PERFECT BLUE パーフェクトブルー

ALLTIME BEST

劇場公開日:1998年2月28日

解説・あらすじ

「パプリカ」「千年女優」などで国内外で高い評価を受けたアニメーション監督・今敏が1998年に手がけたデビュー作。竹内義和の小説「パーフェクト・ブルー 完全変態」を原作に、アイドルから女優に転身した女性を襲う悪夢のような出来事を描く。アイドルグループを脱退し、女優へと転身を図った霧越未麻。連続ドラマのレイプシーンやヘアヌード写真集など、これまでのイメージを覆す過激な仕事の連続に戸惑いながらも、着実に知名度を上げていく。そんな中、彼女の関係者を狙った連続殺人事件が発生。ネット上では未麻の名をかたって詳細な日記をつづる人物が現れ、彼女は次第にストーカーの影に怯えるようになっていく。漫画家・江口寿史がキャラクター原案を担当。

1998年製作/81分/R15+/日本
配給:レックスエンタテインメント
劇場公開日:1998年2月28日

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映画レビュー

4.5 古さはあるが古くない

2026年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

驚く

今敏監督はやっぱ凄いです。改めて観ると構成能力の高さがあり、アニメならではの演出を効果的に入れていて「初映画監督作品なのこれ」と思ってしまいます。
竹内義和さんの原作も30年程前に書かれた内容とは全く思えない。何なら今の方がよりリアリティがあるのかもと思ってしまう。映画一作目のパトレイバー同様に30年前は単なる古い、過ぎ去って行ったものではなく、今を構成するベース、地続きなものであると改めて感じました。
パプリカもそうですが今監督は妄想や精神世界を直感的な感覚で伝えるのが上手だなと思います。ああいう風に人に伝えるのには緻密な計算と経験が必要なのではないかと思います。
映画館内は20代前半っぽい人半分位で、それも女性が結構いて意外でした。
ですが、とってもよくできた映画なので年齢性別関係はないですね。

最近は昔の面白い映画のリバイバルが多いのが嬉しい限りです。

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93q2q2

3.0 オタクに対する酷い偏見

2026年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

驚く

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777

5.0 今 敏はアニメ界のクロサワであり小津である

2026年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

※今 敏作品の『千年女優』、『PERFECT BLUE』、『東京ゴッドファーザーズ』、『パプリカ』それぞれのレビューページに以下の同一の文章を投稿します。どうぞご容赦ください。
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今 敏の作品を今まできちんと鑑賞したことがなかったのは不徳の致すところで、深く後悔している。

以前からTikTokあたりで海外のマニアから『パプリカ』の切り抜きが流れていたのは知っていたし、それだけで今 敏の尋常ではない画作りに瞠目してはいたが。

その『パプリカ』公開20周年企画として、正月から渋谷シネクイントが同作を含む今 敏の劇場アニメ代表作4本を4Kリマスター版で再上映してくれた。
何と素晴らしい企画だろう。PARCO系のシネクイントではあるが、現在はかつてのPARCOとは経営が異なるはず。
だがPARCOが渋谷を席巻していたのをよく知る世代としては、堤清二の文化貢献の尖兵だったPARCOを思い出した。

こんな上映企画は私が生きているあいだに二度と無いかも、と思ったので、ある一日、昼から夜まで4本ぶっ続けで観てきた。
上映順(鑑賞順)で言うと『千年女優』(2001)、『PERFECT BLUE』(1997)、『東京ゴッドファーザーズ』(2003)、『パプリカ』(2006)である。
いやはや、帰宅して数時間経っても頭の芯がじんじんして、全身の血管に今 敏が流れている感覚が抜けなかった。

これは『七人の侍』と『羅生門』と『用心棒』と『隠し砦の三悪人』を一日でぶっ続けで観たのに等しい。
あるいは『東京物語』と『麦秋』と『秋刀魚の味』と『晩春』を同じく一日でぶっ続けで観たようなものだ。
大袈裟ではなく、それほどの価値とインパクトのある鑑賞体験だったし、こうして通しで一気に観ることでわかったこともある。
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少々脇道に逸れるけれど、4本の上映時間はそれぞれ87分、81分、92分、90分と、現在では極めて短い部類に入る。
しかしそれぞれの濃さ、密度、味わいの違いの圧倒的な満足感はそれ以上だった。1600円均一という鑑賞料金が安く思えてしまうほどの内容である。
そう言えば『ルックバック』もわずか58分だったが、あんなに強烈な物語はそうそうない。
そうしてみると、昨今の実写映画は最低でも2時間がもはやデフォルトで、長ければ平気で3時間オーバーが普通になってきているのは、良い作品も確かにあるけれど、本当はもっと濃縮できるのではないか、濃縮したうえで深く、鮮やかに、同等かそれ以上の満足感を届けられるのではないだろうか、とちょっと思ってしまう。
アニメであろうが実写であろうが、「映画」って本来そういう濃縮された語りが腕の見せ所だろうと思うのだけれど。
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閑話休題。
この4作品についてそれぞれバラバラに感想を記することももちろん可能だ。
ただ、46歳で世を去った今 敏は10年という限られた時間に、この4本に後半生の寿命を注ぎ込んだ気がしてならない。
デジタル技術によるオーサリングツールが制作プロセスを劇的に省力化しているはずの2010年代以降でも、例えば新海作品でも最低3年のインターバルがある。
だから、それ以前の技術で2年半に1本という驚異的なペースで作ったことが文字通り命を削ったのではないか、とさえ思えるのだ。

