成田凌、周防正行監督4年ぶり新作で映画初主演! 黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾ら豪華布陣結集
2018年9月28日 05:00
[映画.com ニュース] 周防正行監督の4年ぶりとなる新作「カツベン!(仮題)」のキャストが発表され、主演を成田凌、ヒロインを黒島結菜が務めるほか、永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹中直人、渡辺えり、小日向文世、竹野内豊の出演が明らかになった。9月21日には京都・太秦の東映京都撮影所で会見が行われ、“アクション×恋×笑い”の要素を織り交ぜたノンストップエンタテインメントの概要が判明した。
「Shall We ダンス?」の社交ダンス、「それでもボクはやってない」の刑事裁判、前作「舞妓はレディ」の舞妓など、斬新なテーマに挑み続ける周防監督が次に目をつけたのは、映画が「活動写真」と呼ばれていたれい明期の大正時代、楽士の奏でる音楽とともに“しゃべり”で物語を作りあげ、観客たちを映画の世界に誘(いざな)った活動弁士。日本独自の文化が花開いた時代背景を持つ本作は、活動弁士を夢見る青年が、とある小さな町の映画館に流れ着いたことから始まっていく。
映画初主演を飾ることになった成田は活動弁士を夢見る青年・染谷俊太郎役、黒島は俊太郎の初恋相手で女優志望の栗原梅子役に挑戦。映画館「青木館」の館主・青木富夫を竹中、その妻・豊子を渡辺、同館に在籍する活動弁士の山岡秋声を永瀬、茂木貴之を高良が演じるほか、ライバルとなる「タチバナ館」の社長・橘重蔵を小日向、娘・琴江を井上が体現する。また、音尾は大金を追う泥棒・安田虎夫役、竹野内はニセ活動弁士の確保に執念を燃やす警察・木村忠義役として物語を華を添える。
「“映画の始まりの物語”をエンタテインメントとして見てもらいたい」という周防監督指揮のもと、撮影は9月18日からスタートした。東映京都撮影所には、大正時代の街並みを再現したおよそ85メートルのオープンセットが作られており、約20軒の店舗、幅15メートルの大きさを誇る「青木館」のディティールの細やかさには舌を巻く。通りに掲げられた“のぼり”がはためくなか、キャストと和やかに言葉を交わす周防監督――“撮影快調”だ。劇中で活写される「無声(サイレント)映画」は、新たにオリジナル作品を製作。周防監督は、初の撮影地となった太秦の英知に感謝しきりだった。
周防監督「時代劇パートを既に撮影させていただきました。長年時代劇をやってこられたスタッフや役者の皆さんは、やはりわかっていらっしゃって、非常に助かりました。太秦の時代劇に対する蓄積というものを上手く生かしていきたいですね。僕自身、現代劇を離れるという初めての体験。そして、本作は日本映画についての映画でもあります。日本映画が培ってきた技術というものを体験し、勉強したいと思っています」
オーディションを勝ち抜いて大役を射止めた成田は「周防組で初主演――この世界で働いている誰もが羨むことだと思いますし、共演者の方々は誰が主演でもおかしくない方ばかり。プレッシャーを感じますが、それ以上の安心感と信頼があるので、僕は何があっても、這いつくばってでも“真ん中”に立っていようと思います」と気合十分。活動弁士・坂本頼光氏の指導を受けて、約2カ月半が経過した。講談、浪曲といった“語り芸”にも触れ、「映画が終わった後も活動弁士のアルバイトとして稼げるレベルになってもらう(笑)」(周防監督)と大きな期待をかけられているが、「活動弁士という仕事の楽しさを痛いほどわかってきたので、今後も機会があればやりたいですね。(本作の)宣伝の際にやります!」と一切怯む様子はない。
「舞妓はレディ」のオーディションにも挑んでいた黒島は、初々しさと可愛らしさを両立させている点を評価されたようだ。「日本映画界のなかでもオリジナルで珍しい作品になるのではないかと思っています。一観客としても完成がとても楽しみですし、今後の女優人生のなかでも貴重な経験になるはず」と思いの丈を述べると、周防監督は「未知の部分はたくさんありますが、そういう未知の部分があるからこそ、キャスティングできた2人です。スターへの道の“確かな1歩”のようなものをつかんでほしい」「初めてお仕事をご一緒する方々は、僕の映画でどんな風に輝いてもらえるかが非常に楽しみですね。いつにも増してハジけた映画になるので、お芝居も普段とは違うテイストのものを要求していくつもり。イメージが変わって見えてくれれば」と願いを込めていた。
周防組は6度目の竹中、そして3度目の参加となった渡辺のコンビネーションは、撮影以外でも冴えわたる。報道陣を前にして、渡辺が「自分の(役の)設定知らないでしょ!?」と指させば、竹中は待ってましたとばかりに「指をさすな! どういう教育を受けてきたんだ! 表に出ろ!」と応じ、その様子はさながら“夫婦漫才”。「裏でもこういうやりとりをしていますからね(笑)」(成田)と暴露されても、2人の喋りは一向に止まらず、終始爆笑をかっさらった。「Shall We ダンス?」共演時の役名は、青木富夫(竹中)と高橋豊子(渡辺)。時代と人物設定をガラリと変えつつも“犬猿の仲”だった2人が“夫婦”になっているという、周防監督流の遊び心が利いている。
“音なき世界”の登場人物たちに適切な声を当てる声色弁士、映画館同士による引き抜き合戦が勃発するほどの影響力を持つ活動弁士の存在を知った周防監督は「これはまさにアニメーション声優の走りじゃないかと。現代において声優の人気が高いのは、僕らのなかに組み込まれた文化なのかもしれませんね」と分析。「『あの映画を見に行く』というよりも、『あの映画を解説するのが彼だから』ということでお客さんが集まっていた。映画監督、役者よりも弁士が偉かった時代。『喋りにくいからもっとゆっくり映写しろ』と映写技師に命令するほどだった。カメラも手動なら、映写も手動。だからこそ、弁士が全てを操り、映画を支配していたんです」と話しつつ、「弁士にはそれぞれ得意分野があった」と説明する。
周防監督「『ちゃんばら、恋愛映画であればこの人!』という“色”がありました。今回登場する弁士にもそれぞれ特徴があります。成田さんが演じる俊太郎は、彼らに憧れているからこそ全てを真似できるという才能の持ち主なんです。実際に弁士として活動していく彼が、自分のスタイルを見つけていくという成長物語でもあります」
男声、女声、物語の説明パート、そして「昔らしさを意識したしゃべり」と自らの声色を徐々に拡張していく成田。「這いつくばって、しがみついていく」という決意を改めて示された周防監督は、時代の潮流に伴って活動弁士の存在意義が揺らいでいった映画史に触れ、「映画は弁士に限らず、技術の進化の過程です。フィルム時代の技術は、デジタルの時代では必要なくなっていく。映画もトーキーになり、色がつき、画面サイズも変わり、今やネット配信で見るようになった。本作は大正時代の古い話かもしれませんが、ここで展開されていることは、現代にも通用するはず」と自信をにじませていた。
「カツベン!(仮題)」は、9月下旬に東映京都撮影所での撮影を終え、その後、東京・東映撮影所でのセット撮影、関東近郊や福島、中部・近畿地方ロケを敢行し、18年内にクランクアップを予定。19年12月に公開される。
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