まるでリンチ版「ローズマリーの赤ちゃん」 「ボーダー 二つの世界」監督のマタニティホラー、ビョルン・アンドレセンが登場する予告
2021年12月22日 18:00
「ボーダー 二つの世界」の鬼才アリ・アッバシの長編監督デビュー作「マザーズ」の予告編とポスター、新場面写真がお披露目された。2016年に製作され、第66回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品された同作は、代理母となった若きシングルマザーに異変が起こるマタニティホラー。「まるでデビッド・リンチ版『ローズマリーの赤ちゃん』」(米Indiewire)など、絶賛を浴びた。
シングルマザーのエレナは、ルイスとカスパー夫妻の家へ、住み込みの家政婦としてやってきた。夫妻は資産家ながら、自給自足の生活を目指し、電気も水道も通っていない生活を送っている。幼い息子を実家に預け、出稼ぎに来たエレナには、その生活スタイルは恵まれた者の道楽に映るが、夫妻の人柄に触れ、次第に3人は家族のように親しくなっていく。そんなある日、エレナはルイスから代理出産を懇願される。「息子と一緒に暮らせるアパートを買う」と言われ、同情心を抱いていたこともあり、エレナはその依頼を引き受ける。
予告編にはエレナが妊娠直後から、皮膚炎、頭痛、めまいなど、体の不調に悩まされるさまを活写。エレナは「痛めつけてくるの」と訴え、お腹にいる赤ちゃんが自分を殺そうとしているかのような感覚を覚える。果たして、彼女のお腹に宿ったものとは――エレナの辿る運命が気になる映像に仕上がった。
ポスターは涙を流し赤ちゃんを抱きかかえるエレナと、その背後に立つルイスらしき女性をとらえたもの。ふたりの足元は血に染まり、「二つの子宮から死が生まれる――」という不穏なコピーが添えられている。
エレン・ドリト・ピーターセン(「テルマ」)がルイス、コスミナ・ストラタン(「汚れなき祈り」)がエレナ、ピーター・クリストファーソン(「特捜部Q キジ殺し」)がカスパーを演じる。さらに、「ベニスに死す」で注目を集め、ドキュメンタリー「世界で一番美しい少年」が公開中のビョルン・アンドレセンも出演。本作について海外メディアは、「マタニティホラーの最高傑作」(ロサンゼルス・タイムズ)、「母親たちの無邪気さが何より怖い」(ニューヨーク・タイムズ)、「名優たちによる迫真の演技に目が離せない」(ハリウッド・レポーター)とコメントを寄せている。
「マザーズ」は、「未体験ゾーンの映画たち2022」で公開。東京のヒューマントラストシネマ渋谷(22年1月21日から上映)、大阪のシネ・リーブル梅田(未定)で上映される。
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