CGと見間違うほどリアル ピノッキオができるまでを収めたメイキング映像
2021年10月15日 11:00
第93回アカデミー賞の衣装デザイン賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされたダークファンタジー「ほんとうのピノッキオ」のメイキング映像が披露された。CGを使用せず、特殊メイクによって作られたピノッキオの制作過程を収めている。
イタリアの作家カルロ・コロディが1883年に出版し、100年以上にわたり読み継がれる名作児童文学「ピノッキオの冒険」。本作では、「ゴモラ」「ドッグマン」で知られるマッテオ・ガローネがメガホンをとり、無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”の面にフォーカス。旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を、圧倒的な映像美で描き出す。
ピノッキオやクリーチャーたちの特殊メイクは、「ハリー・ポッター」シリーズや「ボヘミアン・ラプソディ」など多くの話題作を手掛け、「グランド・ブダペスト・ホテル」「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で2度のアカデミー賞に輝いたマーク・クーリエが担当した。
ピノッキオのデザインは、初期段階の構想イラストから、粘土や彫刻などを使用して数えきれないほどブラッシュアップを重ねた後、ピノッキオを演じた子役フェデリコ・エラピの輪郭に合わせて調整し、最終的な造形に辿り着くまでには約1年もの月日を要したという。
メイキング映像では、ピノッキオの鼻や耳といったパーツがずらりと並んだ様子も垣間見えるが、それらは一度しか使用ができない“使い捨て”のもの。約3カ月間の撮影期間中、毎日4時間以上かけてエラピへ特殊メイクを施した。
撮影当時8歳だったエラピについて、ガローネ監督は「彼はピノッキオという役を完璧に理解していた。本人の性格自体は(悪童である)ピノッキオとは正反対だったけど、一方でエラピの純粋な部分も生きていた。現場は大変だったけど愛情込めて演じきってくれたんだ!」と絶賛している。
「ほんとうのピノッキオ」は、11月5日に東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。