柳下毅一郎、タル・ベーラ最新作を「見ると死ぬよ」と過激に絶賛

2012年2月19日 14:00

「ニーチェの馬」を絶賛した柳下毅一郎(右)
「ニーチェの馬」を絶賛した柳下毅一郎(右)

[映画.com ニュース] ハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督の最新作「ニーチェの馬」公開を記念し、映画評論家の柳下毅一郎が2月18日、東京・代官山蔦屋書店でトークイベントを行った。

タル・ベーラ監督が最後の作品と公言する本作は、とある疲れ果てた馬の首をかき抱き正気を失ったという哲学者ニーチェの逸話をもとに、馬のその後を追い、荒野に暮らす貧しい父娘の最期の6日間を描き出す。第61回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員特別賞)と国際批評家連盟賞をダブル受賞した。

タル・ベーラ作品を「(映画の地図の)シネフィル大陸の一番奥の方にある」と独特の言い回しで位置づけた柳下は、本作について「この映画を見ていない人に対して、とにかくすごい映画だから見たほうがいい、でも見ると死ぬよと言っています。見ている瞬間瞬間に打ちのめされるんです。生半可な気持ちで見ると、タル・ベーラにぶん殴られる」と、その完成度の高さを過激な表現で絶賛した。

約2時間半にわたる本作は、全編モノクロフィルムで撮影された。柳下は「物理的な意味での映画というものをものすごく感じさせてくれる。フィルムの粒子の一粒一粒まで見たような気になる」と感想を述べ、「ぜひ映画館で見てほしい。フィルムの光と対じしてほしいという言葉がこれほど似合う映画はない」と力強く語った。

聞き手を務めたシアター・イメージフォーラムの山下宏洋支配人は、撮影に対しては気性の激しさを見せ、完璧主義で知られるタル・ベーラ監督と対面した印象を「パンクロッカーの兄ちゃんが年をとって丸くなった反逆児みたいだった」と明かす。そして「フィルムというメディアがなくなっていく中で、これはモノクロフィルムでなければだめで、それを映画館で見る作品だと思う。映画の神髄が見られる作品です」とアピールした。

ニーチェの馬」は公開中。

(映画.com速報)

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