「ブラックパンサー」世界初披露！上映前から観客総立ち

映画は、「シビルウォー　キャプテン・アメリカ」でマーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）に初参戦した漆黒のヒーロー、ブラックパンサーの単独映画。アフリカの秘境にある超文明国ワカンダの若き国王ティ・チャラ（ボーズマン）が、亡き父の後を継ぎ、王国が抱える“秘密”に直面し成長していく姿を描く。

会場前にはパープルのカーペットが敷かれ、アフリカの民族衣装に身を包んだゲストも見られた。主演のボーズマンは「僕がティ・チャラを好きなのは、スーパーヒーローの側面をベースにしたキャラクターではないからなんだ」と言い、「彼はとても人間的な経験をする。この物語は、彼の弱いところ、喪失感という部分なしに完成しない。そこに根付いているんだ」と真摯に魅力を語る。出世作「42 世界を変えた男」で伝説的な大リーガー、ジャッキー・ロビンソンを演じたが「ティチャラはもっと外交的。今回はもっとみんなと喋ったよ。みんなが僕に耳を傾けなきゃいけなかった感じだ」と共演者たちとのコミュニケーションを明かした。

ティ・チャラの父親で、前国王ティ・チャカを演じた、南アフリカ出身のジョン・カニは、「僕らはいつも野蛮で、教育を施されることを必要としているわけじゃない。いつも自分たちで殺し合いをするのを止めてもらおうとしているわけでもない。今作で、問題を起こしているのは、君たちの方。僕たち（黒人と白人）が平和に共存できるのだと、僕らは西洋に理解させないといけない」と熱弁。「この映画は、アフリカ人のすばらしいストーリーを語る機会を与えてくれた。エジプトからケープタウンまで、もうファンは大騒ぎしているんだ」と大興奮だった。

MCUのメンバーも訪れ、「アベンジャーズ」のエージェント・コールソン役で知られるクラーク・グレッグは「子どもの頃にこのコミックが出てきたとき、すごく感激したんだ。一国の王が、アフリカ人でスーパーパワーを持っているなんて見たことがなかった。今作のキャストと、ライアン・クーグラー監督によるフッテージを見て、あのコミックの精神が見事にとらえられていると思ったよ」とコメント。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー　リミックス」に出演したデビッド・ハッセルホフは、同シリーズをアピールしながらも「『ブラックパンサー』は世界を制覇すると思うな。僕が知るかぎり、マーベルは間違いをおかさない。彼らは本当に優秀なんだよ」と期待を寄せた。

ドルビーシアターでの上映前には、クーグラー監督が登壇するとスタンディングオベーションの大歓声に包まれた。続いて、主演のボーズマンや、悪役キルモンガーを演じたジョーダン、主人公が思いを寄せるナキア役のニョンゴに加え、ダナイ・グリラ、マーティン・フリーマン、ダニエル・カルーヤ、レティーシャ・ライト、ウィンストン・デューク、フォレスト・ウィテカー、スターリング・K・ブラウン、アンジェラ・バセット、アンディ・サーキスらメインキャストが勢ぞろい。会場には、「アベンジャーズ　インフィニティ・ウォー」のアンソニー＆ジョー・ルッソ兄弟や、「アイアンマン」シリーズのジョン・ファブロー監督、「マイティ・ソー　バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ監督らの姿もあった。上映中は、大きな見せ場の後に拍手が巻き起こり、ティチャラの妹で科学者のシュリ（ライト）が多くの笑いを誘っていた。

「ブラックパンサー」は3月1日全国公開。