そして、それぞれ作品としてのクォリティがどれも異常に高いという共通点を持ちながら、4本ともまったく違うテイストになっている。

それだけに、この4本に込められた今 敏の噴出するエネルギーと咲き誇る表現に応えるために一気に観る必要がある、そのうえで見えてくる全体像を感じたい、と思うのだが、それは少々妄想が過ぎるだろうか?
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今回、居住まいを正して今敏作品を観て強く思ったことがいくつもある。
一番目には脚本の巧みさである。
『PERFECT BLUE』と『パプリカ』にはそれぞれ竹内義和、筒井康隆という作家による原作があるが、あちこちですでに書かれているように、今 敏は原作者に了承を取ったうえで「アニメーション」かつ「映画」にするために原作を徹底的に換骨奪胎し、別の脚本家を交えて共同で物語を作り上げている。
そしてあとの2本も、単独ではなく脚本家とともに練り上げている(このあたり、いい加減に細田守も学んで欲しい)。

二番目には、この脚本に合わせて密接に設計されているマッチカットの多用である。
あるシーンに存在する事物や動き、イメージが、次のシーン(例えば「時代を超えたシーン」や「まったく別の場所のシーン」)にワープしたような、瞬間移動したような錯覚を、観る者に与えながら遷移する。

三番目には、同様に脚本の作り込みの中で効果的に差し込まれたであろうタイムループのようなリフレインの使用である。
歪んだ廊下を走る、悪夢に跳び起きる、列車を追いかける・・・それもまったく同じカットではなく、少しずつどこかが変わっている。
鑑賞者にデジャヴのような時空間の歪みを生じさせる。
これは原作があったとしてもなかなかここまでの映像として表現できないし、オリジナルならそれこそ驚異的なクリエイティビティとしか言えない。

四番目には、あらゆるカットの構図が、極めて「映画的」だ。
実写のロトスコープ化と錯覚するほどである。いや、単に「実写みたいだ」というのではない。
非常に優れた監督とシネマトグラファーが創り上げ、撮った構図の中で、アニメーションのキャラクター(「役者」)がかすかな視線や眉根の動かし方や指先の所作などで「演技」しているのだ。
今でも思い出せるのは、例えば『千年女優』の藤原千代子が牢で同房となった女囚(先輩女優の島尾詠子) に「『鍵の君』を追いかけていくうちに益々愛するようになった」と告白する。
それを聴いた詠子が「ふん」とばかりに受け流す、その一瞬に三段階くらい目の表情が変化するシーンだ。これには心底、舌を巻いた。
ここだけのために観に行っても良いくらいである。

タイトルとレビュー冒頭に、黒澤明や小津安二郎という巨匠の名を持ち出したのは、いかにも大げさすぎるだろうか?
しかし、これは事実確認をしていないのだけれど、およそアニメーション、特にジャパニメーションに強く衝撃を受けた世界中の若いアニメーション・クリエーターたちが繰り返し繰り返し観るとしたら、『AKIRA』もそうかもしれないが、今 敏のこの4本ではないか?
しかも『AKIRA』は1本だが、今 敏作品は『AKIRA』級が4本である。
スピルバーグ、ルーカスは「クロサワを何十回観たかわからない」と公言し、ヴィム・ヴェンダースは「オヅは生涯の師」と言っているのだから。
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そして、今 敏が大友克洋のアシスタントからスタートしたという経歴を考えると、特に『東京ゴッドファーザーズ』のキャラたちや、あり得ない偶然の連続と言ったおかしみのセンスは、間違いなく『ショートピース』や『ハイウェイスター』で遺憾なく発揮されていた大友テイストそのものだ。
今 敏のあまりにも早い旅立ちについて、大友克洋はどこかで発言していないだろうか。
たぶん真の天才こそ、別の天才の不在を大きな喪失として捉えているのだと思う。

そして、今 敏とわずか2歳違いの細田守は、今、何を考えて走っているのだろう。
ひょっとしたら今 敏の影を追いかけたり、あるいは影と踊ったり、さまざまな思いに良くも悪くも振り回され続けているのではないか。
『果てしなきスカーレット』は公開直後くらいに観ているのに、どうしてもまだレビューが書けないまま、そんなことをつらつら思ってしまう。

