AKIRA

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

漫画家の大友克洋が1982年から「ヤングマガジン」で連載した同名コミックを、大友自らが監督を務めて1988年にアニメーション映画化。近未来の東京を舞台に超能力者と暴走族の少年たちや軍隊が繰り広げる戦いを描き、製作期間3年、総製作費10億円という当時としては破格の歳月や労力をつぎ込んで生み出された濃密でハイクオリティなアニメーションが国内外に多くの影響を与えた伝説的な一作。1988年7月、関東に新型爆弾が落とされて第3次世界大戦が勃発。それから31年が過ぎた2019年、東京湾上に築かれた新たな都市=ネオ東京は翌年にオリンピック開催を控え、繁栄を取り戻しつつあった。ある夜、職合訓練校に通う不良少年の金田と仲間の鉄雄らは、閉鎖された高速道路でバイクを走らせていたが、そこで26号と呼ばれる奇妙な男と遭遇する。その男は、軍と対立するゲリラによって、「アキラ」という軍事機密と間違えてラボから連れ出され、軍に追われていた。そこへ現れた軍によって、26号と接触して負傷した鉄雄が連れ去られてしまい……。製作から30年以上を経た2020年、4Kリマスターと音楽監督の山城祥二指揮のもとで行われた5.1ch音源のリミックスを施した「AKIRA 4Kリマスターセット」が20年4月23日にブルーレイ発売。それを受けて同年4月3日から全国のIMAXシアターで劇場公開。同年6月5日から通常の劇場でも4Kリマスター版が公開、12月4日からドルビーシネマで公開。

1988年製作/124分/PG12/日本
配給:東宝
劇場公開日:2020年4月3日

その他の公開日:1988年7月16日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1988マッシュルーム/アキラ製作委員

映画レビュー

5.0日本アニメを変えた1本

2020年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

80年代、バブル絶頂時に制作費10億円を投入して作られた本作は、今見ても色褪せない。リアルを追求した2コマ打ち作画に、プレスコでリップシンクされた表情芝居、カメラを意識したレイアウト、当時としては画期的だったCGの導入、細部までこだわり抜いた背景美術など、技術的な見どころだらけの作品だ。大友克洋の絵をそのまま動かすことを目標に作られた本作は、日本アニメの歴史におけるエポックメイキングな作品であることは間違いない。もともと、リアル志向の大友のデッサンを動かすだけでも大変な作業だったろう。
本作が作られたのは日本がバブル経済絶頂期の80年代だが、あの時代でなければこのプロジェクトは成立しなかっただろう。世紀末を迎える当時の終末論的な空気感を感じさせる内容が、2020年代の今の日本とどこかリンクしてしまうのが恐ろしい。日本社会が退廃的な方向に行くことが決定的になってきた今、この映画の空気感は公開当時よりも一層リアルに感じられるかもしれない。

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杉本穂高

4.5マスターピース

2023年11月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

知的

20年ほど前から過去複数回観ています。
残念ながら劇場での視聴が一度もないので、人生で一度は映画館で観たいと思っています。

近未来の日本が舞台で、混沌を極めています。
珍走団の少年が主人公で、序盤は他人に迷惑をかける自己中なクソガキにイライラさせられっぱなしでした。

でも、考えてみれば世が世なので、未成年者が自暴自棄になるのは当然だよな、と今では思います。

珍走団同士の抗争では暴力的な描写があり、『もののけ姫』のCMを初めて見た時と同様の衝撃がありました。
同時に場面としては一瞬ですが、女の子に乱暴をする描写があり、初めて見た時気分が悪くなりました。

序盤から中盤に掛け、それらの人と人の争いがいかにちっぽけなものだと言うことに気付かされ、主人公金田の友人である鉄雄に異変が起こり始めた頃には、この惑星の存続に関わる大きな危機に気が付きます。

タイトル『AKIRA』は、鍵を握る人物の名前ですが、当の本人が登場するのは2時間のうち1分もありません。にも関わらず、その存在感、インパクトは他の追随を許しません。

クライマックスからエンドロールまでの魅せ方も完璧です。ゾクゾクするテーマ曲を始めとする音楽は言わずもがな。文句のつけどころは尺の長さくらいなものです。

ネトフリだと(日本語のみですが)字幕付きで観られます。大音量、大画面で是非お楽しみください!

