東出昌大、佐藤泰志原作「草の響き」で3年ぶり映画主演! 函館の街を黙々と“走る男”に
2021年4月20日 08:00

俳優の東出昌大が、夭折の作家・佐藤泰志の小説を斎藤久志監督のメガホンで映画化する「草の響き」に主演していることがわかった。北海道・函館のミニシアター「シネマアイリス」代表・菅原和博氏の企画・製作・プロデュースによるもので、菅原氏にとって佐藤原作の映画化は今作で5本目となる。
佐藤の没後30年となる昨年、映画製作が発表され、新型コロナウイルスの感染拡大の脅威にさらされながらも11月にクランクイン。オール函館ロケを敢行し、このほど作品が完成した。
「草の響き」は佐藤の本格的な文壇デビュー作で、初の芥川賞候補となった「きみの鳥はうたえる」に所収。東出が扮する主人公の工藤和雄は、心に失調をきたし妻とともに故郷・函館に戻ってくるという設定だ。働くことが出来ない和雄は、病院の精神科に通いながら晴れの日も、雨の日も、心の治療のために函館の街を走り続ける。そんな和雄が路上で出会った若者たちと心を通わすようになったことで、何かが変わり始める……。
「スパイの妻 劇場版」「BLUE ブルー」など、近年も作品に寄り添う芝居を披露してきた東出にとって、「寝ても覚めても」以来、実に3年ぶりの主演作。東出は「心を病んだ男がそれでも走る理由は、きっと『良くなりたい』からだと思います。そして『良い』とは何なのか。羽毛のように柔らかい函館の西陽を受けながら、皆で作った映画です。楽しみに待っていてください」と並々ならぬ意欲をのぞかせている。
プロデュースの菅原氏は、東出起用の経緯を「若かりし頃の佐藤泰志の分身のような男が、函館の街を一人黙々と走る。そのイメージを考えた時に、東出昌大さん以外に思いつかなかった」と語っている。これまで一貫して「ご当地映画」ではなく「函館発信映画」にこだわり、地に足のついた映画製作を続けてきた菅原氏。その全てが佐藤原作で、2010年の「海炭市叙景」(熊切和嘉監督)を皮切りに、「そこのみにて光輝く」(呉美保監督/14)、「オーバー・フェンス」(山下敦弘監督/16)、「きみの鳥はうたえる」(三宅唱監督/18)まで、常に国内外で高い評価を得てきた。今作では、コロナ禍の函館の街をひたむきに走り続ける東出の姿を通して、どのような世相がスクリーンに浮上してくるのかに注目が集まる。
なお、メガホンをとった齋藤監督は1985年にPFFに入選後、長谷川和彦監督に師事。13年には「なにもこわいことはない」が第26回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門に選出された。ほか、荒井晴彦が企画した「空の瞳とカタツムリ」を監督するなど、寡作ながら良作を生み出し続けてきたことで知られている。
映画は、今秋に全国で公開。
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