オダギリジョー初監督作、ベネチア映画祭ベニス・デイズ部門に出品決定 長編日本映画で史上初
2019年7月23日 18:00
[映画.com ニュース]8月28日(現地時間)に開幕する第76回ベネチア国際映画祭のベニス・デイズ部門が発表され、オダギリジョーの長編初監督作「ある船頭の話」が正式出品作品として上映されることがわかった。オダギリのオリジナル脚本で、近代化以前と思しき山村の川で渡し舟を漕ぐ船頭を通し、“人間の根源”を描く作品。柄本明が主人公の船頭トイチ役を演じる。なお、今年の同映画祭では、是枝裕和監督の最新作「真実」が、コンペティション部門に正式出品され、オープニング作品に選ばれている。
ベネチア国際映画祭はカンヌ、ベルリンと並ぶ世界三大映画祭のひとつで、世界最古の歴史を持つ映画祭。なかでも、ベニス・デイズ部門は革新性や探求心、オリジナリティ、インディペンデント精神などに優れたハイクオリティな作品を紹介することを目的とした部門で、長編日本映画としてはオダギリ監督作が史上初の選出となる。
これまでオダギリは大友克洋監督「蟲師」(06)、青山真治監督「サッド ヴァケイション」(07)で俳優としてベネチア国際映画祭に参加しているが、今回は監督として邦画史上初となるベニス・デイズ部門選出という快挙。オダギリ監督は上映に合わせて現地入りをする予定。受賞結果は、映画祭最終日の9月7日に発表される。
ベネチア出品の知らせを受けたオダギリは「歴史ある映画祭に選んで貰えるなんて、本当に光栄です。何より嬉しいのが、作家性を重視する部門である事。しかもイタリアの監督協会から選んで貰えた事。もうイタリアに移住しちゃおうかな、ぐらいな感じです。この作品を信じて力を尽くして頂いた全てのスタッフ、キャストの方々に心から感謝申し上げます」と喜びのコメントを寄せている。
主人公のトイチを演じる柄本にとって、2008年公開の「石内尋常高等小学校 花は散れども」(新藤兼人監督)以来、11年ぶりの主演作。トイチの前に現れる謎めいた少女役として川島鈴遥をヒロインに抜擢。そしてトイチを慕い、多くの時間を共に過ごす村人・源三役には、若手実力派・村上虹郎。このほか、伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優、笹野高史、草笛光子、細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功ら日本映画を代表する顔ぶれが出演し脇を固める。
さらに、スタッフも国際的な実力派が集結。撮影監督はウォン・カーウァイ作品などで知られる名匠クリストファー・ドイル、衣装デザインには「乱」で米アカデミー賞を受賞したワダエミ。そして若くして天才と謳われたアルメニアのジャズ・ピアニスト、ティグラン・ハマシアンが映画音楽に初挑戦している。
「ある船頭の話」は、9月13日から新宿武蔵野館ほか全国公開。
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