アカデミー賞「人気映画」部門を新設
2018年8月13日 05:00

[映画.com ニュース] アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、「人気映画」部門を新設すると発表した。
今年3月に行われた第90回アカデミー賞授賞式中継の全米視聴者数は2650万人と、史上最低を更新。「タイタニック」が11冠に輝いた1998年に歴代最高視聴者数5520万人を記録したものの、その後は下降線を辿っている。
そんななか、映画芸術科学アカデミーの役員会は抜本的な改善策として、「人気映画」部門を新設すると決定。視聴者離れの最大の原因は、90年代からアカデミー賞にノミネートされる作品が玄人好みの小規模映画ばかりになったためだと言われている。実際に近年、アカデミー賞作品賞を受賞した「シェイプ・オブ・ウォーター」「ムーンライト」「スポットライト 世紀のスクープ」「アーティスト」といった作品は、いずれも北米市場で大ヒットの目安となる1億ドルの壁を突破していない。
同アカデミーは09年、アカデミー賞に人気映画を取り入れるため、作品賞部門のノミネート数を従来の5作品から最大10作品に拡大。前年公開の大ヒット映画「ダークナイト」(クリストファー・ノーラン監督)がノミネートされず、大きな批判を浴びたための措置だったが、その後もアカデミー会員は小規模作品を優遇したために、期待した効果が得られなかった経緯がある。
そこで映画芸術科学アカデミーの役員会は人気映画部門を新設することを決定。これによって、「ブラックパンサー」「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」「インクレディブル・ファミリー」「ジュラシック・ワールド 炎の王国」などのヒット映画がアカデミー賞授賞式で紹介されることが濃厚となった。なお、選考方法やカテゴリーの正式名称は現時点では明らかになっていない。
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