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LukeRacewalker

4.0 斬新な映像で描く「ブラック・スワン」

2026年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

斬新

ドキドキ

今 敏監督作品。
今 敏は元々は漫画家としてスタート。
30代半ばからアニメーターとして活躍。絵がとても上手い。
「パーフェクト・ブルー」は1998年公開で81分。
製作費は9千万円。
今 敏(1963年~2,010年)は46歳で亡くなっている。
今生きていてもまだ62歳ですのでとても惜しい方ですね。
今作の魅力は、
●衝撃的で過激な性描写、そしてカット割りとレイアウトと構成力。
●現実と虚構が混沌として、何が真実なのかを、
わざと解りにくくした演出。
この2点だと思います。
1998年といえば「モーニング娘。」がデビューした年です。
オーディション番組「ASAYAN(あさやん)」の出身で、
当時夢中で見ていた記憶があります。
アイドルから女優に転身した「AKB 48」の前田敦子や大島優子は、
今や第一線で演技派女優として大活躍しています。

アイドルグループは、【卒業】という形で独り立ちしていきますが、
霧越未麻のいたアイドルグループ【CHAM】は3人グループで、
未麻が抜けて2人になってからの方が活躍し出して、
そのことも未麻の焦りを駆り立てます。

【笑顔】
アイドルは常に機嫌良く明るく愛想を振り撒くのが仕事です。
頭の痛い時も、不機嫌な時も腹が立つ時も常に笑顔、
どんだけストレスに晒されるでしょうか?

熾烈な【競争】
たとえば48人ものメンバーの中でセンターに抜擢されるのが、
どれほど大変か?想像するだけでも気が遠くなる。
そして彼女たちはメンバー交換を繰り返して消費されていくのです。
■ストーカーの存在、
アイドルの押し活に、命懸けの人々。

未麻が女優に転身するステップとして、レイプシーンや
過激なグラビア写真に
挑戦して行くのですが、未麻をガードして守ってくれる強力な
大手芸能プロダクションや、売り出し戦略を綿密に立ててくれる
プロジェクトチームがいなかったから
経験の少ない未麻本人に決断を任されている・・・
そこにも問題があったとそう思います。
★★☆
ドラマ【ダブルバインド】の収録と未麻の妄想が交互に出て、
カット割りされる
ますます現実と虚構の分かれ目が曖昧な手法がとられていて、
観客は余計に惑わされ混乱するのです。
【ダブルバインド】の言葉の意味は、“二重拘束“
上手いですね。
未麻のアイドルとしての清純な姿と、
女優として挑戦しなければという意識の拘束。
未麻は“ダブルバインド“に心が引き裂かれて行くのです。

もう一人の自分・・・アイドル霧越未麻が現れて、
ダーレン・アロノフスキー監督の
「ブラック・スワン」の白鳥と黒鳥のように二重構造になり、
未麻を狂気へと誘うのです。
(アロノフスキー監督がパーフェクトブルーの大ファンで、
「ブラックスワン」の方がオマージュだとの説もあります。

【そして終盤】
•脚本家の渋谷先生が殺され、
•カメラマンの村野がエレベーター内で目を刺されて殺され、
•ストーカーの内田が遺体で発見される。
•内田が未麻の所属事務所の社長・田所も殺されたか?重症です。
【真犯人とその動機】
真犯人らしいのはマネージャーのルミ・・・ですが、
映像の中では未麻がナイフで刺しているシーンも混ざり、
ストーカーの内田が殺したらしいカットも混ざり判然としません。
ただ分かっていることは、
「アイドルの神秘性」にこだわりを持ち、未麻にそれを求めるルミが、
最初から怪しかった。
未麻と顔も体型も正反対のルミの羨望と嫉妬、二つの歪み。
冒頭のホームページの作り方をレクチャーする段階で未麻になるすまして
未麻の私生活や行動をパソコン画面に流して未麻を洗脳して
操縦していたとも思えます。
【ラスト】
アイドルの衣装のルミ、
未麻の命を狙ってどこまでも追ってくるルミ。
お腹に尖ったものが突き刺さり、国道を走ってくる
宅配便のトラックのライトに向かって両手を広げ、
“未麻になりきったルミは恍惚の表情を浮かべます
(まるでスポットライトに微笑むアイドルになり切って、)
ルミは本当はアイドルになりたかった‼️
咄嗟にルミを突き飛ばす未麻。

◆病院
ルミは重症で多重人格者として、時々はルミに戻るという。

◆未麻の言葉。
「私がこうなれたのはあの人のおかげ、
「私は本物よ‼️」

■■観終わって、
アニメでなければできない映像表現が多々ありました。
人物の入れ替わりや顔のすり替え、過去と現在、ドラマと現実、
そして本当に狂っているのはルミだけなのか?
未麻は正常な神経だと言い切れるのでしょうか❓
・魑魅魍魎の多い芸能界、
・精神を病むアイドルや、その消費期限。

30年近く前の作品ですが、斬新なカメラワークに翻弄されて
引き込まれました。

コメントする 3件)
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琥珀糖

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