イーストウッドの演出術をオスカー俳優たちが語る「直感と本能を信じている」「1テイク撮ったら、すぐ次」
2021年11月23日 12:00

監督デビュー50周年記念作品「クライ・マッチョ」の公開を控えるクリント・イーストウッド。半世紀以上に渡り一線で活躍を続ける名優にして、「恐怖のメロディ」(1971)以来、40作品を生んできた。勤労感謝の日である今日11月23日、監督デビュー50周年の功績に感謝して、イーストウッド作品に出演した歴代キャストの証言から、直感的でスピーディな撮影術に迫る。
「アメリカン・スナイパー」「運び屋」で2度イーストウッド組に参加しているブラッドリー・クーパーは「僕はクリントのテンポの速い撮影スタイル、効率のいい時間の使い方がものすごく好きだ」と振り返る。アカデミー賞作品賞・監督賞に輝いた「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」、そして「インビクタス 負けざる者たち」に出演、イーストウッドの演出を熟知するモーガン・フリーマンも「クリントの撮影はとても速い。1テイク撮ったら、すぐ次に進む。すごくいいよ。それに、彼がいつも平静でいることもありがたい。それは彼の精神力と自制心の表れだ」と賞賛する。

「インビクタス 負けざる者たち」で初出演、続く「ヒア アフター」で主演を務めたマット・デイモンは「彼は、ストーリーを語るにはどうすればいいかを正確に把握している。俳優として完全に身を任せられるので、とても安心して演じることができる。彼との仕事は本当にすばらしい体験だった」と、俳優出身ならではのイーストウッド監督に信頼を寄せる。さらに「スタッフのさまざまな仕事についてよく知っていて、誰もがよりやりやすくなるように気を配る。その結果、それぞれが最高の仕事ができる気分になれる。しかも、とても楽しい雰囲気でね」と、スタッフへの気配りも忘れない監督だと讃える。
最新作「クライ・マッチョ」でイーストウッド演じるマイクと共に旅をする少年ラフォに抜てきされた、メキシコ出身のエドゥアルド・ミネットも「ハッピーな現場だったよ。いつも笑いがあふれているんだ。クリントはしょっちゅう冗談を飛ばして、僕をリラックスさせてくれたよ」と、14歳でいきなり巨匠との現場となったが、和やかな雰囲気の中でのびのびと演じられたと語っている。

「J・エドガー」で主演を務めたレオナルド・ディカプリオは「彼の演出方法は見事なまでに簡潔なんだ」と語り、「クリントの映画作りに非の打ちどころがないのは、彼が自分自身の直感と本能を信じているからだよ。彼のビジョンは一つで、俳優としてはとてもやりやすかった。彼はまさにボクシングのセコンドみたいな感じ。リングに上がると、すぐそばで見守り、支えてくれている感じなんだ」と、独自の演出術で俳優を導く名監督だと断言している。
監督デビューから50年、歴代のキャストたちが全幅の信頼を寄せるイーストウッドは、監督としての明確なビジョンを原動力に、驚きのペースで映画を作り続けてきた。かつてロデオ界のスターだった男を主人公に、“真の強さ”を問いかける最新作「クライ・マッチョ」にも期待がかかる。
「クライ・マッチョ」は、2022年1月14日全国公開。
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