岩井俊二監督、25年後の「Love Letter」上映に感慨「すべてのシーン忘れがたい」
2020年1月8日 12:00
[映画.com ニュース] 岩井俊二監督の最新作「ラストレター」の公開を記念し、1995年の長編デビュー作「Love Letter」が1月7日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映された。上映後には日本映画専門チャンネル「日曜邦画劇場」の公開収録で、岩井監督とフジテレビの軽部真一アナウンサーの対談が行われた。
「(公開から)25年後に大きなスクリーンで上映していただける状況は、映画監督みょう利に尽きますね」と感激に浸った岩井監督。自ら絵コンテを描くことでも知られるが、「Love Letter」に関しては「すべてカラーで描いていたので、撮影直前までかかった。普通は1カ月くらい前に入って準備をするのに、2週間くらい前まで描いていたかな」と苦笑交じりに振り返った。
中山美穂が1人2役で主演、豊川悦司らが共演のラブストーリー。亡くなった恋人がかつて暮らしていた住所に手紙を送ったところ、その恋人の名前で返事が届いたことから始まる文通によって恋人の中学生時代がつまびらかにされていく。
「どのシーンも忘れがたい」とした上で、印象的だったと明かしたのが、酒井美紀が氷の上をすべるシーン。「最終日で、前日まで雪がなくて何も撮れずに帰る予定だったが、夜のうちに雪が降って撮影用の除雪車にアイスバーンを作ってもらった。とんでもなく奇跡的に撮れた」と語った。
「ラストレター」も手紙、時代の行き来など共通する部分が多く、「Love Letter」への返歌ともいえる作品。「似ているところをあえて似せて、違いをどこで出していくかという興味があった。今、手紙の話をやって成立するのか、自分の中で半ば可能性はないと思っていたが、プロットを思いついてこれならやれるなとなった」と説明した。
中山と豊川も出演しており、「25年たって声をかけてもらえたのがすごくうれしい。しかも豊川さんと一緒に生活している、少しだけれど重要な役なので感慨深かった」「好みが合っているので、いつかまた一緒に仕事をするだろうなと思っていた」とそれぞれビデオでメッセージを寄せた。岩井監督も「このふたりで、と思った時にニヤリとしたというか、撮影が自分の中でも楽しみになった」と話していた。
「Love Letter」をはじめ「四月物語」「undo」など岩井監督の6作品が、1月26日午後1時半から日本映画専門チャンネルで一挙放送。「ラストレター」は、1月17日から全国で公開される。
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