大泉洋&小池栄子が“嘘夫婦”に! 太宰治の“未完の遺作”を喜劇にした「グッドバイ」公開決定
2019年9月8日 06:00
[映画.com ニュース]昭和の文豪・太宰治の未完の遺作を、鬼才ケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で完成させた戯曲「グッドバイ」の映画化が決定した。タイトルは「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」となり、ダブル主演に大泉洋と小池栄子、共演に水川あさみ、橋本愛、緒川たまき、木村多江、濱田岳、松重豊といった豪華キャストが結集。「八日目の蝉」「ソロモンの偽証」の成島出監督がメガホンをとる。
第23回読売演劇大賞最優秀作品賞に輝いた「グッドバイ」は、戦後の混乱から復興へ向かう昭和の日本が舞台。文芸雑誌編集長・田島周二は、気がつけば何人もの愛人を抱えていた。愛人たちと別れる決心をしたものの、優柔不断ゆえ、彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困り果てた田島は、金にがめつい担ぎ屋・永井キヌ子に「女房を演じてくれ」と頼み込む。男は、女と別れるため、女は、金のため――こうして、“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まった。成島監督は「『ラブコメがやりたかったのだ』というケラさんの言葉が真っすぐに響きました。大人が楽しめる洒脱なコメディを見たい。その欲望に忠実に映画を作りました」と本作への思いを述べている。
“ダメ男”田島を演じることになった大泉は「脚本が面白くて読んでいる途中でマネージャーに『面白い! ドキドキする! こういう作品に出たかった!」とメールしたのを覚えています」と述懐。「今回、(撮影に入る前に)成島さんがご病気もなさったということもあり、撮影時に、“笑う”ということがいかに大事かと改めて感じたと話して下さいまして、そのため“笑い”というものをとても重視した映画になっていると思います。コメディもお上手なんだな、と改めて思いました。とにかく成島さんの演出が面白く、いつも笑っていました」と語っている。
キヌ子役の小池は、舞台版で同役を演じ、読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞している。「成島さんが私が出演した舞台『グッドバイ』をとても気に入ってくれていたのですが、゛本当に映画化してくれるんだと驚き、そんな監督の熱意が嬉しく、ホントに頭が下がる思いでした」と胸中を吐露。5度目の参加となった成島組は「とても穏やかで明るい現場でした。本読み・リハーサルといつものように丁寧に作ってくださり、初日からスムーズで、とにかく信頼している監督ですので、いつも通り行くぞ! という気持ちでした」と充実の日々を過ごしたようだ。
“嘘夫婦”が別れを告げに行く愛人役は、クールな女医・大櫛加代を水川、挿絵画家の水原ケイ子を橋本、儚げな花屋の青木保子を緒川が生き生きと演じている。「ケラさんの書いた『グッドバイ』の脚本を元に作ったという事で、人物像のユニークな部分がより浮き立っていて思わず吹き出してしまうようなやりとりとフィクションで描かれている部分のバランスが何とも心地よく、心奪われました」(水川)、「戦後の混沌とした時代が背景にありながらも、愉快で軽妙な物語に惹かれました。読み進めていくうちに希望に溢れたテーマを発見し、心が震えたのを覚えています」(橋本)、「『グッドバイ』は、保子も含めて登場人物全員が溢れんばかりのエネルギーを内に秘めて織りなすラブ・コメディ、そして、逞しくもまぶしい人間賛歌に満ちあふれた映画だと思います」(緒川)とそれぞれが語っている。
田島と離れて暮らす妻・静江役を木村、編集部員・清川伸彦役を濱田、“嘘夫婦”の計画を提案する作家・漆山連行役として松重が登場するほか、皆川猿時、田中要次、池谷のぶえ、犬山イヌコ、水澤紳吾、戸田恵子も出演。あわせて、“洒脱なコメディ”を期待させるティザービジュアルと特報映像も披露された。
「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」は、2020年2月14日から東京・新宿ピカデリーほか全国順次公開。
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