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ベルリン国際映画祭「犬ヶ島」で開幕!野田洋次郎、夏木マリらもレッドカーペットに結集

2018年2月16日 13:00

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[映画.com ニュース]第68回を迎えたベルリン国際映画祭が2月15日(現地時間)に開幕した。

オープニング作品に選ばれたのは、「グランド・ブダペスト・ホテル」以来、4年ぶり待望の長編となったウェス・アンダーソンの「犬ヶ島」。20年後の日本の架空の街を舞台にしたストップモーション・アニメだ。“犬インフルエンザ”の流行で、市長命令によりすべての犬が孤島に追放されるなか、愛犬を探すため市長の養子である少年が単身で島に乗り込むことから大騒動に繋がるという、アンダーソン監督らしい壮大かつユーモラスでハートウォーミングな冒険譚。ベルリンにはアンダーソン監督を囲んで、声優を務めた俳優ら総勢17人にのぼるゲストがレッドカーペットに並んだ。その中には、ビル・マーレー、ティルダ・スウィントングレタ・ガーウィグジェフ・ゴールドブラムらと共に、日本から夏木マリ、高山明、野村訓市、野田洋次郎も顔を揃えた。

公式上映に先駆けておこなわれた会見では、11歳の誕生日を迎えたばかりのランキン・こうゆう(少年役)を祝って、ゲスト全員で誕生日ソングを歌うなど、和気あいあいとした雰囲気に。アンダーソンは、当初から犬の物語を書きたいと思っていたこと、また日本を舞台にした理由として日本映画への偏愛、とくに本作では黒澤明の影響が色濃いことを挙げた。また豪華な声優陣のキャスティングについて、「言い訳なしにいつでも出動可能な人であることが大事だった」と語り、会場の笑いを誘った。

今年のコンペティションはほかに、ガス・バン・サント、ブノワ・ジャコー、ラブ・ディアスら、新旧とりまぜた17作品が並ぶ。ディレクターのディーター・コズリックは、今年のセレクションが特にテーマに縛られないバラエティに富んだものであるとしながらも、「映画は世の中のことをわたしたちに教えてくれるだけでなく、世界がどんなものかを説明してくれる。我々がどこから来たのか、我々は誰なのか、そしてもし選択があるとしたらどこに行きたいのかを考えさせてくれる」と、映画が社会を反映するものであることを強調した。

日本からは今年コンペ参加作品はないものの、併設のパノラマ部門のオープニング作品として行定勲の「リバーズ・エッジ」が上映されるほか、同部門に黒沢清の「予兆」、子どもをテーマにしたジェネレーションKプラス部門に、富名哲也の「Blue Wind Blows」、フォーラム部門に想田和弘のドキュメンタリー「港町」、清原惟の「わたしたちの家」、山中瑤子の「あみこ」が入選した。

コンペティションの審査員メンバーは、トム・ティクバを審査委員長に、セシル・ド・フランスや坂本龍一ら、男女半々の計6人で構成される。ティクバは会見で、「僕らはみんな映画を愛している。このメンバーでとにかく議論に議論を重ねて賞を決めたい」と発言。坂本は「政治的な視点ではなく、自分なりのアーティスティックな観点から判断したい」と語った。また現在映画界で問題になっているセクシュアルハラスメントや男女不平等についての見解を問われたティクバは、「この問題は映画業界に拘らず、あらゆる仕事の場で言えること。より具体的にそれぞれのケースを語っていくことが大切」と答えた。さまざまなトピックが持ち上がる中で、果たして今年はどんな作品を審査員が選ぶのか、興味は尽きない。授賞式は2月24日に開催される。(佐藤久理子)

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