“陸の孤島”で暮らす漫画家カップルの行き着く先は…「足りない二人」19年2月21日上映決定
2018年12月9日 09:00

[映画.com ニュース] 「親密さ」(濱口竜介監督)の佐藤秋と、「きみはいい子」(呉美保監督)の山口遥が監督&脚本&主演を兼ねた映画「足りない二人」が、2019年2月21日に東京・新宿ピカデリーで上映されることがわかった。北海道の“陸の孤島”を舞台に描かれるのは、30代俳優2人が自らの人生を反映させた痛切なストーリーだ。
北海道・積丹郡美国町。共同で漫画作家をしている小山内(佐藤)と楓子(山口)の同棲生活は、東京から移住してきて早5年、完全に行き詰まっていた。それぞれ作家デビューから約10年。不甲斐ない日々を変えるべく、小山内は勝負の1本として自分たちをテーマにした物語を描くことを提案する。「2人で描けば、絶対に面白いものなる」と未来に希望を抱く小山内に対して、30歳の誕生日を目前とする楓子は「2人でいるから、うまくいかない」と将来に不安を募らせていく。

「俳優としての居場所づくり」のために製作された「足りない二人」。佐藤と山口は監督&脚本&主演だけでなく、衣装やスケジュール管理、美術やロケ地交渉など、撮影と録音以外の制作業務もこなし、企画から撮影を終えるまで2年もの歳月を費やしたようだ。さらに「撮影終了してからが大変でした。初めての編集、初めてのプロデュースなどが待ち受けており、劇場での公開決定までにさらに2年がかかりました。結局、企画立案から4年を費やし、5年目となる2019年に新宿ピカデリーにてようやく劇場公開されます」と苦難の道のりだった。
佐藤と山口は「本作は、俳優としてどうにかなりたい私たちが作った、自分のやりたいことでどうにかなりたい人たちを描いた映画です」と説明。「何か目指すものがある人、かつて何者かになりたかった人、現状のままでいいのか悩んでいる人にとってこの映画がどう映るのか、私たちも知りたいです。劇場で皆さんにお目にかかれる日を楽しみにしております」と語っている。

「菊とギロチン」「楽園」(19年秋公開)を手がけた瀬々敬久監督は、本作について「実際に付き合ってる男女の役者が演じる漫画家2人の生活は、まるで実験ドキュメンタリーのようで、売れたいと思う俳優の心とジレンマが生々しくも痛々しく語られていく。だけど、いつの間にかこの2人が『浮雲』の高峰秀子と森雅之のように見え始めるのだから始末が悪い」と分析。「くっついたり離れたり、平成末期の日本で腐れ縁を続けながら、人生を全うしようとする姿に寄り添ううちに、最後にはスクリーンを食い入るように見ている自分に気づいてしまった」とコメントを寄せている。
「足りない二人」は、19年2月21日に東京・新宿ピカデリーで上映される。
(C)2017 UNUS Inc.
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