春江水暖

劇場公開日

春江水暖
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解説

2019年・第20回東京フィルメックス(19年11月23日~12月1日/有楽町朝日ホールほか)のコンペティション部門で審査員特別賞を受賞。

2019年製作/154分/中国
原題:春江水暖 Dwelling in the Fuchun Mountains
配給:ムヴィオラ

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
グー・シャオガン
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映画レビュー

3.0未完成の絵巻

Imperatorさん
2019年11月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭の料理店のシーンでは、モダンな中国のイメージとは対極にある、昔ながらの雰囲気が描かれる。始まってすぐに「おや?」と思った。
終映後の監督のQ&Aを聞くと、「伝統文化を現代において表現する」ことが、この映画のテーマであるという。

内容は、高齢の母、および、その4人の息子と家族の物語である。
反社会的行為に手を染めている「三男」を除いては、みな平凡な人物である。「三男」の息子はダウン症であるが、そのことは作品のテーマではない。
したがって、「三男」がらみ以外は、どこでもある話だ。
そんな“特に何も起きない”状態のまま、2時間半という長尺でストーリーが進む。

よって、描かれるのは、等身大のアクチュアルな中国の姿でしかありえない。
古い建物が取り壊され、母は認知症になり、子供の結婚でギクシャクする。
俳優には、監督の親戚や知人が起用され、ゆったりとした雰囲気を醸し出す。
舞台は、杭州の富春江という大河沿いの、とある街である。
河から河岸を眺めるシーンでは、船上から撮影したのか、横移動の長回しが延々と続く。だが、映像に“揺れ”はなく、ストーリー同様、淡々と流れていく。

では、本作品は面白いのか?

先日観た「帰れない二人」(ジャ・ジャンクー監督)でもそうだったが、面白くはないが、一つ一つのシーンが妙に心に残る映画というのが、自分の印象だ。
瑞々しい夏、雪に覆われたしっとりした冬。大河に抱かれるような街の情景。(どこか分からないが)庭園も映される。しかし、映像美というほどではない。
人物は、長尺を生かして繊細に描かれており、各人の個性が浮かび上がる。“一番ヤクザな「三男」が、一番思いやりがある”という、長男の娘の台詞にはハッとさせられる。

ただ、“現段階”では、自分にはそれだけの映画だった。

先日、「ふたりの桃源郷」という映画を観た。
この作品は、25年という撮影期間を要して、山口県の自然の中での老夫婦の老いと死、さらに、その娘夫婦の老いまで収めており、「故郷」とか“時の流れ”がテーマであった。

この「春江水暖」も、監督の意識では「第一巻 終わり」だそうで(笑)、第二巻や第三巻の制作に意欲を燃やしている。
終映後のQ&Aでは盛んに「絵巻」という言葉があったと記憶するが、まだ“未完成の絵巻”なのだ。
長い期間をかけて映し取っていくことで、個々の作品の枠を超えた、“何か”が生まれるだろう。
続編が作られ、“時空”の絵巻が完成した時に初めて、この「第一巻」の評価もできるのではないだろうか?

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Imperator
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