【「パプリカ」テレビ放送記念】今からでも間に合う鬼才・今敏作品入門
2022年1月31日 16:00
今敏監督の劇場アニメ「パプリカ」が、本日1月31日深夜2時9分(2月1日午前2時9分)から日本テレビの「映画天国」で放送される(※関東ローカル)。2010年に46歳の若さで死去した今監督は、劇場アニメ4作、総監督を務めたテレビアニメ「妄想代理人」を残している。「パプリカ」のテレビ放送を機会に今監督の作品に触れてもらいたいという思いを込め、生前最後の映画「パプリカ」からさかのぼるかたちで全作品を振り返ってみたい。
各作品に触れる前に、今監督作品の特徴&魅力をざっくり3つ挙げておく。
2、ハイレベルすぎて一見そうは感じられないほど高水準の作画と美術
3、映画4作はすべて約90分以内、見る人を飽きさせないサービス精神
筒井康隆氏の同名小説が原作。今監督作品の大きな魅力である夢と現実が交錯するサスペンスドラマが、圧倒的なビジュアルで描かれる集大成的な1作。他人の夢をスキャンできる機器を用いて依頼者の夢の中にダイブするセラピストの女性は、狂気にみちた夢に立ち向かうことになる。
主人公の千葉敦子・パプリカ役を演じる林原めぐみをはじめ、古谷徹、大塚明夫、山寺宏一らキャストも豪華で、中盤、あるキャラクターが精神を侵されて発狂してしまう芝居は絶品。キャラクターデザイン・作画監督は、「千と千尋の神隠し」「君の名は。」などを手がけ、2月4日に初監督の映画「鹿の王 ユナと約束の旅」を控えているアニメーターの安藤雅司を務めている。
今監督の映画のなかで、もっともハートウォーミングなオリジナル作品。昨年、松岡昌宏ら出演で舞台化もされている。
年齢も性別も違う3人のホームレスが主人公。3人は捨てられた赤ん坊の親を探すためにクリスマスの夜を駆けまわり、奇跡の連鎖のなかでそれぞれの人生と向き合う。写真と見間違えてしまうほど精緻な背景で東京のさまざまな顔が描かれ、キャラクターの豊かな芝居も大きな見どころ。“大人のおとぎ話”とも言うべき不思議な雰囲気が漂い、アニメーションならではの魅力にみちている。
今監督の長編2作目。ドリームワークス配給で世界配給もされ、海外でも高い評価をうけた。架空の名女優・藤原千代子が自身の半生を語りながら、現在と過去、現実と映画の中を巧みに織りまぜた、虚実いりまじった壮大な一代記が紡がれる。
千代子役は年代にあわせて3人の女性キャストが演じ、千代子が恋をして追い求める「鍵の君」を演じた山寺宏一は、本作以降、今監督作品の常連声優となった。
黒澤明の「蜘蛛巣城」、小津安二郎作品など邦画の名作へのオマージュもあり、時空を超えてテンポよく場面が切り替わっていく編集の妙を味わうことができる。アニメファンはもちろん、邦画ファンにもぜひ見ていただきたい。
アイドルから女優に転身した主人公が、慣れない芸能界で神経をすり減らしながら知名度をあげていくなか、関係者への連続殺人事件が発生するサイコホラー。今敏監督の初監督作品で、この時点から現実と夢が交錯する作風が確立している。
R指定でもともとはOVAを予定していた本作はハードな描写も多く、デビッド・フィンチャーの「セブン」、今監督のファンを公言するダーレン・アロノフスキーの「ブラック・スワン」のような、見る人を締めあげていくようなキレキレのサスペンスを堪能することができる。
今監督が原作・総監督を務め、「東京ゴッドファーザーズ」と「パプリカ」の間に制作された全13話のテレビアニメ。さまざまな人物が謎の通り魔“少年バット”に襲われる事件を中心に、人間の妄想と狂気がユーモラスなテイストで描かれる。
オムニバス形式で展開される同作は連作短編集のような味わいがあり、今監督のストーリーテラーとしての幅広さが感じられるシリーズ。各話絵コンテ・演出には平尾隆之、浜崎博嗣、うつのみや理、高橋敦史、りんたろう、佐藤竜雄らが参加している。
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惑星クリプトXの研究施設では、宇宙ザメと宇宙植物が秘密裏に育てられていた。しかし宇宙船が隕石にぶつかり地球に落下。その際にサメ型クリーチャーも地球へと送り込まれてしまう。宇宙船が落下した荒野では、麻薬中毒のセラピーを受けていた若者たちが、地球の環境に適応し狂暴になったサメ人間 <シャークベイダー>に次々と襲撃され殺されていく!残った彼らは、宇宙船唯一の生き残り・ノーラと合流し、荒野からの脱出を試みるが…果たして、宇宙ザメと宇宙植物の恐怖から逃げ延びることはできるのか!