桜井日奈子×吉沢亮、本当に恋する感覚に陥った「ママレード・ボーイ」
2018年4月29日 09:00

[映画.com ニュース] 吉住渉氏による大ヒット少女コミックを映画化した「ママレード・ボーイ」が、4月27日から公開される。互いの両親がそろって離婚、しかもパートナーを交換し再婚したことを機に、共同生活を送るようになった2人の高校生を描く青春恋愛映画だ。ダブル主演を務めた桜井日奈子と吉沢亮は、「キュンキュンときめいて、本当に、1人の男の子に恋する感覚に陥りました」「やっぱり、かわいいな。そう思って、キュンキュンしていました」と、胸の高鳴りを大切に生きた“初共演”を振り返る。(取材・文/編集部、写真/江藤海彦)
キュートなルックスから“岡山の奇跡”と注目を浴びた桜井にとって、今回が映画出演2本目で初主演。等身大のヒロイン・光希を演じるにあたり、メガホンをとった廣木隆一監督からは「ナチュラルに」とだけ指示されていたそうで、撮影風景を「監督は、あまりたくさん説明されない方なんです。『前のシーンがこうで、ここにいるから。はい、ナチュラルに演じて』と。なので、自分で考える時間がたくさんある撮影でした」と懐かしそうに語る。
そして2017年は「銀魂」など5本の映画に出演し、18年公開作では7本に参加している吉沢。スターへの道を猛烈な勢いで駆け抜けるなか、恋愛映画の主演は初となった。遊の役づくりでは「監督の演出もありつつ、現場で自分が何を感じ、何を考えているかも重要視していました」と真っ直ぐな眼差しを投げかける。
さらに、その美しい顔面を「使い倒しました」と笑う吉沢。「でも『かっこよく見せよう!』という意識はなかったです。遊は身なりはきちんとしていますが、女子からモテようとする男ではないからです。モテ意識がにじみ出ると気持ち悪く見えてしまうので、気にせず演じていました」と説明すると、ヒロインとして恋に落ちた桜井は「吉沢さんの“あざとくないイケメンぶり”は、すごく感じていました。テニスのシーンでは空振りしてもかっこよかったですし、あふれるキラキラがうらやましかったです」と目を輝かせた。
原作ファンにとって“宝物”とも言えるキスシーンに関しては、「保健室のシーンが印象的」と声をそろえる。吉沢は「やばかったです。今まで何回かキスシーンを経験してきましたが、あんなに緊張したのは初めてです」と苦笑いを浮かべ、「少女漫画におけるキスって、超重要事項じゃないですか。そこが美しいかどうかで、作品の質が変わるくらい。保健室では、とにかく美しく見せることだけを考えました。スピード、角度、目をつぶるタイミング。芝居とは違う部分を意識しながら、ドッキドキしまくっていました」と熱っぽく明かす。桜井も「保健室では、私は目をつぶっていたから、いつキスが来るんだろうとドキドキでした。私自身、初のキスシーンでもあったので、撮る前からだいぶソワソワしていました(笑)」と大照れだ。
劇中で涙を流すシーンも多く、確認できただけでも桜井には9回、吉沢には4回あった。回数を伝えると、桜井は「9回! そんなに!?」と立ち上がって驚き、吉沢は「僕も4回も泣いてるんだ……」と声を失っていた。
吉沢「今回、泣くシーンがすごく大変でした……。『泣かなきゃ!』ってなるんです。終盤の、光希と遊が京都の駅で電車を待つところは、運行する電車の間隔の都合で、10分に1度しか撮れなかったんです。4回くらい撮り直したんですが、『僕のせいですごく待たせている!』と思うと、あせって、どんどん泣けなくなって」
桜井「私は中盤の去ろうとする遊にすがりつくシーンが大変でした。外がすごく寒くて、何回かやっていくうちにどんどん寒さに負けて、涙が乾いていっちゃったんです(笑)。監督は涙が垂れるのを期待していたみたいで、粘ってもらいましたが、結局終わった後に『最初が一番良かった』。すごくショックで、そんなことを2度と言われない人になろう、と決めました」
主演として立った、初めて尽くしの撮影現場。味わった喜びや苦しみは、次なる飛躍へのエネルギーになっている。「この作品が、桜井日奈子の“スタート”です」(桜井)、「光希と遊の成長物語でもあり、感動できるポイントがたくさんあります。今作を、僕の代表作にしたいです」(吉沢)。2人のまばゆい笑顔が弾けた。
(C)吉住渉/集英社 (C)2018 映画「ママレード・ボーイ」製作委員会
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