ロバート・レッドフォード、俳優引退の意向を語る
2018年8月7日 14:30

[映画.com ニュース] 監督・俳優のロバート・レッドフォードが、9月28日から全米公開される主演作「The Old Man & The Gun(原題)」を最後に、俳優業から引退する考えを明かした。
81歳のレッドフォードは米EWのインタビューに応じ、2016年に語っていた通り、間もなく公開される新作が俳優として最後の出演作になることを認めた。「絶対にとは言い切れないけれど、俳優という意味ではこの映画を最後にしようと決めた。この後はリタイアする方向に進むつもりだ。なにしろ、21歳のときから役者を続けてきたからね。もう十分だろうと思ったんだ。もっと心がワクワクするポジティブな何かに取り組んでみてもいいだろう?」
「セインツ 約束の果て」のデビッド・ロウリー監督がメガホンをとった「The Old Man & The Gun」は、60年以上も強盗を繰り返して世間を驚かせたフォレスト・タッカーの人生と、70歳のときにサン・クエンティン州立刑務所から脱獄した実話を描く犯罪コメディ。タッカー役をレッドフォードが演じ、ケイシー・アフレック、シシー・スペイセク、ダニー・グローバー、トム・ウェイツが共演している。
この作品も引退を決断する大きなきっかけになったようで、レッドフォードは「私にとって、人生のこのタイミングで演じるには最高の役柄だった」と胸中を吐露。「特に面白いと思ったのは、映画でも描かれているといいが、彼は17回銀行強盗をして17回捕まり、17回投獄されているが17回脱獄している。そこで私の頭をよぎったのは、彼は捕まることを恐れていなかったのではないか。人生で味わえる本当のスリル、つまり脱獄を楽しんでいたのではないかと思ったんだ」
レッドフォードは、1960年にテレビ・映画で俳優としてキャリアをスタートさせ、「明日に向って撃て!」(62)で一躍人気スターになった。アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた「スティング」(73)、「華麗なるギャツビー」(74)、「大統領の陰謀」(76)、「スパイ・ゲーム」(01)、「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」(14)など、約60年にわたって数多くの名作に出演。初監督作「普通の人々」(80)ではアカデミー賞作品賞・監督賞を含む4部門を制し、「クイズ・ショウ」(95)でもアカデミー賞監督賞にノミネートされた。
なお、レッドフォードは今回、監督業からの引退については明言していない。レッドフォードは78年にサンダンス映画祭を創設。毎年1月に米ユタ州で開催される同映画祭は、今やインディペンデント映画界最大の祭典となっている。
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