エドワード・ヤン監督作「ヤンヤン 夏の想い出」4月2日から35ミリフィルム上映が決定
2021年2月16日 18:00

エドワード・ヤン監督作「ヤンヤン 夏の想い出」が、4月2日から東京のBunkamura ル・シネマで特別上映されることが決定。日本公開から20年――今も変わらぬ瑞々しさと、今だからこそ胸に沁みる風景を、35ミリフィルム上映で堪能できる貴重な機会となっている。
「光陰的故事」(1982)でデビューを果たしたヤン監督は、「台北ストーリー」(85)、「恐怖分子」(86)、「クー嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」(91)といった名作を撮り続けた台湾の巨匠だ。今回上映される「ヤンヤン 夏の想い出」(00)は、07年に短すぎるその生涯を閉じたヤン監督の“最後の完成作”として知られている。

台北と東京を舞台にした本作は、「反射する夜の光と都市の孤独」「すれ違う時間と精一杯の親密さ」「とてもを些細で、しかし限りなく大きな人生の出来事」を“人の後ろ姿ばかりカメラで撮る”少年ヤンヤンとともに見つめた作品。第53回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、BBCやニューヨーク・タイムズが選ぶ「21世紀の名作」ベスト10を選出。「春江水暖 しゅんこうすいだん」のグー・シャオガン監督のほか、「冬時間のパリ」のオリビエ・アサイヤス、「ミッドサマー」のアリ・アスター、スーザン・ソンタグらが“マイ・フェイバリット”に挙げている。

台北の典型的な中産階級の家族、NJとその妻ミンミンと2人の子ども達は、ミンミンの年老いた母親とアパートに同居している。40代中盤にさしかかったNJが共同経営者を務めるコンピューター会社は、今年こそ大きな利益をあげたものの、来年度は方針の変更をしなければ、すぐに倒産してしまいそうな状態だった。NJは、日本の革新的なゲームソフトのデザイナー・大田と提携することを提案する。

ところが、ミンミンの兄弟・アディが結婚する日、一家にトラブルが起こり始める。結婚式の日、ミンミンの母親が心臓発作で倒れ、昏睡状態のまま病院に担ぎ込まれ「二度と回復しないかもしれない」と宣告される。また、同じ日、NJが、今やアメリカ人の妻となった初恋の人・シェリーと、20年ぶりに偶然出くわしてしまう。
00年4月9日の台北、ヤン監督は「ヤンヤン 夏の想い出」について、このようなコメントを残している。
「この映画は人生における1+2と同じくらいに、とてもシンプルである。私はこの映画を見終わった観客が、まるでただの友達と一緒にいたかのような気分を味わっていて欲しいと思う。もし彼らが、『一人の映画監督』に出会ったような印象を持って映画を見終わったとしたら、私はこの映画は失敗作であったと思う」
「ヤンヤン 夏の想い出」は、4月2日からBunkamura ル・シネマで特別上映。鑑賞料金は、1600円均一(税込み。特別興行のため、その他各種割引は適用外)。
フォトギャラリー
関連ニュース
「落下の王国 4Kデジタルリマスター」あらすじ・概要・評論まとめ ~旧作の新しさ、初めての感動と出会う幸運をぜひ掴んで欲しい~【おすすめの注目映画】
2025年11月20日 08:30
大阪アジアン映画祭の“いま”――20回目の節目から異例の“前倒し”開催へ、「大阪アジアンなら“観てみたい”」の期待に応え続けるということ【アジア映画コラム】
2025年8月31日 10:00
映画.com注目特集をチェック
ナイトフラワー
【衝撃の感動作】昼、母親。夜、ドラッグの売人――大切な人のためならどこまでも頑張れる。
提供:松竹
面白すぎてヤバい映画
【目が覚める超衝撃】世界中の観客が熱狂・発狂し、配給会社が争奪戦を繰り広げた“刺激作”
提供:松竹
この冬、絶対に観る映画はありますか?
【私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
すべての瞬間が魂に突き刺さり、打ち震えるほどの体験が待っている。
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
なんだこの天才的な映画は!?
【物語がめちゃくちゃ面白そう――】非常識なまでの“興奮と感動”を堪能あれ
提供:ディズニー