タル・ベーラ初期3作特集に合わせ、「サタンタンゴ」「ニーチェの馬」の上映が決定
2022年1月7日 12:00

タル・ベーラ監督が初期に手がけた日本初公開となる3作品を4Kデジタルレストア版で、日本初公開する特集「タル・ベーラ 伝説前夜」に合わせ、「サタンタンゴ」(1994)、「ニーチェの馬」(2011)の上映が決定した。
「サタンタンゴ」は準備に9年、2年に及ぶ撮影、完成まで4年の歳月をかけて製作された7時間18分にわたる伝説の傑作。全編約150カットという驚異的な長回しの映像で構成され、秩序に縛られ、自由を求め、幻想を抱き、未来を信じ、世界に幻滅し、それでも歩き続ける人間の根源的な姿を詩的かつ鮮烈に描く。

「ニーチェの馬」は、タル・ベーラが56歳で発表した引退作で、トリノの広場で泣きながら馬の首をかき抱き、そのまま発狂したとされる哲学者ニーチェの晩年の逸話よりインスパイアされた作品。第61回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)・国際批評家連盟賞受賞など、タル・ベーラ最高傑作との呼び声が高い。今回、本作のみ35ミリで上映される。現在ではほとんど上映されることのないフィルムでの上映は、映画ファン必見の貴重な機会だ。
特集では、タル・ベーラが初期に手がけた「ダムネーション 天罰」「ファミリー・ネスト」、「アウトサイダー」の3作が上映される。上映スケジュールは「タル・ベーラ 伝説前夜」公式HPまたは公式ツイッターで告知する。1月29日から、シアター・イメージフォーラムほかで上映。。
「ダムネーション 天罰」(1988年/121分/モノクロ)
「サタンタンゴ」原作者であり、本作以降すべての作品で共同作業を行う作家クラスナホルカイ・ラースローがはじめて脚本を手がけた。さらに「秋の暦」から音楽を手がけるビーグ・ミハーイが本作にも携わり、”タル・ベーラ スタイル”が確立された記念碑的作品。罪に絡めとられていく人々の姿を「映画史上最も素晴らしいモノクロームショット」(Village Voice)で捉えている。
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