田監督に「観客に向けて何かを伝えようとするのではなく、目の前にいる相手に、共演者に伝える事に集中してほしい」と指導されたことを明かし、「無意識の領域をお芝居で見つけようと模索した経験は、私にとってとてもかけがえのない財産となりました」と感謝を述べた。
そのほか二郎の母・明恵役で神野、父・誠役で田口が出演。神野は「脚本を読み終えた時 不思議な『救い』を感じました」と語り、田口も「一見静かですけど、生きる人間たちにとっては、ハードコアな気持ちが存在しているんだっていうところの面白さを感じて頂けたら、興味深く、見て頂けるのではないかと思います」と見どころを語った。
場面写真には、妙子と二郎がひとり息子を囲む幸せそうな家族写真がある一方、妙子の思い詰めた表情や、山崎が二郎を引き留めるようなしぐさをする様子も切り取られている。さらには妙子と元夫のパクが寄り添う姿、明恵と誠が強張った表情を浮かべる場面も収められ、「LOVE LIFE」というタイトルとは裏腹に、どこか不穏な空気が漂う。
「LOVE LIFE」は、今秋公開予定。各キャストのコメント全文は以下の通り。
深田監督の作品は「淵に立つ」を拝見していたのですが、このお話をいただいた時は、とても嬉しかったです。
監督の作品は、一言ではまとめられない監督の色が、どこかしらすごく出ていて、俳優としてもっと早くいろんな作品を見ておけば良かったなと思いました。
監督は天使なのか悪魔なのか。まぁ、両方持っているんでしょうけど。宇宙人みたいな人ですよね。探り探り、撮影していました。最近はテレパシーも受け取れるようになってきました。
久しぶりの映画の撮影なので、自分自身ほくほくしている部分もありましたし、朝起きて、ワクワクしている自分が少しいるというか、幸せな現場に携わることが出来たと感じています。
二郎という役を貫いて、完成した本編に「LOVE LIFE」の音が流れるのを聞くのを楽しみにとっておきたいと思います。
映画『LOVE LIFE』に出演させていただいてすごく嬉しく思っています。
共演した木村文乃さんは本当に素晴らしい方です。木村さんの“目”の表情というのはものすごく伝えてくるものがあって、目の奥から言葉が伝わってくる、そんなことを感じました。
内容は「愛とは何か」そして日本人と韓国人の関係、さらに聞こえる人と聞こえない人との絡みなど、さまざまなものが盛り込まれた映画になっています。
非常に魅力ある作品ですので、是非皆さまもご覧ください。
そして聞こえない人たちの文化、聞こえない人の生活様式、さまざまなものが盛り込まれておりますので、聞こえる人も聞こえない人も、一緒に観ていただけたら非常に嬉しく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
役名が自分の名前と同じ「山崎」で、役柄の設定に自分と重なる部分も多かったので、オーディションの時から山崎理佐という人物にとても親近感を抱いていました。
なので出演が決まった時はとても嬉しかったですし、今作との出会いに何か運命的な物を感じました。
深田監督は「観客に向けて何かを伝えようとするのではなく、目の前にいる相手に、共演者に伝える事に集中してほしい」とおっしゃられていたので、撮影中はただただその事だけを全うしようと努めていました。
「なんでこんな事を言ってしまったのかわからないけど口走ってしまった」というような無意識の領域をお芝居で見つけようと模索した経験は、私にとってとてもかけがえのない財産となりました。
今作に、そして監督との出会いにとても感謝しています。
私自身、この映画を見終わった後にどんな感情が湧き出てくるのか、全然予想がつきません。
全く新しい、自分でも出会ったことのない感情に出会えそうな予感がして、とても楽しみにしています。
見てくださった方がどんな感想をお持ちになるのかぜひ知りたいです。
初めての深田監督は 映画をつくること みんなが尊重し合える状況で映画をつくること。
純粋にそれのみに魂が熱く青く燃えているようで 私はとても幸せでした。
脚本を読み終えた時 不思議な「救い」を感じました。
罪を抱え、どうしようもない真っ暗な世界の中で生きる時 初めて覗く何かの存在、人生詰んだ、、ではなく、その人生そのものが、もしかしたらその人の「人生の個性」なんじゃないか、、そこからが真に与えられた宿題のような、、そんな感覚になりました。
何かの存在に名前はつける勇気がまだないけど 空を見上げた時にふっと感じました。皆さんと繋がる同じ空に。
皆さんそれぞれのLOVE LIFEを感じてくださったら嬉しいです。
現代社会が生み出して、隠れがちな歪なものであったり、闇であったりというのを、本当に静かにあぶり出す。
その毒素もひっくるめて「LOVE LIFE」であると。
一見静かですけど、生きる人間たちにとっては、ハードコアな気持ちが存在しているんだっていうところの面白さを感じて頂けたら、興味深く、見て頂けるのではないかと思います。
映画「LOVE LIFE」見て、感じて、そして考える映画になると思います。
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