伊藤健太郎「源氏物語」の世界へトリップ! 三吉彩花共演、黒木瞳監督作「十二単衣を着た悪魔」11月公開
2020年6月30日 12:00
[映画.com ニュース] 伊藤健太郎と三吉彩花が共演し、黒木瞳がメガホンをとった映画「十二単衣を着た悪魔」が、11月6日から公開される。小説家で脚本家の内館牧子氏の著作「十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞」を映画化した、現代に生きる青年が「源氏物語」の世界に迷いこむ異世界トリップエンタテインメント。伊藤沙莉、ラサール石井、戸田菜穂、伊勢谷友介、山村紅葉、笹野高史ら豪華キャスト陣が顔をそろえた。
伊藤が23歳の誕生日を迎える、本日6月30日に発表された本作。就職試験59連敗中で実家暮らしのフリーター・雷(伊藤)は、京都大学に合格した弟に劣等感を抱いていた。ある日、アルバイトで「源氏物語」の世界を模したイベントの設営を終えて帰宅する途中、激しい雷雨に見舞われ気を失ってしまう。目が覚めると、そこは1000年以上も昔に紫式部によって書かれた「源氏物語」の世界だった――。雷はバイトで配られ偶然にも持ち合わせていた「源氏物語」のあらすじ本のおかげで、桐壺帝の最初の妃・弘徽殿女御(三吉)に陰陽師として見出される。息子を帝にしようと野心に燃え、光源氏と争う彼女に、雷は翻ろうされながらも次第に触発されていく。
「今日から俺は!!劇場版」「弱虫ペダル」などが待機する伊藤は、時代劇映画に初挑戦。「人が成長する部分にフォーカスした話が個人的に好きで、変わっていく様を演じるのもすごく好き。だから今回このお話をいただいたときはとても嬉しかったですし、監督も黒木瞳さんということでどんな面白い作品になるのだろうとワクワクしながら、自分なりに成長感をどう出そうかと考えながら撮影に臨みました」と振り返った。
嫌われ役や野心家のイメージが強い弘徽殿女御を、「冷静な分析力とブレない信念を持つ芯の強い女性」という新たな魅力で体現するのは、「Daughters(ドーターズ)」が控える三吉。出演決定の際は喜びと緊張感があったといい、「黒木監督にぶつかっていきたい気持ちが強かった」と語る。「この作品はインプットとアウトプットを物凄いスピード感で行い、今まで自分自身でも知らなかったスイッチを押していただきました。何より監督を信じて毎日撮影現場に行けたことが嬉しかったです。女性が強く自分の信念を持って生きる、優しさの中にもたくましさがある作品だと思います」と印象を明かした。
さらに、ドラマ「いいね! 光源氏くん」の伊藤は雷と「源氏物語」の世界で出会い妻となる倫子、石井が弘徽殿女御の父・右大臣、伊勢谷が桐壺帝を演じるほか、山村と笹野が弘徽殿女御に仕える家臣役で共演。田中偉登が弘徽殿女御の息子、沖門和玖が光源氏に扮する。そして現代パートでは、雷の母・明子役の戸田、雷の弟・水役の細田佳央太が顔をそろえた。
「嫌な女」で映画監督デビューを果たした黒木監督は、原作に魅了され映画化を熱望。弘徽殿女御の魅力を「実に潔いトップレディの生き様、時代を冷静に見つめることのできる才能、ジタバタしない生き方は品性のある女性であり、そして母親として息子への無償の愛が見え隠れするところに、女としての哀愁が漂います」と紐解く。そんな難役に挑んだ三吉を、「十二単衣が似合う女優はこの方の右に出る人はいないでしょう。そして、この美しい彼女からは想像できないような、センセーショナルなセリフの数々。“悪魔”とは、人の英知を超え凡人には太刀打ちできない心の強さを持った人なのだと、彼女の演技を見ていて感じたものです」と絶賛した。
「十二単衣を着た悪魔」は、多和田久美(「ちょっと今から仕事やめてくる」)が脚本を手掛けた。11月6日から東京・新宿ピカデリーほか全国公開。
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