東京国際映画祭「CROSSCUT ASIA」部門上映作品13本が決定!
2017年10月17日 18:00
[映画.com ニュース] 第30回東京国際映画祭(10月25日~11月3日)で特集される「国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUT ASIA #4 ネクスト!東南アジア」部門の上映作品が、このほど出揃った。今回は、ASEAN(東南アジア諸国連合)設立50周年を記念し、東南アジアの名監督たちが推薦する若手監督の作品を長編、短編を交えて幅広く紹介する。
「ノルウェイの森」のトラン・アン・ユン監督推薦の1本は、ファン・ダン・ジー監督作「大親父と、小親父と、その他の話」。刺激的な都会と田舎の村を舞台に3人の若者が織りなす人間模様を描いた。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「ブンミおじさんの森」でも知られるアピチャッポン・ウィーラセタクン監督が推薦するのは、「4月の終わりに霧雨が降る」。同作が長編デビューとなるタイのウィットチャーノン・ソムウムチャーンが監督・脚本を手がけ、失業して故郷に帰った青年が織りなすドラマを、監督自身の家族へのインタビューなどを交えながら描いた実験的作品に仕上がっている。
「キナタイ マニラ・アンダーグラウンド」で第62回カンヌ国際映画祭の監督賞を受賞したブリランテ・メンドーサ監督は、自身の作品に出演経験のあるクリストファー・キング主演作「キリスト」を推薦。同作はフィリピンの新鋭HF・ヤンパオの長編第2作で、「ローサは密告された」などでタッグを組んだフリオ・ディアスも出演している。
さらに、「カンボジア若手短編集」として「ABCなんて知らない」「赤インク」「三輪」「20ドル」の4作品を上映。第66回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀作品賞を受賞した「消えた画 クメール・ルージュの真実」のリティー・パニュ監督が、貧困や性犯罪、政治などカンボジアの“いま”を切り取った作品を、自ら主宰するボパナ視聴覚リソースセンターのスタッフとともに推薦した。
あわせて、同部門を紹介する特別予告編(https://youtu.be/UTUBZQ_4yq8)がお披露目された。東南アジアの名匠らや女優、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの石坂健治氏が推薦する全13作品の本編映像を集め、未来の巨匠たちの活躍を期待させる仕上がりとなっている。
アジアの国、監督、俳優、テーマなどに焦点を当て、アジア映画の特集上映を行う同部門は、今年で設立4年目。メンドーサ監督をゲストに迎え、推薦作品「キリスト」のHF・ヤンパオ監督らとのシンポジウムの開催や、来日する各作品の監督や出演者らとのQ&Aセッションなどを予定している。同部門上映作品のチケットは、映画祭公式サイト(http://www.tiff-jp.net)などで発売中。
全上映作品は以下の通り。
「回転木馬は止まらない」(イスマイル・バスベス監督)
「4月の終わりに霧雨が降る」(ウィットチャーノン・ソムウムチャーン監督)
「キリスト」(HF・ヤンバオ監督)
「私のヒーローたち」(エリック・オン監督)
「ポップ・アイ」(カーステン・タン監督)
「他者の言葉の物語」(BW・プルバ・ヌガラ監督)
「ヤスミンさん」(エドモンド・ヨウ監督)
「カカバカバ・カ・バ?」(マイク・デ・レオン監督)
「ABCなんて知らない」(ソク・チャンラド監督)
「赤インク」(リー・ポーレン監督)
「三輪」(ニアン・カビッチ監督)
「20ドル」(サン・チャンビサル監督)