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エノケンに愛されたレジェンド俳優・柳澤慎一、60年ぶり主演作「兄消える」を「遺作にしたい」

2018年9月4日 08:00

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[映画.com ニュース] 戦後から活躍し、170本以上の映画に出演した85歳のレジェンド俳優・柳澤慎一(旧芸名・柳沢真一)と75歳の大ベテラン、高橋長英がダブル主演した映画「兄消える」(西川信廣監督、来年公開予定)がこのほど、完成した。近年でも、犬童一心監督の「メゾン・ド・ヒミコ」(2005)や三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」(08)に出演した柳澤だが、主演は日活製作の「酔いどれ幽霊」(1958)以来、60年ぶり。杖なしでは歩くことができない重度の身体障害を抱える柳澤は「これを遺作にしたいと思っています」と話している。

兄消える」は長野・上田市を舞台に、町工場を細々と続け、100歳で亡くなった父親の葬式を終えた76歳の真面目な独身、鉄夫(高橋)の元に、40年前に家を飛び出した80歳の兄・金之助(柳澤)が若い女(土屋貴子)を連れて突然帰ってくるというストーリーで、正反対の性格の兄弟がつむぐ絆が描かれる。2016年、「のろい男 俳優・亀岡拓次」で第38回野間文芸新人賞を受賞し、俳優、劇作家、小説家として活躍する戌井昭人氏が脚本を手がけ、文学座のベテラン演出家・西川氏が映画を初監督した。

ゲイ専門の老人ホームを舞台にした「メゾン・ド・ヒミコ」では元教員の紳士的な老人を、「ザ・マジックアワー」では主人公(佐藤浩市)が尊敬する往年の映画スターの晩年を演じた柳澤。戦後の1950年、戦災孤児や障害者の慰問費用を捻出するために進駐軍クラブで歌い始め、ジャズ歌手としてデビュー。エノケン・ロッパ・金語楼の喜劇御三家からかわいがられ、榎本健一さんから「オレの二代目にする」と言われたレジェンド。米ドラマ「奥さまは魔女」のダーリン役の吹き替えなどでも知られる。

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オファーがあった当初は断るつもりだったそうだが、企画・製作・プロデュースした新田博邦氏の熱意に動かされて、出演を決意。「『ザ・マジックアワー』でさえ、10年のブランクがあったんです。セリフ覚えをどうやったらいいかなとかを考えた時に、これは無茶すぎると思いました。しかし、西川監督、若い脚本家の戌井さんを始めとする方々に、真摯に映画と向き合う姿勢を感じ、遺作を預けたらいいんじゃないか、という風に考えが変わりました」。

撮影は今年3月に上田市で行われ、重度の腰椎椎間板ヘルニア、頚椎ヘルニア、右股関節脱臼を押して、杖なしで風来坊の兄・金之助役を軽妙に演じた。「『柳澤の役はいい加減だね、考えて芝居をやっているのかね?』という批評が出たら、めっけものだと思っています。そういうチャランポランさを狙いました。映画を見た人から、(金之助が)腐されかねない人物に仕上がっていたら、成功だと思っています」と話し、映画公開を心待ちにしている。

新田プロデューサーは「子ども心に『日本にもこんな軽妙で洒落た芝居をする人がいるのか』と思い、いつか一緒にやりたいと思っていました。万事、真面目で粋。完璧に入っているセリフを聞けば、どれほどの思いでこの作品に取り組んでいるか一目瞭然ですが、そんな事はおくびにも出しません。遺作になったとしても十分面目の立つ作品が出来たと自負していますが、もう少し頑張っていただいて、もう1本やりたいです」と話している。

兄消える」は映画祭出品を目指し、来年の公開を予定している。

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