春江水暖 しゅんこうすいだん

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春江水暖 しゅんこうすいだん

解説

大河・富春江が流れる街・富陽の美しい自然を背景に、変わりゆく中国社会の中で懸命に生きる大家族の四季を描いた人間ドラマ。中国のグー・シャオガン監督の長編デビュー作で、2019年・第72回カンヌ国際映画祭批評家週間のクロージング作品に選ばれた。再開発のただ中にある杭州市の富陽地区。顧家の家長である年老いた母の誕生日を祝うため、4人の息子や親戚たちが集まる。しかし祝宴の最中に母が脳卒中で倒れ、命は取り留めたものの認知症が進み、介護が必要になってしまう。飲食店を営む長男、漁師の次男、ダウン症の息子を男手ひとつで育てる三男、気ままな独身生活を楽しむ四男ら、息子たちは思いがけず、それぞれの人生に直面することになる。日本でも2019年・第20回東京フィルメックスのコンペティション部門で審査員特別賞を受賞。

2019年製作/150分/G/中国
原題:春江水暖 Dwelling in the Fuchun Mountains
配給:ムヴィオラ
劇場公開日:2021年2月11日

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映画レビュー

4.0この長回しの映像美には圧倒される

2021年1月31日
PCから投稿

江南の都市、富陽に富春江という大河が流れている。大規模な再開発によって日々姿かたちを変えるこの地で、四季折々の自然の息吹を胸いっぱいに吸い込みながら生きる一族の物語。2時間半という長尺ながら、本編が始まればその長さにも納得がいく。何しろ本作はワンシーン、ワンシーンが超長回しで撮られ、そのいずれにも驚異的な映像美とカメラワークが内包されているのだ。とりわけ大河や山々が映り込むショットは圧巻のひとこと。古より景勝地として愛されてきた土地だけに、10分を超えても途切れることのない映像に身を委ねながら、いつしか自分が山水画の繊細な筆遣いを地道に目でたどっているかのような思いすら込み上げてくる。この悠久の時間の中で、時に人間はとてもちっぽけな存在にも見える。だがそれでもなお、様々な困難と直面しながら歯を食いしばって生きる姿がとても切なく、愛おしい。まだ30代序盤というシャオガン監督の今後が楽しみだ。

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牛津厚信

4.0☆☆☆☆ 何の予備知識も無しで、ただ評判の良さ➕どうやら長回しのカ...

2024年3月9日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆☆

何の予備知識も無しで、ただ評判の良さ➕どうやら長回しのカメラが凄い!…って事だけは伝わって来た。

ある程度はドキュメントタッチなのかな?と思っていたら、思いっきり劇映画でしたなあ〜。
しかしこれ、中国国内の中でも有名な俳優さんが演じているのだろうか?
観ていても、そんな感じがしないくらいに、皆んなが自然な家族そのものに見えました。

注目していた長回しだったけれども、思いのほか全編を通して、短いショットの切り返しが多かった気がします。
勿論、超絶な長回しも有って。特に前半での、河岸を延々と流れて行くショットは確かに凄かった!

後半にも河岸を流れて行くショットが有り。この時の移り行く時代の流れで生まれた、新しい高層ビル群と。対比して朽ち果てて行く、これまでのアパート群が一緒に映る場面は、忘れ難いショットの1つです。

映画は、この移り行く中国社会の中で。必死に対応して行こうとする。ある1つの家族の、生活の変化を中心に、描かれていました。

・長男としての自覚から、家族想いの家庭には年頃の嫁が。

・一見すると、1番生活が困窮していそうな次男夫婦は、実に堅実な生活を営み。お金が必要…と感じた、その時には。特にケチる事も無く使うしっかり夫婦。

・障害を持つ子供を抱える三男は、常に人生一発逆転を狙うギャンブル男。

・そして四男は、何時もこの家族の中では、流れに身を任せるだけの静かな男、、、なのだが。

そんな四兄弟を産んだ母親が…と言ったところから映画は始まり。そしてその母親が、自身が抱える病から〜と同時に。長男夫婦の娘に、結婚相手が生まれるドラマを縦軸とすると。四兄弟それぞれが抱える悩みであり。問題が浮き彫りになる横軸が絡み合いながら、あっという間にエンディングへとなだれ込んで行きました。

「今は昔とはもう違う」

何かと新しい世の中に対して言いたくなるのは、古い世代の愚痴であり。凝り固まってしまっている意識の考え方。
それを若い男女は、ただ黙って聞いて受け取るしかなかった。

そんな、旧態依然な家族の姿を見守っていた母親が、静かな怒りを見せた時。スクリーンを見つめていたこちらの胸には、崇高なる感動が湧き上がって来ました。

〝 新しい社会に溶け込んで、変わっていかなければならない 〟

その意識の変わり方を促したのは、母親であり悠久なる大河の流れだったのです。

映画の最後は、言ってみれば《輪廻転生》とゆう考え方の1つと言って良いのかも知れません。
人間はいつの日にか朽ち果てては死んで行く。
そしてまた新しい家族が生まれ、家族には新しい歴史が刻まれて行く。

…その刹那、、、こ、こ、これは?

最後の最後に、我々はひょっとしたならば。今観たのは。(あの『ゴッドファーザー』三部作に匹敵するくらいの)とんでもない大河ドラマの、ほんの序章に過ぎなかったのかも?…とゆうのを知るのだった。

2021年3月7日 キネマ旬報シアター/スクリーン1

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松井の天井直撃ホームラン

3.5良い雰囲気

2023年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映像が全て山水画の様に美しい。ストーリーは普通の家族に起こる人生の色々で特にドラマチックな事はありませんが、何だかずっと観ていられる感覚。台湾ニューシネマの様な雰囲気の良い作品が好きな人にはオススメです。

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tomoboop

5.0自然が織りなす調和と人が作り出す不調和

2023年2月6日
iPhoneアプリから投稿
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redir
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