「東ベルリンから来た女」監督のベルリン受賞作「水を抱く女」予告
2021年2月2日 12:00
第70回ベルリン国際映画祭で女優賞と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞した、ドイツの名匠クリスティアン・ペッツォルト監督作「水を抱く女」の予告編とメインビジュアルがお披露目された。水の精の神話を現代に置き換えた、幻想的な物語を創出し、「ヒッチコックの『めまい』を彷ふつとさせる」(米IndieWire)」と評された。
ペッツォルト監督が、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水にかえらなければならない」という宿命を背負った美しき水の精ウンディーネ(オンディーヌ)の物語をもとに紡いだ、ミステリアスな愛の叙事詩。ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネは、博物館でガイドとして働いている。恋人ヨハネスが別の女性に心移りし、悲嘆にくれていたウンディーネの前に、愛情深い潜水作業員クリストフが現れる。ふたりは数奇な運命に導かれるように、激しく惹かれ合う。ウンディーネは新しい無垢な愛を大切に育むが、再び自分の宿命と直面することになる。
予告編には、ヨハネスに別れを告げられたウンディーネが「愛してると言って。あなたを殺したくない」と呟くシーンで始まる。そんな彼女はある日、クリストフと衝撃的な出会いを果たす。どこかから「ウンディーネ」という謎の声が聞こえたかと思うと、水槽が割れ、水のなかに倒れながらも見つめ合うふたり。しかし、ウンディーネはやがて、クリストフの前から姿を消してしまう。ふたりの愛が、バッハの旋律と水のようにたゆたう映像美とともに、切なく映し出されている。メインビジュアルには、ウンディーネが投げかける謎めいた眼差しを活写。「愛が終わるとき、哀しき殺意のとき」というコピーが配されている。
パウラ・ベーア(「婚約者の友人」「ある画家の数奇な運命」)が、神秘的なヒロイン・ウンディーネを妖艶に演じ、ベルリン国際映画祭と第33回ヨーロッパ映画賞で女優賞を獲得。フランツ・ロゴフスキ(「希望の灯り」)が、クリストフ役を担った。ふたりは、ペッツォルト監督の前作「未来を乗り換えた男」に続く再タッグとなる。
ウンディーネの魅惑的な神話は、古くから多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきた。アンデルセンは童話「人魚姫」を書き上げ、チャイコフスキーはオペラ、ドビュッシーは楽曲を創作。ゲーテが“ドイツの真珠”と絶賛したロマン派のフリードリヒ・フーケが発表した傑作小説「ウンディーネ」は現代でも読み継がれ、三島由紀夫の「仮面の告白」にも登場している。また、ジャン・ジロドゥの戯曲「オンディーヌ」から手塚治虫の「七色いんこ」(第20話「オンディーヌ」)、劇団四季「オンディーヌ」が生まれた。ペッツォルト監督は本作で、時代を超えて天才たちを魅了し続けてきた物語を選んだ理由を語る。
ペッツォルト監督「『東ベルリンから来た女』『あの日のように抱きしめて』『未来を乗り換えた男』と同様に、本作は愛についての物語です。しかし、それら過去作は不可能な愛、傷ついた愛、あるいは発展を予想させる愛について語っています。今回は愛がどのように発展していき、心にどのように残っていくのかを描きたかったのです」
「水を抱く女」は、3月26日から新宿武蔵野館、アップリンク吉祥寺ほか全国で順次公開。
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