鬼才デビッド・リンチ監督にアカデミー名誉賞授与
2019年6月5日 15:00
[映画.com ニュース] アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は、ガバナーズ賞でデビッド・リンチ監督、俳優ウェス・ステューディ、イタリアの女性監督リナ・ウェルトミューラーの3人に名誉賞を授与すると発表した。
ガバナーズ賞は、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーの理事会が映画界に貢献した人物に授与する賞で、当初はアカデミー賞授賞式中継内で授与されていた名誉賞を独立させたもの。「アカデミーが毎年授与するガバナーズ賞は、芸術のために人生を捧げ、われわれの業界に留まらない貢献をした方々を称賛するためのものです」と、AMPASのジョン・ベイリー会長は説明している。
カルト映画の帝王として知られるリンチ監督は、「エレファント・マン」「ブルーベルベット」「マルホランド・ドライブ」と、これまでに3度、アカデミー賞監督賞にノミネートされているが受賞はない。
ネイティブアメリカンの名優ステューディは、「ダンス・ウィズ・ウルブス」で注目を集め、「ラスト・オブ・モヒカン」「ジェロニモ」「ヒート」などで、自らのルーツを生かした個性的なキャラクターを演じたことが評価された。
ウェルトミューラーは、「流されて…」「愛の彷徨」「殺意の絆」「ムーンリットナイト」など監督作は決して多くはないが、1976年「セブン・ビューティーズ」でアカデミー賞監督賞にノミネート。女性として初めて監督賞にノミネートされる快挙を達成している。
なお、人道賞に当たるジーン・ハーシャルト友愛賞には女優のジーナ・デイビスを選出。「テルマ&ルイーズ」やアカデミー賞助演女優賞を受賞した「偶然の旅行者」で知られる女優デイビスは、メディアでの男女平等を訴える非営利組織ジーナ・デイビス・インスティテュート・オン・ジェンダー・イン・メディアを立ち上げ、テレビや映画で多様な女性キャラクターを生み出すように働きかけており、その努力が評価された。
第11回ガバナーズ賞授賞式は、米ハリウッドのドルビーシアターで10月27日に行われる。