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中島美嘉、映画「雪の華」に驚きと感動!橋本光二郎監督と語り合う“魅力”

2019年2月2日 11:00

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映画「雪の華」について語り合った 中島美嘉、橋本光二郎監督
映画「雪の華」について語り合った 中島美嘉、橋本光二郎監督

[映画.com ニュース] 「羊と鋼の森」「orange オレンジ」の橋本光二郎監督が中島美嘉の楽曲を映画化した「雪の華」(公開中)。ガラス工芸家を目指す青年・悠輔と、余命1年を宣告された女性・美雪の切ない恋愛模様を描き、三代目J Soul Brothersの登坂広臣、女優の中条あやみが主演を務める。「まさか映画化していただけるとは思っていなかった」と驚く中島、映画化にあたり歌詞から受け取った思いを作品に込めたという橋本監督が、楽曲の持つ力を語り合った。

余命1年を宣告された美雪(中条)には、両親が出会ったフィンランドの地でオーロラを見ることと、人生で初めての恋をすることという2つの夢があった。ある日、ひったくりにあった美雪は、ガラス工芸家を目指す悠輔(登坂)に助けられる。両親を亡くし、兄弟を1人で養っていた悠輔は、働いている店が経営難に陥っていた。そのことを知った美雪は、店を救う100万円を支払うことと引き換えに、1カ月限定の恋人になってほしいと悠輔に持ちける。「いま、会いにゆきます」「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の岡田惠和が脚本を担当し、舞台となるフィンランドでロケも行った。

自身の楽曲が映画化され、中島は「びっくりやら、うれしいやらという気持ちでした」と驚きを明かしつつ、「すごく壮大な物語になっていたので、感動しました。歌の世界を伝えていただけて、うれしかったです。私が歌うと切ない、悲しい気持ち寄りになることが多いのですが、この作品自体はとても温かいので、歌詞の世界をよりよくわかってもらえると思うし、私自身も再確認できました」と橋本監督に感謝を伝える。

中島の言葉にホッとした様子の橋本監督は「僕自身は『雪の華』を冬の切ない恋物語ととらえていたのですが、改めて歌詞を何度も読み返すと、ただ切ないだけではなく、一人の人間の一途な思いが描かれていると思いました。台本を受け取ったときも、一途な思いが高まるからこそ、最後の恋の切なさが生まれるのだと考えて、恋の喜びや人と手とつなぐ温かさを大事に撮りたいと思いました」と作品に込めた思いを明かす。続けて「最近、ここまで恋愛だけに集中した映画は少なくなってきたので、2人が徐々に距離を縮めて愛を育んでいく姿を丁寧に描いていきたかった。歌詞にある『冬の匂いがした そろそろこの街にキミと近付ける季節がくる』という部分とか、ものすごく繊細な感覚だなと思っていたんです。見えない距離が段々近づいていって、温もりが生まれていくさまを描きたかった」と振り返る。

冬を象徴する楽曲でもある「雪の華」は国内外で100人以上がカバーし、発売から15年経つ現在でも幅広い世代から愛されている。中島は「『雪の華』を出させてもらってから、ありがたいことに歌わなかった年はないと思います。いろんな方が歌ってくださるので、いい意味で私の手を離れたような感覚もあります。今回の映画も『雪の華』というタイトルですが、お話を聞いたときは私の『雪の華』でいいんですかと驚きました。不思議な感じです」と心境を打ち明ける。

ここまで長く愛されてきた理由については「歌詞のなかで『キミ』と言っているけれど、それが恋人に対してかはわからないです。私が仲良くしている方からは、『両親に当てはめて聴いて、元気をもらったよ』と言っていただいたことがあります。恋人以外にも『キミ』を当てはめて聴ける曲なので、みんなが経験したことのある感情が歌詞にあるのかなと思います」と分析し、橋本監督も「一つだけじゃない物語性がありますよね。聴いた方たちが自分たちのなかで咀嚼(そしゃく)するなかで、自分の人生を反映させることもあると思う。言葉にウソのない思いが描かれていて、それが多くの人に届いている」と頷く。

さらに、海外からも反響が多いことを明かした中島は「音の美しさ、メロディーの美しさが言葉のわからない国でも響いてくれたのかなと。私がどうこうというより、歌が素晴らしくて、この曲をいただけたことが私は本当にラッキーでした」と喜びを噛みしめる。

中島の言葉の通り、フィンランドで本作を上映した際のことを振り返った橋本監督は「何人かの方から、エンディングでかかる『雪の華』の歌詞をなぜのせてくれないんだと言われました。『すごくいい歌なのに、なぜ歌詞を訳してのせないんだ』と言われて、すみませんでしたという感じになってしましました(笑)。歌詞がなくても伝わる音、歌声の力があるんですよね。そういう反応があって、すごくうれしかったです」と裏話を披露してくれた。国境をも超えた楽曲の力は、映画の公開を機にさらに広がっていくだろう。

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