ルッソ兄弟、「スパイダーマン」のMCU離脱はソニーの「悲劇的な間違い」
2019年9月20日 12:00
[映画.com ニュース] 「アベンジャーズ エンドゲーム」でメガホンをとったアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が、「スパイダーマン」のMCU離脱は米ソニー・ピクチャーズにとって大きな過ちであるとの見解を示した。
「スパイダーマン」の映像化権を握るソニーと、マーベル・スタジオを傘下に持つウォルト・ディズニーは契約更改交渉で対立。その結果、今後の「スパイダーマン」シリーズにマーベルのケビン・ファイギ社長は関与せず、さらにMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)にスパイダーマンが登場できなくなった。
アメコミ映画がブームになる前に「スパイダーマン」の映像化権を獲得したソニーは、トビー・マグワイア版「スパイダーマン」3部作を製作。その後、主演をアンドリュー・ガーフィールドに変更して2本製作したものの、「アメイジング・スパイダーマン2」が興行・批評ともに失敗。そのため、トム・ホランドが主演を務める「スパイダーマン ホームカミング」と「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」は、マーベルのファイギ社長がプロデューサーとして参加したという経緯がある。同時に、スパイダーマンのMCU作品への参加が可能となり、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ エンドゲーム」の3作品に登場。だが今回の交渉決裂により、今後のMCU作品からスパイダーマンは離脱。また、「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」以降の「スパイダーマン」は、ソニーが単独で製作することになった。
今回の離脱問題について、プロデュース作「Mosul」を抱えてトロント国際映画祭入りしたルッソ兄弟を、トロント・サン紙が直撃。「『シビル・ウォー』にスパイダーマンを導入するのは、とてつもなく大変だった」とアンソニーは振り返る。「とても長く、難しいプロセスだった。だがどういうわけか、ケビン・ファイギ社長が実現させたんだ。ディズニーとソニーの素晴らしい人たちが妥協点を見いだし、数作品にわたって一緒に仕事をすることができた。僕らはとてもいい経験をさせてもらったし、観客はこの『結婚』を心から楽しんでくれたと思う。だが、この結婚に導くのがいかに大変だったかを知っていたので、結婚が崩壊したと聞いても僕らにとっては驚きではないよ」。
兄のジョーも口を揃える。「(ソニーとは)ずっともろくて壊れやすい関係にあったからね。でも一歩下がって、可能な限り客観的に言わせてもらいたい。ケビン(・ファイギ社長)が持つ良質な物語を見分ける嗅覚と長年にわたって築き上げた成功を、ソニーが再現できると思っているならば、悲劇的な間違いを犯していると言わざるを得ない。大きな過ちだよ」
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