東京国際映画祭審査委員長のチャン・ツィイー、映画が「良い胎児教育に」
2019年10月28日 20:50

[映画.com ニュース]第32回東京国際映画祭のオープニングセレモニーが10月28日、東京・六本木のグランドハイアット東京で行われ、コンペティション部門の審査委員長を務めるチャン・ツィイーをはじめ、オープニング作品「男はつらいよ お帰り 寅さん」の山田洋次監督と倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、夏木マリ、浅丘ルリ子、そしてフェスティバル・ミューズの広瀬アリスらが出席した。
セレモニーは、三味線ユニット「山本ゆきの with ねのいろ」のパフォーマンスで華やかに幕を開けた。第31回の本映画祭で出演作「銃」「旅猫リポート」が上映され、第32回は映画祭の顔として活躍する広瀬は、今年から部門化された「ジャパニーズ・アニメーション」に触れ、「アニメ部門にとても注目しています。(上映作品の中では)『AKIRA』が好き、こういうテイストのものがもともと大好きです」とアニメ愛を炸裂させる。さらに「世界各国からたくさんの映画が上映されて、すごく素敵な時間になると思っています。私はフェスティバル・ミューズとして、今日から最終日まで映画祭を盛り上げて行きたいと思っていますので、是非楽しんでいってください」と意気込みを語った。

続いて山田監督が、第1作の公開から今年で50年を迎える国民的映画シリーズ「男はつらいよ」最新作の豪華キャスト陣とともに登場すると、会場は熱気に包まれた。山田監督は、「こんなに華やかなフェスティバルになるとは思っていなくて、びっくりしました。(レッドカーペットを歩いて)かなり疲れました」と笑いを誘う。倍賞は「どこかでお兄ちゃん(寅さんを演じた渥美清さん)が見てるのかな……。50年かかって、長い長い『男はつらいよ』という映画を撮り終えて、よくここまで私も生きてこられたなと嬉しく思っています」と亡き渥美さんに思いを馳せながら、シリーズの歩みを振り返っていた。

中国を代表する国際派女優チャン・ツィイーは、「氷の季節」が昨年の審査員特別賞に輝いたマイケル・ノアー監督、廣木隆一監督ら審査員とともにステージへ。中国語と英語を交え、審査委員長として、「この場に立てること、大変光栄に思います。長年に渡りまして、この世界的にも有名な映画祭は、映画を愛する方たちに新作をたくさん配信してきました。映画祭事務局に信頼を頂けたことを、感謝しています」と挨拶。さらに、「私たち審査員一同、(コンペティション部門の)14本の映画を見るわけですが、私のおなかの中には(妊娠)30週の赤ちゃんがいますので、非常に良い胎児教育になるのではないかと思っております」とにこやかに締めくくった。
そのほか、萩生田光一文部科学大臣、竹本直一クールジャパン戦略担当大臣、審査員を務めるビル・ガーバー、ジュリー・ガイエも登壇した。第32回東京国際映画祭は、11月5日まで六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷などで開催。
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