前田敦子が説く黒沢清監督の演出法「走り方や表情も細かく指定」
2019年10月30日 15:30

[映画.com ニュース] 「CURE」「岸辺の旅」など国内外で高い評価を得る黒沢清監督の「旅のおわり世界のはじまり」が10月30日、第32回東京国際映画祭のJapan Now部門で上映された。主演を務めた前田敦子が、会場のTOHOシネマズ六本木ヒルズでのQ&Aに登場した。
本作は日本とウズベキスタンの国交樹立25周年と、日本人が建設に関わったナボイ劇場完成70周年を記念して両国共同で製作された。前田演じる日本のバラエティ番組のレポーター・葉子が、取材のために訪れたウズベキスタンで番組クルーとともにシルクロードを旅する中で成長していく姿を描いている。
前田は、本作と「町田くんの世界」での演技が評価され、第43回山路ふみ子映画賞の女優賞を受賞。黒沢監督から「この作品は前田がいなければできなかった」といわれたことについて、前田は「いつもそう言ってくれるが、なんでなんだろう」とおどけて見せた。

撮影は、ウズベキスタンでのオールロケを敢行。主人公の葉子は仕事にも人生にも迷い悩んでおり、それを表すかのように劇中でも街をさまようシーンが多く登場する。一見、ドキュメンタリー調に撮影されているように見えるが、「実際はどの場所をどうさまようか、しっかり決められていた。走り方や表情なども細かく指定されていた」と撮影の裏側についても語った。
また撮影中を振り返り、「基本的に演技について何も言われなかった。ただ葉子のプライベートな時間を演じるときは、愛想を振りまかないで、相手と壁を作ってほしいと黒沢監督から言われた」という。だが、現地のスタッフやエキストラは良い人ばかりだったそうで、「演技とはいえども冷たく接しなければいけないのが申し訳なかった」と撮影での意外な苦労も明かした。
Q&Aでは、ウズベキスタンの料理の思い出を聞かれた。「現地の食べ物で苦手なものは何もなかった。ただロシアが近いのでロシア料理の方が盛んで、ウズベキスタン料理はあまり食べられなかった。特に劇中にも登場するプロフというお米を肉、野菜、スパイスと一緒にブイヨンで煮た料理はおいしかった」とお気に入りのメニューを紹介。さらに、本作で前田の素の部分が出ていると感じたという感想が出ると、「そう見えたシーンは、実は細かく演技の内容が決まっていた。ただリポートのシーンは劇中と同じようにカンペを用意されてすぐに演じたので、そこは私が実際にリポートするとそうなるのかなと思う」とニヤリと笑った。
第32回東京国際映画祭は、11月5日まで開催。
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