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無差別銃乱射“ポートアーサー事件”はなぜ起こったのか? カンヌ受賞「ニトラム」22年3月公開

2021年12月26日 11:00

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主演はケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
主演はケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
(C)2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited

第74回カンヌ国際映画祭で主演男優賞、第11回オーストラリア・アカデミー賞で最多8部門を受賞した「Nitram(原題)」が、「ニトラム NITRAM」の邦題で、2022年3月25日から公開されることが決定。あわせて、特報と場面写真が披露された。

本作の題材となったのは1996年4月28日、オーストラリアの世界遺産でもある観光地ポートアーサー流刑場跡で起こった無差別銃乱射事件(通称:ポートアーサー事件)。コロンバイン高校銃乱射事件の3年前、2倍以上の死者数を出し、銃規制の必要性を全世界に問いかける、先駆けとなった事件だ。また、当時27歳の単独犯の思想的動機が不明瞭であることも拍車をかけ、新たなテロリズムの恐怖に各国が騒然となり、今なお議論が絶えない歴史的な出来事として知られている。

映画で描かれるのは、事件当日に至るまでの犯人の日常と生活。舞台は、90年代半ばのオーストラリア・タスマニア島。かつては囚人の流刑地、今では観光しか主な産業がない閉塞したコミュニティに暮らす20代半ばの青年が、いかにして同国史上最多の被害者を出した銃乱射事件の犯人となったのか。何より普通の人生を求めていた彼が、なぜ銃を求め、いかに入手し、犯行に至ったのか。その不可解な半生が、破格の臨場感と緊張感で描かれる。

主人公「ニトラム(NITRAM)」を演じるのは、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。「ノーカントリー」でデビュー以降、「アンチヴァイラル」「ゲットアウト」「スリー・ビルボード」「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」「デッド・ドント・ダイ」など現代の名匠たちの作品に相次いで出演するライジング・スターだ。ニトラムの内面に巣食う孤独と劣等感、屈折した男性性とナルシシズムを表現し、カンヌ国際映画祭、シッチェス・カタロニア映画祭などで主演男優賞を受賞している。

監督は“現代オーストラリア最高の映画作家”と称されるジャスティン・カーゼル。カンヌ映画祭国際批評家週間特別賞を受賞したデビュー作「スノータウン」以降、マリオン・コティヤールマイケル・ファスベンダーを主演に迎えたハリウッド・メジャー作品「アサシン クリード」の監督を務める一方、オーストラリア史の英雄ネッド・ケリーを描いた「トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング」を国内で低予算で撮るなど、メジャーとインディペンデント、グルーバルとローカルの間を自在に行き来し、キャリアを重ねている。本作は「カーゼル監督の最高傑作にして到達点」と各国の映画祭、メディアで絶賛されている。

特報は、ニトラムが子どものときから好きだった花火遊びや、犬や猫との遊びに興じる様子とともに、サーファーに憧れ海を眺める後ろ姿が印象的に活写。彼のパーソナリティの一端が感じられる映像になっている。

ニトラム NITRAM」は、22年3月25日から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開。

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