是枝裕和総合監修「十年」に杉咲花、太賀、川口覚、池脇千鶴、國村隼!
2018年5月4日 05:00
[映画.com ニュース] 是枝裕和監督が総合監修を務めるオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」が、今秋から東京・テアトル新宿ほか全国で公開されることが決定し、杉咲花、太賀、川口覚、池脇千鶴、國村隼といった実力派キャストが結集していることがわかった。
「十年 Ten Years Japan」は、香港で社会現象となったオムニバス映画「十年」を基にした国際共同プロジェクト「十年 Ten Years International Project」の日本版。日本、タイ、台湾で、自国の現在・未来への多様な問題意識を出発点にして、各国の新鋭映像作家が独自の目線で10年後の社会や人間を描き出す。タイ版は、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督が参加し、第71回カンヌ国際映画祭特別招待作品として選出されている。
是枝監督の最終判断のもと、脚本のクオリティやオリジナリティ、将来性を重視し、石川慶監督、木下雄介監督、津野愛監督、早川千絵監督、藤村明世監督が選ばれた。自衛隊徴兵制が義務化された日本を舞台にした「美しい国」(石川監督)、AI知能で道徳を刷り込まれた特殊学区の子ども達を描く「いたずら同盟」(木下監督)、家族の個人データをデジタル遺産として受け継いだ一家の物語「DATA」(津野監督)、75歳以上の高齢者に安楽死を奨励するという未来版“姥捨て”を紡ぐ「PLAN75」(早川監督)、母娘が大気汚染によって地下への移住を強いられる「その空気は見えない」(藤村監督)で構成されており、各作品の撮影は、2017年10~12月に行われた。
「DATA」に主演する杉咲は「記憶のなかにあるもの、自分だけが目にしたものは、その他のどんなものにも変えがたいかけがえのない宝物で、たったひとつの秘密で。それを誰かに教えてみたり、逆に知ったり、信じたりしながら生きてゆく私たちの命は、とても尊いもの」と明かし、撮影が充実していたことをにじませる。「いたずら同盟」の主演・國村は「(同プロジェクトの)先鞭をつけたのが、僕のキャリアにとっても縁の深い香港という事」が参加への大きな後押しになったことを明かす。さらに「この企画に関わった国々がお互いに共感したり影響しあったりして、そこからまた何かが生まれるだろうと、それもまた楽しみにしています」と思いの丈を述べている。
「美しい国」で徴兵制告知キャンペーンを請け負った広告代理店で働く若者を演じた太賀は「(脚本を読んで)途方もなく突き放された気持ちになりました。それは主人公と同じような、自分自身の無自覚さへの失望でした」と告白。出演は即決だったようで「近い将来がどうなってしまうのか、映画でさえ必要とされているのかもわかりませんが、変わりゆく日本でこうした作品がいま産み落とされる事に意義を感じます」と石川組参加を誇りに感じているようだ。一方、老人に死のプランを勧誘する公務員に扮した「PLAN75」の川口は撮影を通じて「人間は、自分の以外の人の本当の心の中を一生知らずに死んでいくものなのかもしれない」という考えを抱き、作品に内包されたテーマに真正面から向き合った。
「どんなプロジェクトであろうと、本が面白ければ参加したいと常々思っています」と話す池脇は、出演した「その空気は見えない」について「とても短いお話ゆえに、想像をかきたてられる本」「撮影期間は短かったですが、もっとじっくりやりたかったと思わせてくれる現場」だったと説明。「監督のことも、スタッフのみなさんのことももっと知りたかった。その儚さも短編の良いところでしょうかね。わくわくする現場をありがとうございました」とコメントを寄せている。
「十年 Ten Years Japan」には、田中哲司、木野花、山田キヌヲ、牧口元美も出演。今秋から東京・テアトル新宿ほか全国順次公開。
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