【上白石萌音・新春特別インタビュー】2022年も貫く「生のお芝居」と忘れ得ぬ初心
2022年1月1日 10:00
俳優、歌手として精力的かつ丁寧な仕事ぶりで引っ張りだこの上白石萌音が、1月27日に24歳の誕生日を迎える。新年を迎えた上白石に、充実した1年だった2021年を振り返ってもらうとともに、いかに慈しみながら22年を過ごすのか話を聞いた。(取材・文/大塚史貴、写真/間庭裕基)
大みそかの第72回NHK紅白歌合戦に初出場を果たし、「NHKみんなのうた」でお馴染みの楽曲「夜明けをくちずさめたら」を熱唱した上白石。21年は主演ドラマ「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」から始まり、NHK大河ドラマ「青天を衝け」では篤君に息吹を注いだ。そして昭和、平成、令和をラジオ英語講座と共に生きた祖母、母、娘の3世代のヒロインと家族の物語をハートフルに描く、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では深津絵里、川栄李奈とのトリプル主演として、主人公のひとりである橘安子を演じている。
朝ドラ主演というのは、役者を生業にする者の誰もが経験できるものではない。「カムカムエヴリバディ」の現場を経て、演技のアプローチの仕方や考え方に変化は生じたのか問いかけてみると、真摯な眼差しをこちらに見据え、上白石は穏やかな表情で語り始めた。
「朝ドラは特別なものだと思っていましたし、経験してみて唯一無二だと思う部分はありますが、他の現場と何も変わらないということが分かりました。みんな、良いものを作るために同じように寸暇を惜しんで取り組んでいる。毎日放送されて、見る人もすごく多いというだけで、基本的にもの作りの観点では同じことだったというのが、ひとつの気づきです」
上白石が扮した安子は大正生まれで、第二次世界大戦で夫の稔を失うなど激動の昭和期を生きる。長期の撮影で関西に滞在したことは、役に集中するうえで大きな収穫と充実をもたらしたようだ。
「安子を演じるため、関西に行きっぱなしだったのですが、本当に没入して演じることが出来ました。ドラマに関係する曲が流れるだけで涙が出たり、寝る前に話の展開を思って考え込んじゃったり、常に安子でいられたという贅沢な時間でした。東京にいると、どうしたって並行してお仕事をすることになるので幸せでしたね。本当は全ての現場、血となり肉となる感覚を味わいながらやりたいなって感じましたし、そういう体験ができたことは今後の糧になると思います」
■私は庶民的なので普通の感覚を身に付けておきたい
デビューから継続的に上白石を取材し続けているが、元旦に映画.comに登場してもらうのは2014年以来8年ぶりとなる。当時は「いつか井上真央さんと共演するのが夢」と語っていたが、現在は上白石が下の世代から憧れられる側になったわけだが、そういった変化を実感することはあるのだろうか。
「立場が変わっているというのは、自分ではよく分からなくて……。周囲からの見られ方が変わったというのは感じます。戸惑うこともありますし、見られ方が先走りして自分が追い付かない部分もあるので、知られていくということは私にとっては結構苦しいことなのかなと思います。都内で電車に乗るっていうと、マネージャーさんから苦い顔をされるようになりましたしね(笑)。でも、タクシーって高いじゃないですか。私は庶民的で、その辺にいそうな普通の役を演じることが多いので普通の感覚を身に付けておきたいし、役者である前に普通の人なので、その部分は忘れないでいたいんです」
近年の活躍ぶりは目を見張るものがあるが、キャリア初期から歩んできた作品群を振り返ってみると映画の出演作が群を抜いている。だが、「カツベン!」(19年12月13日公開)以降、銀幕の世界からは2年以上(吹き替え声優は除く)も遠ざかっている。
「もう2年も経っているんですよね。私も映画、やりたいんです!」と前のめりになる上白石にとって、表現手段や選択肢が数多くあるなかで、映画に対してどのような思いを抱いているのか聞いてみた。
■劇場で「千と千尋の神隠し」を観て、おいおい泣いちゃいました
「映画はやっぱり、映画館で観たいですよね。今はなんでも家で観られるようになりましたけど、真っ暗ななかでスクリーンと私の1対1みたいなのがすごくいいなと思うんです。すごく手短に異空間に飛べる場所でもあるし、純粋に演技をするうえでもたくさん観て勉強したいという思いもあります。どんなに時間がなくても映画館には行きたいと思うので、いま一番恋焦がれているのは映画だったりします」
