「岬の兄妹」片山慎三監督、佐藤二朗とタッグ! 商業映画デビュー作「さがす」釜山国際映画祭に正式出品
2021年9月1日 18:00
片山慎三監督(「岬の兄妹」「そこにいた男」「連続ドラマW 東野圭吾『さまよう刃』」)が、佐藤二朗を主演に迎えた映画「さがす」が、2022年に公開されることが決定し、第26回釜山国際映画祭(10月6~15日開催予定)のニューカレンツ(コンペティション)部門に正式出品されることがわかった。あわせて、超ティザービジュアル、片山監督、佐藤のコメントが披露された。
ポン・ジュノ監督、山下敦弘監督、香川照之、ライムスター宇多丸ら各界のオピニオンからの激賞が相次ぎ、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018では観客賞と優秀作品賞、北欧最大の国際映画祭であるヨーテボリ国際映画祭(19年)では、イングマール・ベルイマン賞にノミネートされた「岬の兄妹」。同作で国内外から高い評価を得た片山監督は、今後の映画界を背負う才能と言っても過言ではないだろう。
長編2作目にして、商業映画デビュー作となる「さがす」は、アスミック・エース&DOKUSO映画館による次世代クリエイター映画開発プロジェクト「CINEMUNI」(シネムニ)の第1弾作品。韓国との共同製作を行い、片山監督はオリジナル脚本を執筆している。主演の佐藤は、ユーモラスなパブリック・イメージを封印し、不穏な言葉を残して娘の前から姿を消した父・原田智役として参加。直面する苦悩や、単純に割り切れない人間の善悪の曖昧さを説得力あふれる演技で見事に表現している。
「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。そう告げた翌朝、父は娘をひとり残し、姿を消した。孤独と不安を押し殺しながら、娘は父の行方をさがし始める。
釜山国際映画祭プログラムディレクターのNam Dong-Chul氏は「さすがポン・ジュノ監督の助監督として研鑽を積んでいるだけに、個性的で抜け目のないスリラーに仕上がっている」と説明。「単にどんでん返しが繰り返されているのではなく、人間に隠された一面の深く重い響きがこだまするスリラーだ」とコメントを寄せている。
本作のロゴ・ポスタービジュアルデザインを担当したのは、気鋭の韓国のデザイン会社「Propaganda(プロパガンダ)」。同社が邦画の国内ビジュアルデザインを手掛けるのは、オール韓国ロケ&韓国のスタッフ・キャストで製作された「アジアの天使」以来2作目のこと。オール日本ロケ、オール日本人スタッフ・キャストの邦画では、本作が初のビジュアルデザインとなった。
「さがす」は、22年に東京・テアトル新宿ほか全国公開。佐藤、片山監督のコメントは以下の通り。
ある日突然、手紙が来た。長文のその手紙の差出人は片山慎三。19年前のドラマで制作だった男だ。制作とはいえ、当時彼は21歳の右も左も分からぬ、いわゆる「使い走り」だった。でも発想や言葉が面白く、「君、オモロイな」と声を掛けたのを覚えている。そのあと彼は、数々の現場で鍛練し、感性を磨き、自腹で「岬の兄妹」という映画を監督した。その彼からの手紙には「自分の商業作品監督デビューとなる次作の主演を是非、二朗さんにやって欲しい」と書いてあった。手紙に添えられた、彼の商業デビューとなる「さがす」という妙なタイトルの脚本を読んでみた。「よくぞ俺のところに話を持ってきた」と思った。ちょっと凄い作品になると思う。ご期待を。
大阪に住む父が指名手配犯を見かけた、という実体験から生まれたオリジナル作品です。商業デビュー作ということもあり、よりエンターテイメントな作品にしたいという気持ちがありました。オリジナルだからこそ立ち帰る場所が常に自分自身でした。自問自答し、自分が作家として試されているような、良い意味での気合いと思いが入っています。本作のワールドプレミアが釜山国際映画祭で迎えられることとなり嬉しく思います。映画を観てどういう反応が返ってくるのか非常に楽しみに思います。ぜひ日本での公開も心待ちにしていてください。
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