【第90回アカデミー賞】ギレルモ・デル・トロが監督賞で初オスカー!メキシコ人で3人目
2018年3月5日 13:14
[映画.com ニュース]第90回アカデミー賞授賞式が3月4日(現地時間)、米ハリウッドのドルビー・シアターで開催され、ファンタジーロマンス「シェイプ・オブ・ウォーター」でメガホンをとった、メキシコ人監督のギレルモ・デル・トロが監督賞を受賞した。
メキシコ人として、史上3人目の監督賞受賞者。「ゼロ・グラビティ」(13)のアルフォンソ・キュアロン監督、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14)、「レヴェナント 蘇えりし者」(15)で2年連続受賞のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督に続き、オスカー像を獲得した。
初のオスカー像を手にしたデル・トロ監督は、「私は移民です。多くの皆さんと同じようにね。25年間この国に暮らしてきました。私たちの業界の1番素晴らしいところは、国境線を消し去ってしまえるところだと思います。世界がその“線”をより深く刻むときこそ、私たちは消し続けていくべきです。この道を私とともにしてくれたすべての人々に感謝します」と自身のルーツと映画が果たす役割を、感謝のスピーチで語った。
映画は、1960年代の冷戦下のアメリカが舞台。政府の研究所で清掃員として働く言葉を持たない女性と、アマゾンから研究所に連れてこられた不思議な生きものの種族を超えたラブストーリーを描いた。「パンズ・ラビリンス」や「パシフィック・リム」などで独自の世界観を生み出してきたデル・トロ監督の集大成ともいえる、エモーショナルで唯一無二の作品だ。1月末に来日した際は、「自分を表現した作品でノミネートされたことがとてもうれしい。詩の力強さを、私は信じている。ファンタジーでしか表現できない美しさがあると思う」と語っていた。
アカデミー賞の前しょう戦では、全米監督組合(DGA)賞、ゴールデングローブ賞、クリティックチョイス・アワード、英国アカデミー賞などで監督賞を制してきたデル・トロ監督。本作では製作と脚本も兼ねており、第90回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞の3部門に名を連ねた。「パンズ・ラビリンス」(06)で脚本賞にノミネートされたときは受賞を逃しており、今回がオスカー初受賞となった。
「シェイプ・オブ・ウォーター」は現在公開中。
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