直近では、劇場で「ナショナル・シアター・ライブ」を鑑賞したといい、「家でも見ることはできるんですが、劇場で観た方がより臨場感が出ますし、知らない人たちと一緒に同じものを観ているというワクワク感もありますよね」と表情を綻ばせる。昨年の緊急事態宣言による自粛期間明けに、リバイバル上映されていた宮崎駿監督作「千と千尋の神隠し」を観に行ったそうで「私の世代だと、DVDかテレビの金曜ロードショーでしか見たことがなかったので、劇場で観ると印象が全然違って、おいおい泣いちゃいました。こんなにも違うものか! と感じましたし、『ああ、やっぱり映画館が好きだ!』と思いました」と満面の笑みを浮かべる。
そしてまた、いち観客として作品に触れたからこそ、作品への責任と役者という仕事への自覚について、思いを新たにした。
「何もできないという状況に陥ると、何がしたいかというのがすごく浮き彫りになりました。自粛明けすぐの現場では、お芝居が楽しくて仕方がなかったし、初めてのレコーディングも本当に幸せだった。その感情を思い出すことができた。日々の忙しさに追われてきたなかで一度立ち止まれたというのは、プラスととらえてもいいんじゃないかな。『そうだった、私、好きでやっているんだった』と、いま感じられていますから」
映画といえば、昨年12月15日に発表された新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」の製作発表会見に上白石も駆け付けた。大ヒットした「君の名は。」で宮水三葉役の声を務めたこともあり、「天気の子」の森七菜(天野陽菜役)と共に応援ゲストとして登壇したわけだが、どのような期待感を抱いているだろうか。
「新海さんって時代に媚びない方なんですよね。ご自身の信念を通すし、賛否分かれることをいとわないというか……。『君の名は。』も『天気の子』も色々な意見が持てる作品じゃないですか。時代に問いかけるものを作られる方ですから、『すずめの戸締まり』もセンセーショナルな作品になると思います。すごく楽しみです!」
大充実の1年を過ごしてきたわけだが、上白石は意外なことに「焦り」が21年のテーマだったと打ち明けてきた。
「焦り、嫉妬、悔恨……、そういうものが常にあった1年だったと感じるんです。出演させていただく作品が大きくなって、共演の皆さんも上手な方ばかり。朝ドラに至っては、天才の集団みたいな印象でした。そういう方々のお芝居を目の当たりにするにつけ、凄いなと思うのと同時に、どうして私は出来ないんだろう? という自己嫌悪みたいなものが芽生えてしまって……。ただ、それをバネにしながら毎日演じていました」
■この体で、この顔で生まれてきたことに意味がある
これまで、内面的にも外見的にもコンプレックスを抱くことが多かったというが、ある人物との共演が思いを吹っ切るきっかけになったようだ。
「ドラマで菜々緒さんとご一緒したんですが、もう全然違う(笑)。憧れるというよりも、『ほーーーー』って思っちゃったんですよ。それで人は人、私は私って思ったんです。私は菜々緒さんにはなれない。菜々緒さんも私のようなちんちくりんにはなれないわけじゃないですか。持ち場があるんだなと。私は背が低いので『舞妓はレディ』のときに高いおこぼ(平均で10.5~12センチといわれている)を履いても凄く似合うと言ってもらえたし、朝ドラでも駐在兵との身長差が時代考証としてリアリティがあるとも言ってもらえました。ああ、この体で、この顔で生まれてきたことに意味があったというのを感じられることが多かった年でもあったんですね。焦りを覚えながらも自分を保てたというか、私のキャパ、容器で出来ることをやろうというのを考えられた年だったかなと思います」
コロナ禍でエンタメ業界が試行錯誤を繰り返すなか、浮き彫りになってくるのは「現場の愛おしさ」。それは、どの業界で働く人々にとっても同様だろうが、エンタメ業界に身を置く人々にとってみれば撮影現場や収録現場、取材現場という“日常”が主戦場になる。それらが動き出した時に、それぞれにとっての“現場”の活気こそが如何にモチベーションになっているかが肌感覚として身に染みて来る。
■「生のお芝居を貫く」を忘れずに
