“元祖飯テロ映画”「タンポポ」ファンブック、11月26日発売! 宮本信子インタビュー、ラーメンレシピなどを収録
2021年10月31日 11:00
映画パンフレットの魅力を発信する有志団体「映画パンフは宇宙だ」(PATU)が、伊丹十三監督作「タンポポ」を特集するファンブック「ハシゴの上のごちそう about タンポポ」を、11月26日に発売することがわかった。主演の宮本信子へのインタビュー、独自の視点で伊丹監督作品を解説するコラム、劇中の“タンポポ・ラーメン”を家庭で簡単に作れるようアレンジしたレシピなど、さまざまな企画を収録している。
「お葬式」「マルサの女」「マルタイの女」など数々のヒット作を生み出してきた伊丹監督。1985年に公開された「タンポポ」は、未亡人のタンポポ(宮本)が営む寂れたラーメン屋を、流れ者のタンクローリー運転手・ゴロー(山崎努)が助ける物語を中心に、食にまつわる13ものサブエピソードが絡まる群像劇だ。世界中で巻き起こるラーメンブームの火付け役となり、日本のみならず海外の映画ファンをも魅了し続けている。
タンポポが切り盛りするラーメン屋にある日、タンクローリー運転手のゴローとガン(渡辺謙)がふらりと立ち寄る。大のラーメン通であるふたりの話を聞くうちに、タンポポは「“本物”のラーメン屋を目指したい」と、ゴローに弟子入りすることに。スープの名人であるセンセイ(加藤嘉)、麺にうるさい運転手・ショーヘイ(桜金造)、タンポポの幼なじみ・ピスケン(安岡力也)らの力を借りながら、町一番のラーメン屋を目指し、タンポポの究極のラーメンづくりが始まる。
ファンブックには、数々の伊丹監督作品の主演を務め、伊丹監督の妻でもある宮本のスペシャルインタビューが掲載されており、「タンポポ」誕生秘話や撮影の裏話、結婚生活のエピソードなど、貴重な思い出を語っている。さらにDJ、作曲、ラップ、執筆業などマルチな活動で知られるやけのはら氏と、「臨死!!江古田ちゃん」でデビュー以降、漫画やエッセイを手がける瀧波ユカリ氏が、伊丹監督と社会の関係性や、「タンポポ」とフェミニズムを掘り下げるスペシャルコラムを寄稿している。
さらに、「タンポポ」以外の9作品を紹介する「伊丹映画鑑賞のススメ」、伊丹監督作品を13のキーワードで読み解く「伊丹十三と13のこだわり」、登場人物たちが住む町を想像して描き起こしたマップ「妄想『タンポポ地図』」、名ゼリフを紹介する「セリフのあじわい」、欧米での「タンポポ」人気を紹介するコーナーなど、ユニークな企画をラインナップ。映画の人気ジャンルである「グルメもの」のパイオニアであり、日本で初めてフードスタイリストが撮影に参加した“元祖飯テロ映画”である本作を紹介するにあたり、おいしそうな料理のイラストが随所にちりばめられている。
2018年に設立された同団体は、“映画パンフ文化”に貢献するべく活動しており、さまざまな書籍を刊行している。初の自主出版書籍であるアリ・アスター監督(「ヘレディタリー 継承」「ミッドサマー」)の短編解説読本「I HOPE THAT PEOPLE WILL FEEL UNSETTLED.」が話題となり、一夜でインターネットの販売分が完売。その後もグラフィックデザイナー・大島依提亜氏を特集したムック本「大島依提亜と映画パンフ」、「ハッピー・デス・デイ」シリーズや東宝映画版の「子連れ狼」のファンブックなども販売しており、オンラインストア(https://pamphlet-uchuda.stores.jp/items/5fb51d9eda019c3ecd4c3f7b)で購入することができる。
「ハシゴの上のごちそう about タンポポ」(全28ページフルカラー)は税込800円(送料別、全国一律400円)。11月12日までの先行予約受付期間は、「映画パンフは宇宙だ」のオンラインストアで予約可能であり、一般発売日は同26日の午前10時となっている。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。