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蜷川吝塀

2.5道標

2023年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

今の時代の人間が観ても、正当な評価は下せない…
というのはそうなのかもしれないが、
とはいえ今の時代の人間が今の時代の教材とすることはできる。

エンタメ界に未だにはびこっている、
「一番すごいなら、一番面白いはずだ」と主張する困った自信家たち。
アマチュアならともかくプロの企画職にもかなりいてしまう。
こういった適性の乏しい者を入り口で排除する、またはチュートリアルで矯正する構造を構築できなかったことが、エンタメ界のボトルネックとなっていることは間違いない。日本だけに限った話ではなく、全世界的に存在しているクリエイティブ界・プロデュース界の「お悩み」だが。
で、そういう「一番すごいなら、一番面白いはずだ」という教徒にとりあえず見せたい作品として、現代でも非常に意義があると思う。
本作はすごい。
その作画のすごさは、世界を獲る気概にあふれている。
だが、本作が「面白い」という評判は、リアタイ勢に尋ねても不自然なほどに口から出てこない。

致命的なのは二つの点に絞れるだろう。
一つは目、脚本と紐付くキャラクター性。全員が、一過性でしかなかった無軌道な昭和の若者バリバリであり、時代のふるいを超えられる人間性が描けていない。そういったイキりをかっこいいものとして描いており、現代人からすると辛い。現代で言うなら、煽り運転を「エネルギッシュで怖い物知らずでかっこいい」という具合でキャラクターたちに当てはめている。
同時代の作品で考えても、「昭和の人間」ではなく「人間」を描いて時代のふるいに残り続けている作品は(もっと低予算でも)多く存在しており、それらに対して脚本のセンスで大きく負けてしまっている。
二つ目は、「すごい作画」にしても力点のミスである。背景やアクションは滅茶苦茶すごいのだが、人物のビジュアルは全然力をいれていないレベルであり、かっこよくない・かわいくない。とくに、女性キャラクターたちが男性キャラクターたちとほぼ変わらないビジュアルというのは、いくらなんでも力の入れ方にミス(修正できない妙なこだわり)がありすぎる。

結果、技術力の誇示が続くスーパームービーだが、それが押し出されすぎており、「どうだ、すごいだろう!すごい映像が見れて楽しいだろう!」であり、観客を「楽しませようとする」ことに付いては低次元というのが伝わってきてしまうパッケージングに留まる。

全体としてすごいのは疑いようがない。
しかし、すごいからといって面白いとは限らない、というのをここまで明確に示してくれる作品も、またとない。

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映画読み

5.0とてつもない熱量を持ったアニメ

2023年11月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

音楽、作画、セリフ、世界観、ストーリー、全てに圧倒され、結果十数回観る羽目に…(笑)
漫画も読みましたが、私はアニメの方が良かったです。ミヤコ様が〜カオリが〜という意見も凄くわかりますが、それでもアニメ版が好きです。
ネオ東京を舞台に「アキラ」を巡る壮大なストーリー。このネオ東京のディストピアっぷりがたまらない!超高層ビル、眩いネオン、暴動、暴走族、少年達がたむろする怪しい飲み屋、退廃的な雰囲気を満載した世界観が素晴らしい。
各キャラクターのセリフがいちいち格好良い!全てのセリフが名言だと言っても良い位、声優の熱が伝わってきます。特に有名な「金田ぁー!」「さんをつけろよ!デコ助野郎!」は何度観てもシビレます。作画や声優の熱演により、キャラクター達が凄く活き活きしています。
ストーリーに関しては初見ではよくわからないかも知れません。とりあえず細かい事は気にせず、この世界観にどっぷりと浸りましょう。ラストの圧倒的カタストロフィは筆舌に尽くしがたく、このアニメが永遠に語り継がれるものであることを証明しています。

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どすこいたろう
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