上白石にとってのモチベーションは、「すごく個人的な話になってしまいますし、それが全てではないのですが、祖父母の存在でしょうか。祖父母が私の頑張りを見て、『明日も生きなきゃ』と言ってくれていて、それはすごく力になります。『朝ドラが気になるから元気でいなきゃ』『舞台があるからちゃんと足腰を丈夫にしておかなきゃ』と言ってくれるのが、孫として嬉しいし、励みになるんです」と語る。
そしてもうひとつ、「純粋なモチベーションがあって、ある舞台で客席を見渡せるシーンのときに、小さい子どもが身を乗り出してステージを見ていたんです。その瞬間、『私、きょうはこの子のために頑張ろう!』と思って。私自身もそうやって、舞台や映画を食い入るように見ていた幼少期があったので、子どもたちに『すごい!』と思ってもらえるように頑張りたいですね。だから……、あれ、モチベーションの対象が子どもからお年寄りまで幅広くなっちゃいましたね」と、ケラケラと笑う。
上白石を初めて取材したのは、11年1月9日の「東宝シンデレラ」オーディションの時で、まだ12歳だった。もうじき24歳の誕生日を迎えることになるが、この1年間をどう慈しみながら過ごしていくのか聞いてみた。
「年女です! 今年は舞台から始まって、その後に映像のお仕事も控えています。私が一時期、お芝居で悩んで苦しかった時期があり、先輩の神野三鈴さんにそれとなくこぼしたことがありました。そうしたら、神野さんが『あなたはどんな現場でも、どんな台本でも、生のお芝居を貫きなさい』と言ってくださったんです。『舞台で共演者とぶつかり合い、お客さんから空気をもらって幸せを感じている。でも、同じことを映像の現場でもできるはずよ』とも。その言葉をテーマに、私は昨年1年間を過ごしてきたので、今年こそ、それが試される時だと思うんです。どんな時でもちゃんと心を動かして、生きているって感じを忘れたくないなって感じています」
■「果報は寝て待て」というが、私は寝て待てるタイプではない
今年は、橋本環奈とのダブルキャストで主人公の千尋を演じる舞台「千と千尋の神隠し」(ジョン・ケアード翻案・演出)が2月から始まる。既に稽古は始まっており、「稽古が始まる時は『本当に出来るのかな?』と思っていたんですが、『出来そう!』と思っています。演出的に奇をてらったりせず、ジョンらしいアナログな手法であの世界観を表現しようとしています。キャストは体がめちゃめちゃ大変だと思いますが、ワクワクできるすごく楽しい舞台になるんじゃないかと思います。全国どの劇場で観ても、『千と千尋の神隠し』の世界へ飛べると思います。セットを見て感じました。私は、10歳の千尋として走り回ろうと思います。体力をつけなくちゃ!」と意欲をみなぎらせている。
昨年以上に充実した1年にするため、上白石は初心を忘れることなくひた走る。本人としては、「果報は寝て待て」を実践できるタイプではないらしく、「私は寝て待てるタイプではなくて、ソワソワと色々なことをやっちゃう。朝ドラも放送まで怖くて仕方がなくて、撮り終わった分も今更脚本を読み直したりしています」と苦笑い。ただ、昨年発売したエッセイ集「いろいろ」(NHK出版刊)の執筆時のことに思いを馳せる。
「書きたいことがないのに焦って打ち込んだりしちゃって、『あれ……私、何が書きたいの?』という心境になったので、何もかもしまって、ただボーっとしてみたら自然と書きたいことが浮かんできたんです。何もしないって、すごく大事なことだなと思って。スマホ片手に親指1本で時間を埋められる時代に、何もしないって一番の贅沢ですよね」
初心を貫き続ける上白石がどのような芝居を見せ、パフォーマンスを披露してくれるのか、観客の楽しみは増すばかり。ましてや、まだ23歳。着実にキャリアを積み重ねてきたとはいえ、上白石の躍動の道程は始まったばかりだ。
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執筆者紹介
大塚史貴 (おおつか・ふみたか)
映画.com副編集長。1976年生まれ、神奈川県出身。出版社やハリウッドのエンタメ業界紙の日本版「Variety Japan」を経て、2009年から映画.com編集部に所属。規模の大小を問わず、数多くの邦画作品の撮影現場を取材し、日本映画プロフェッショナル大賞選考委員を務める。
Twitter:@com56362672
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